プロカメラマンはどのように写真管理をしているのか

QNAP TS-421

プロのカメラマンの定義は色々ありますが今回は『写真撮影だけで食べていける収入を出している人』ということにします。

私もその部類にはいります。1年で少なくとも10万枚は撮影しますし、プロジェクトでも100近くあります。

HDDは最終的にはNASでの管理にたどり着く

QNAP TS-421

これは間違いないです。NASでミラーリングしてファイルを2重で保護する。

コレが一番手っ取り早く保守性の高い管理システムです。

もちろんファイル管理専門のプロフェッショナルから見ればまだまだ甘いところはあるのでしょうけれど、SOHO・個人事業でのファイル管理では十分かと思っています。ではここまでに至った経緯をまとめます。

内蔵HDDは速度は出るけれど万が一のときに非常に困る

Macはそもそも内蔵HDDを増設するという発想がないので、Windows機での話です。

デスクトップPC(自作)に大容量のHDDを数台積むことを最初考えました。もちろん1台ハードディスクが壊れてもデータを救出できるようにRAID1(ミラーリング)を構築しようとしました。

しかしマザーボードの付属のRAID機能は信用できるのか?そもそもマザーボード壊れたらどうしよう…。壊れた場合ケースからHDD引っこ抜いてサルベージ作業…。データは救出できるかもしれませんがとても時間が掛かりそうなので却下しました。

USB3.0 / eSATA / Thunderboldの外付けHDDは使い勝手が悪い

次の候補は高速インターフェース搭載の外付けHDDでのRAID1(ミラーリング)運用です。4台搭載できる外付けHDDケースで2~3万円くらいです。

速度は基本的にはNASと変わりません。キチンとしたCPUが乗っているものならば、読み込みは速度はSATA接続のHDDと同等くらい出ます。

内蔵HDDの速度

NASの速度

一番の問題は外からアクセス出来ないこと。

繋がってるパソコン限定です。デザイン&コーティング&撮影している私が特殊なのかもしれませんが、自宅オフィスでもデスクトップとノートブックの両方を使います。

ノートはMacbookPro Retina 13inchなので、ちょっとしたデータのやりとりで有線は使いたくありません。

速度が変わらないのであればノートでも使いやすく、外出先からもクラウド経由でデータを引っ張ってこれるNASです。

結果としてNASにたどりつくが、24時間駆動前提のハードディスクでないと不安

しかし初めからハードディスクが搭載されているNASには不安が残ります。なぜならハードディスクといっても速度の他に色々な種類があるからです。

わかりやすく説明されているWestern Digitalのハードディスクラインナップで説明します。

Screenshot of www.wdc.com

WD Blue

日常作業に最適なパフォーマンスと信頼性。そこそこの速度が欲しい場合の用途に向きます。最近はOSをSSDにするのがスタンダードになりましたから使いどころが難しいかもしれません。

WD Green

低温・静音動作・大容量。普段使うことが少ないデータの保存用のドライブとして最適ですね。このシリーズのハードディスクが一番低価格で売られているので、データ用のハードディスクとして買われる方が多いのではないかと思います。

WD Black

128MBのDRAMキャッシュがあるので、ハードディスクながら複数回のアクセス時には高速のデータアクセスができます。OSをSSD、Lightroomでの作業用のドライブにWD Blackという使い方は編集速度重視のフォトグラファーにとっては魅力的な使い方です。加えて5年間の製品保証ということから作りの良さを伺うことができます。

WD RED

Screenshot of www.wdc.com

常時稼働を前提としたハードディスクです。Western DigitalではこのWE REDの使いようととして『NAS』と言い切っています。逆の言い方をすると、他のハードディスクはNASでは使用するな、とも読み取ることができます。速度等のスペックはたいしたことはないのですが、パーツや駆動系の堅牢性と信用性はピカイチです。

自分で好きなハードディスクを入れられるNASケース

このようなことから最終的にはQNAPのNASにたどり着きました。速度も申し分ないし、アプリケーション周りも優秀で使いやすいです。

RAID1(ミラーリング)のHDDで日付+プロジェクト名で管理

日付とプロジェクト名で管理

写真は日付+プロジェクト名のフォルダを作成して、そこにデータを移して管理します。

その後Lightroomの読み込みでそのフォルダを指定してレタッチを開始します。

日付管理のいいところは『いつの撮影だったか』が分かることです。膨大な撮影をこなしていくと、プロジェクト名だけだとどれがどの季節に撮ったものかわかりません。

経験則として『あの時期に撮ったんだけどなぁ』というざっくりなことは覚えているので、その辺りに目星をつけてプロジェクト名を一致するものを探すと、さっくりと写真を見つけられます。

保守期限の過ぎたものはネット接続の要らない外付けHDDに保存もしくは消去

4台HDDが搭載できるNASとはいえ、容量の限界は1年~2年くらいです。クライアントによりますが版権ごと納品する際には契約書に基づきこちらの保守期間を過ぎたものに関しては消去もしくは外付けのHDDやBlu-rayに退避させます。

最近はダウンロードする時のみ料金が発生するフリーストレージなどがありますので、使用頻度の少ない画像データはこちらに退避ておいてクライアントから要求があればダウンロードするというやり方がスマートかもしれません。

作業の速度と大量の画像レタッチをするには自作PCになる

市販のパソコンで大量の写真をレタッチできる環境のパソコンはありません。あるとしたらMac+Thunderbolt対応のNASです。この環境はお金がかかりすぎるため一般ユーザーには不向きです。

自作PCを作れる人はLightroomのカタログをSSDで動かし、写真の保存を転送速度のあるNASで行なうのがもっともコストパフォーマンスが高いです。私はこの環境を使用しています。

クラウドにバックアップは当分先の話

Amazon cloud driveがプライム会員向けにRAWファイルを含む写真のファイルを無制限アップロード可能になりました。テストとして50GBほどRAW画像を転送してみましたが2日間かかりました。その間ずっとネット回線を圧迫するのもよくないですし、気軽にバックアップできる速度でもまだありません。

とはいえこれから進化していくのは間違いないでしょうから注目のサービスです。

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