バズることは終わりの始まりを意味する地方の観光地

バズることは終わりの始まり

WEBサイト運営者ならば誰もが期待する「バズる」という現象。1日200〜300PVだったサイトが一日で30000PVまで跳ね上がったりして読者やファンがガツンと増える現象です。

はてなブックマークやFacebook、Twitterなどから爆発的に情報が拡散させることで起こります。良し悪しはありますが本人も予想外のコンテンツでたまに起こりますね。

しかしこれがネットではなくリアル、しかも地方の観光地で起こるとその地域一帯は終焉へと向かいます。まさにバズることは終わりの始まり。

情報ではなく人が動く

情報ではなく、人が動く
ネットがまだ無い時代でもバズると同じ意味で「ブーム」というものがありました。今でも◎◎ブームといいますね。わかり易い例でいうと昭和60年あたりに露天風呂ブームが起こり、バブル期であったことも影響して普段温泉にいかないOLなどの若い女性がこぞって温泉に行くようになりました。それこそ旅行で露天風呂に行くことがステータスであるかの如く。

景気によって起こる予測不可能なブームもあれば、高速道路の開通などにもよる予測可能なブームもあります。

実際に人が動くと経済効果が発生します。オリンピックや新幹線開通で「経済効果◎億円」っていう言葉をよく聞きますね。

当然そういったブームが起こると温泉旅館は予約でいっぱいになります。これはネットでバズるとサーバーが落ちると同じ意味です。ちくしょう!もっと高スペックサーバーだったらもっとPV稼げていたのに、どうする!?どうする俺!?の状態に突入します。

ここから先の展開がネットで違う展開になります。

巨額の金が動く

巨額の金が動く

ネットでバズるとPVが跳ね上がりますが、リアルの観光地だと宿泊や物販など直接的にお金が動きます。旅館経営者などからみれば売上が2倍3倍にもにもなるわけです。

一般の社会人の方が「今年売上よかったから、来年から給料3倍な!」と言われるようなものです。舞い上がってしまうのも十分理解できます。今のうちに頭金用意して家買っちゃう?ローンの審査簡単に通っちゃうんじゃね?

というお金の使い方をするのが地方観光地の「終わりの始まり」です。

ネットでのバズは広告収入や販売に結びつきますが、直接的に自身の利益がなるものは少ないものです。せいぜい2ヶ月くらいの短期的なものですし、一過性であることもサイト運営者の管理人が分かっているからです。

ところがリアルにおけるバズ、つまりブームは数年単位で続くため「来年の売上をさらに伸ばすための設備投資」というお金の使い方に結びつきやすいのです。銀行からの融資も受けやすい状況になりますし、「今がチャンス」と勘違いしてしまうすね。ブームが終わることなんて頭にない状態です。

どうする俺!?の時にガツンと高スペックサーバーを契約するか、一時のバズだから平均でPV上がってきてからサーバーを変えようか検討するの違いです。ネットだとサーバーを変えたところでバズは終了している可能性は高いですね。

ブーム時は金回りがよいということで金融機関をはじめ様々な組織からのアプローチもありますからコロっとあぶない話に乗ってしまうこともあります。

バズの終了で残るのは多額の借金

のこるのは借金
特に自社努力でファンを掴んだんでもなく、偶発的要因での集客できていただけなので、ブームが終わったら今までどおりの売上に落ち着くのは当然です。

中には高速道路などのインフラ整備でバズることを予測して事前に設備投資していたのにまったくバズらなかったという最悪のケースもあります。

そこで生き残るのはバズっている最中でも無駄な設備投資をせずに堅実な経営をしてきた観光地や旅館です。ブームによって爆発的に増えた来訪者に対してしっかりとしたサービスを提供してファンを作ったきたところは今も元気がところが多いです。

多額の投資をしてしまった施設は現在ことごとく潰れています。

最近だと金沢あたりがどうなるのかが興味あります。新幹線開通に伴いサービスをまったく変えずに宿泊料金をガツンと上げている宿も多数あるので、満足度は落ちているでしょうし、宿泊施設の建設ラッシュも起こっていたのでバズが終了したときにどうなるか心配です。

ネットに置き換えると1回のバズで浮足立って高スペックサーバーに切り替えてサイトの更新を停止して広告をベタベタ貼ってしまった会社と、着実にコンテンツマーケティングをしてきた会社の違いです。何事も堅実なのが一番です。

そうネットもリアルも基本はオーガニック検索からの流入であるべきです。

染み付いたバブルの経験

成功体験はとても重要です。成功へのプロセスの描き方、頑張り方がわかってくるからです。今でも就職活動で出身大学や資格・成績などを見られるのは、必要なときに適切な行動と努力をして結果を出せる人材であるかを判断することが根本なのだと思います。

未経験の分野でも自分の成功体験に置き換えて成功へのロジックを組めば要領がよくなります。自分で行動して結果が伴った経験はどんな分野にもで活かせます。

しかしここでの成功体験は「自分はなに一つ努力して得た結果ではない」ということですね。これもよくあるダメなサイトの典型と同じで、もう一度ブームがくれば立て直せるとホンキで考えています。自社努力はしない、新しいこともしない、でもお客さんはブームがくればきっと来てくれる。

そんな淡い希望を抱いて地方は今日も生きています。

かしこ。

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