シャッタースピード優先の使い方と暗くならない(露出アンダーにならない)方法

シャッタースピード優先

運動会の撮影など動く被写体を撮るときはシャッタースピードが重要です。

動く被写体を切り取る撮影をときは高速のシャッタースピードが必要であることは一眼レフの勉強の最初の段階で覚えることです。
しかしシャッタースピード優先モードは設定をおろそかにするとアンダーという暗い写真になってしまう可能性が高くなります。

そうならないためのシャッタースピード優先モード(Sモード)の使い方をご説明します。

シャッタースピード優先(Sモード)とは

シャッタースピード優先はブレを止めるか、動かすか
数秒から1/8000秒までのシャッタースピードを任意で設定しF値(絞り)の設定をカメラに任せるモード。被写体を動かすか止めるかといった表現をしたいときに使用します。シャッタースピードが早いほどF値が小さくなり、遅いほどF値が大きくなります。

シャッタースピードを自分で決めて絞り(F値)カメラに任せる

シャッタースピード優先はシャッタースピードを自分で決める

シャッタースピード優先の強みは高速シャッターで手ブレと被写体ブレを激減できること。ネックは明るさが変動する環境ではF値っが自動で変動するため限界まで小さくなりすぎるとアンダー(写真が暗くなる)になることです。

スローシャッターで流れを作る、高速シャッターで手ブレ被写体ブレを防ぐ、主にこの2点に注力する撮影に使用します。

暗い写真(アンダー)にならないための設定

F値が下がらずアンダーになる
最小F値以下にはならない

シャッタースピードを自分で上げると自動でF値が下がっていきます。そのF値が限界まで下がりきるとどんどん暗くなっていきます。これをアンダーといいます。

これが運動会などで写真が暗くなってしまう理由です。シャッタースピードが上がりすぎていることが原因です。
それを避けるためにF値が下がりきった場合はISO感度を増感します。

しかしシャッタースピードを任意決めて変動するF値に対して適正なISO感度を設定することは困難です。

自動ISO感度制御機能を使う

シャッタースピード優先とISO感度自動制御

シャッタースピードを上げていき、F値が最小値まで下がってしまった場合にISO感度が自動で上がっていく設定です。この場合は低速限界設定な無視しても大丈夫です。どんなシャッタースピードを選んでもそれに対応してISO感度が自動で増感・減感されます。

これがシャッタースピード優先モードで暗い写真(アンダー)を出さないための解決策です。
1点注意なのがシャッタースピードを上げるほどF値が下がり被写界深度が浅くなるので撮影技術が要求されることです。

シャッタースピードを上げると被写界深度が浅くなる

手ブレの限界値1/画角mm秒という基準があります。200mmの画角だと手持ちで200/1秒を下回ると手ブレをおこします。つまり望遠レンズほど高速シャッタースピードを使うシチュエーションでの撮影が多くなります。ISO感度を自動設定した場合でのシャッタースピード優先の露出の仕組みをもう一度整理します。

シャッタースピード優先の露出

  1. 自分でシャッタースピードを決める
  2. シャッタースピードを上げるほどF値が小さくなる
  3. 最小F値でもアンダーになる場合、【自動ISO感度制御】でISO感度が増感される

この特性からシャッタースピード優先モードは基本的にシャッタースピードを上げるほどF値が小さくなり被写界深度が浅くなります。
さらに被写界深度というのは望遠ほど浅くなりますので、シャッタースピード優先モードだとボケさせたくない部分までボケる可能性があります。望遠をシャッタースピード優先で撮る際は自動ISO感度制御とは相性がよくありません。

望遠レンズでシャッタースピード優先を使う場合は手動でISO感度設定をする

200mm F2.8であったらF4でも手ブレを起こさない余裕のあるISO感度設定をしておく必要があります。
ISO感度が高いほどF値(絞り)が大きくなるので、設定したシャッタースピードでアンダーにならない限りはF値は使用できる最大値を使用します。
余裕があるF値であったらISO感度を落とすといった使い方が基本となります。

シャッターチャンスを逃さないためにシャッタースピード優先を使うのであれば、被写界深度を一切考えずにISO感度自動制御にするか、最初からISO400・1600・12800のように設定を区切って常にF値に余裕があるようにするかのどちらかをオススメします。運動会など光源が安定した状況なら1/500 ISO400あたりで固定してしまってもF5.6-8あたりでいい感じに被写界深度を稼げるかもしれません。

シャッタースピードが長すぎるとオーバー(明るすぎる写真)になる

F値が最大値になるとオーバーになる
スローシャッターは最高F値以上の数値にはならない
シャッタースピード優先モードでは数十秒のシャッタースピードを使用することができます。

シャッタースピードが遅くなるほどF値がF8・F11・F16〜と上がっていきます。シャッタースピードを遅くしすぎてF値が限界値(16〜32)をの範囲に収まらなくなるとオーバー(明るい写真)になります。

ISO感度を下げて露出をあわせる

F22などの限界値まで絞りを絞ってもオーバーになってしまう場合はISO感度を低くすることで適正な露出になります。ISO感度を下げきってもオーバーになってしまう場合はNDフィルターなどのカメラに取り込む光量を減らします。

具体的な使い方

シャッタースピードを上げてもアンダーにならないように設定する

アンダーをISO感度増感で解決する

  1. 運動会のリレーをブレないで写真を撮るためにシャッタスピードを1/500 ISO200に設定した。
  2. F値が最小値まで低くなり、アンダー(暗い写真)になったのでISO感度を800まで増感した。

水などの流れを作るためにシャッタースピードを遅くする

最高F値でオーバーをISO感度減感で対応する

  1. 三脚を使ってブレないようにして、3秒 ISO400にしたら最高F値22で2段のオーバー(明るい写真)になった
  2. オーバー(明るい写真)になったためISO感度を2段減感しISO100にすることで適正露出にした

まとめ

シャッタースピード優先モードは晴天の野外のように露出が安定している状況で手ブレ被写体ブレを回避したい場合に使用します。室内のような暗く露出が安定しないところで使用すると、アンダーの写真が多くなります。ISO感度自動制御を使用しても最小F値になるので被写界深度が浅くピントを外すリスクを負います。

このように状況を見極めることができれば非常に強力な撮影スタイルですが、扱いが難しいので上級者向けの撮影スタイルといえます。

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