単独でのテント泊登山に慣れていない人におすすめなのがノイズキャンセリングヘッドホンです。
これがあるだけでテント泊の快適性が一気に向上します。 私もハイシーズンのテント泊のときはよく持ち歩いて縦走します。今回はノイズキャンセリングヘッドホンとして最強と名高いBOSE Quiet Confort 35を購入しましたので、レビューと共に登山での有用性を考えます。
山でスマホや電子機器を使うことには賛否両論ありますが、個人的意見としてそれが安全につながるのであれば積極的に採用するべきと考えています。 ノイズキャンセリングヘッドホンがおすすめの理由は「寝れる」。これだけです。
しかし単独のテント泊においてはかなり重要なことです。睡眠が取れないことによる疲労の蓄積は遭難の原因になりますし、単独での行動での事故は救出率が格段に低くなります。 ノイズキャンセリングヘッドホンはザックを少し圧迫しますがそれでも単独行に慣れないときにはおすすめのアイテムです。
周辺のテントがうるさい
複数人でテント泊する人は気にしたことがないかもしれませんが、テントの中で普通に会話しているだけでもかなり音が漏れて周囲の人たちの睡眠を妨害してしまうことがあります。
日が落ちるとやることがなくなるため8時には就寝してしまう人もいれば、複数人で宴会を始める人など様々です。 すべての人が静かにするのが理想的でもありますが、山の中で友人たちと語り合いたいという気持ちもわかりますので、邪魔したくもありません。
そのようなことから会話程度ならば気にしないようにして就寝しますが、慣れないうちは神経が高ぶってなかなか寝付けないものです。そこでノイズキャンセリングヘッドホンを使用してリラックスしたり、周辺のノイズをかき消すことで効率の良い急速を取ることが可能になります。
風と雨の音がうるさい
稜線近くのテント場になると風でテントがバッサバッサと音を立てます。
雨が降るとさらにノイズが大きくなります。テント場での強風は日常茶飯事のレベルなので慣れれば気にせず寝れるようになりますが、最初のうちはノイズキャンセリングヘッドホンでごまかした方が安眠できます。
ビバーク時の恐怖を誤魔化す
登山には2種類のビバークがあります。危険回避のためのフォーレストビバークと、計画性のあるフォーカストビバークです。
まずテントは幕営地以外で張ることは許可されていません。許可された場所以外でテント泊をするフォーカストビバークは基本的にルール違反です。 登山をすると急傾斜を下山中に大雨が降ったりなど、行動することが大事故につながるシチュエーションがあります。
特に単独行で人が少ないルートで事故を起こした場合は誰も助けてくれないので、より慎重に行動する必要があります。 天候の回復を待っても一向に回復しない、回復したけれど目的地まで日没までに到着することができない、そんなときはビバークという選択をします。 ここから朝までが恐怖の時間です。
すべての物音が動物の仕業に感じる
慣れないうちはまともの寝付くことができません。なぜならビバークできる場所はクマ・シカ・イノシシが通る道であり、夜間に人が通ることがない場所です。完全アウェーです。
そんなことから不自然な音がしたらクマがいるのではないか、テントが揺れたら鹿がつついているのではないかという疑心暗鬼状態に陥ります。クマがいたところでどうにもならない状況なので諦めが肝心なのですが、頭で分かっていても心がやすらぎません。 そんなときノイズキャンセリングヘッドホンがあると良くも悪くも周辺のノイズをかき消してくれますので、音により心理圧迫を受けることはなくなります。
場所によっては雪崩、洪水などが想定されるビバーク地であることもあるので、その際は音で危険予測をすることもあります。ヘッドホンを使うときは自然災害が起きない立地条件のみをおすすめします。
BOSE QUIET CONFORT 35の使用感
フル充電で20時間駆動。登山での使用ならば参考中の充電は考えなくても良さそうです。
このヘッドホンは音質を求めるものではありません。他を圧倒するノイズキャンセリングを欲する人が買うべきヘッドホンだと感じました。音質だけならばハイレゾ相当の音質とされているSONYのMDR-100ABNの方が良いでしょうaptX対応もしているため汎用性は高そうです。
音質はほどほどで強力なノイズキャンセリング。登山での快眠や集中して仕事をしたいときにはBoseのQuiet Confort35の方が個人的には好きです。
持ち運びに便利なケース
持ち運び用のケースが付属しています。触り心地は滑らかですが押し潰せないほどの造りになっているので、他の登山用品と一緒にパッキングしてしまっても問題ありません。
収納用にヘッドホンが折りたためるようになっているため、コンパクトに収納刷ることが可能です。
ボタン配置とユーザビリティ
ヘッドホンの右に電源オン(Bluetooth接続・ノイズキャンセリングON)のボタンがついています。
同じくBOSE QUIET CONFORT 35の右側に音量・曲の送り出しなどを行なうマルチファンクションボタンが着いてます。ヘッドホンを装着すると目視できないので手探りでボタンを操作することになります。
ヘッドバンドは柔らかく、耳をすっぽりと包み込みます。長時間の着用でも耳が痛くなることはありません。
QUIET CONFORT 35のアジャスター。ここを引き伸ばして耳を覆えるように調整します。このアジャスターを元に戻さないとケースに収納出来ないのが少し面倒なところです。
付属のUSBケーブルは短く、登山時の充電には最適ですが一般での使用では使いづらいかもしれません。充電しながら使用するときは長めのUSBケーブルに交換する必要があります。
有線で使用することでノイズキャンセリング機能を使用しながら長時間の駆動をすることができます。ホームユースで遅延などが気になる使い方をする場合はこちらの方が快適そうです。
ノイズキャンセリングヘッドホンで快適な登山を
ただでさえ神経が高ぶる登山。テント泊は慣れないとなかなか寝付けません。
寝不足が元で翌日のパフォーマンスが落ちたり集中力が欠如してしまうことはよくある話です。特に単独行でのビバークは心理的な不安からほとんど寝られない人もいると思います。 そんなときにリラックスし睡眠を促す機能のあるノイズキャンセリングヘッドホンは単独でのテント泊初心者の方にはオススメできるアイテムです。
ただ行動中のヘッドホンはおすすめできません。周囲への注意が散漫になりますので防げる事故を起こしてしまったり、巻き込まれたりする可能性があります。 個人的意見としてはテント場など安全が確保されている場での使用がベストと思います。
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