脱一眼レフ初心者!露出を覚えれば撮影の設定はプロと同じになれます

F値と被写界深度

写真撮影は車の運転に似ています。

素人のドライバーでもプロのF1レーサーでも、ハンドル操作、加速・原則(シフトチェンジ含む)は全く同じ動作です。違いはその練度と経験。実はこれは写真撮影も全く同じです。

シャッタースピード・絞り・ISO感度、この3つだけです。

その設定の組み合わせで露出をコントロールしています。

シャッタースピード

ストロボをつけるとシャッタースピードが固定される

画像の60と書かれているのがシャッタースピードです。1/60秒という意味になります。0.016秒の間シャッターが開く設定です。

シャッターボタンを押すと『カシャ!』って音がなりますね。この音が鳴っている間はシャッターが開いています。『カッッシャン!!』とゆっくりな音になっているときはシャッタースピードが遅くなっている時です。その間に被写体が動いてしまうと被写体ブレ、カメラを動かしたりすると手ブレになります。

手ブレを起こしてしまう目安は1/画角です。50mmのレンズでしたら1/50秒よりも遅いシャッタスピードは極力避けるべきです。

シャッタースピード

一般的にはこのようなシャッタースピードを暗記します。

この図にそって数値を変更することを一段上げる・一段下げると言います。シャッタースピードを一段上げるとシャッターが空いている時間が半分になり、カメラに取り込む光の量が半分になります。

 

絞り

初心者の方が分からないもの第一位、絞りです。画像の右にあるF13というやつですね。

この数値を変えると何が変わるのか。

  • カメラが光を取り込む量
  • ピントの前後の範囲

この2つが変わります。

絞り一覧

絞りの一覧を見ると、見慣れないF1.4 F2.8など数値が並んでいます。写真業界では、現在の数値よりもF値を大きくすることを『絞りを絞る』、F値を小さくすることを『絞りを開ける』といいます。

絞りの数値はカメラによって異なりますが一般的に表の数値を使用します。右の数値にF値を変更することを『1段絞る』・左の数値にF値を変更することを『1段開ける』と言います。

シャッタースピードとは違い1段が2倍の計算ではなく√2の計算になります。ですのでF1.4とF2の2つだけを暗記しておけば簡単に一覧を作ることができます。

カメラが光を取り込む量が変わる

F値を小さくする(絞りを開ける)とカメラの絞り部分が開き光を大量に取り込むことが出来ます。例えばF4からF2.8と1段絞りを開けると光を取り込む量が倍になります

つまり、F4で撮影した写真と同じ明るさの写真が、倍のシャッタースピードで撮ることが出来ます。

  • F4 シャッタスピード1/15
  • F2.8 シャッタスピード1/30

この設定では写真の明るさは全く同じです。シャッタースピードが1/15から1/30秒になり、取り込む光の量が半分になりましたが、F値がF4からF2.8になり、こちらの設定で光を量を倍にしたからです。

ではF値は極力小さくした方が手ブレしない写真が撮れるのではないか?と思うでしょう。実際それが目的でF1.4などのレンズを購入される方もいます。しかしF値を変更することで写真のピントのあっている範囲が変わりますので注意が必要です。

このピントの合っている範囲のことを『被写界深度』と言います。

ピントの前後の範囲が変わる

F値と被写界深度

F値を小さくするほどピントのあっている範囲、被写界深度が変わります。つまりF値が小さいほどピンぼけしやすいのです。

動かない被写体であればF1.4などのF値でもピントを外すことは少ないと思いますが、結婚式など人が動き続けるようなシチュエーションでF値を小さくし過ぎるとピンぼけ乱発します。

プロカメラマンはF2.8程度で被写体以外にはピントを合わせずに背景を盛大にぼかすことで演出的な写真を撮りますが、その写真が撮れる成功率は一般人とプロとでは経験値の違いが出ます。

ピントは望遠になるほど浅くなりますので、200mmでF2.8でピントを外すことなく動く被写体を撮ることは相当な経験値と撮影技術が要求されます。一般の方でしたらF5.6以上が無難かと思います。

ISO感度

シャッタースピードと絞り(F値)を固定しても、このISO感度を変えることで写真の明るさをコントロールできるという魔法のような設定です。

ISO感度

Nikonでは最適な設定は200とされています。例えばこのISO感度変更すると

  • F4 シャッタースピード1/15 ISO200
  • F4 シャッタースピード1/30 ISO400
  • F4 シャッタースピード1/60 ISO800
  • F4 シャッタースピード 1/120 ISO3200

この4つが全く同じ明るさになります。ISO感度を上げるほどシャッタースピードが上がり、手ブレ・被写体ブレを減らすことができます。

もちろんデメリットもあります。それはISO感度を上げるほど画像が劣化すること。

ISO感度増感による画像劣化

ISO25600で撮影した画像はノイズまみれで質感もない写真になります。このように撮ったはいいけれど使い物にならない写真になってしまうことがありますので、持っているカメラのISO感度をどのくらいまで上げてもイイのかを事前に把握しておくのはとても大事なことです。

皆さん綺麗な写真を撮りたくて一眼レフを使っていると思いますのでISO感度を上げるのは最終手段と考えてください。

プロがよく使うシャッタースピード、絞り、ISO感度の組み合わせの考え方

基本知識として難しいことを書きましたが設定はすごく簡単です。

  1. 撮影モードをAモード(絞り優先)にする
  2. 撮影したい被写界深度に合わせてF値を設定する
  3. 手ブレしないシャッタースピードか確認する
  4. 手ブレしないシャッタースピードまでISO感度を上げる

基本的にはこのようなアプローチで露出を決めます。手ブレしないシャッタースピードは初心者の方がよく使うASP-C規格の一眼レフで1/画角x1.5です。50mmのレンズなら1/75です。

慣れるまでは数値を確認したり大変ですが、そのうち感覚で露出を合わすことができるようになりますので、脱初心者を目指す方は挑戦してみてください。

 

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

スポンサーリンク

0
8
0
5
38
0
F値と被写界深度

この記事が役に立ったらいいねをしよう!

Facebookで最新情報をお届けします。

関連記事

同じカテゴリーで読まれている記事