いい写真を使ってオークションやメルカリ・ECサイトの売上を上げたい、でも商品撮影のことはわからないし予算をかけたくない。
なにより撮影時間が増えるのが嫌だ。これが小規模でECサイトを行っている会社や個人の現実です。
ストロボをはじめ業務用の撮影機材は市場が小さいため高額のものが多く、費用対効果を測るのが難しいです。 あまり金がかからない・場所を取らない・加工が簡単。
ついでにライティングの勉強にもなる。それでいて商用で通用する商品撮影の仕方をご紹介します。
Photoshopで修正することを前提にすると、ライティングの組み方も作業もかなり変わります。 これは実際にECサイトのフォトコンサルをしていたときに使っていた手法です。
用意するもの
必要な機材
- デジタル一眼レフ
- 標準レンズ
- スピードライト1〜2本
- A4用紙
- レフ板
- ゴリラポッド
- 三脚(大きいものの撮影)
- Lightroom(余裕があるなら)
- Photoshop
スピードライト1〜2本
ニコンではD500、D810、D810A、D750、D7200、D5500の機種では内蔵ストロボで外付けのスピードライトを発光させるコマンダーモードが使用できますので最安だとSB-500を1本でライティング可能です。
内蔵ストロボを持たないフラッグシップモデルやその他の機種ではSB-700、SB-5000のどちらかとSB-500以上の組み合わせになります。
なぜスピードライトなのか?
激安のモノブロックストロボや、簡易撮影スタジオキットと蛍光灯を使用すれば少しだけ安く撮影環境と整えることが可能です。
しかし商品撮影以外に使用用途がないことが欠点です。 さらにモノブロックストロボに至っては設置するスタンドが別途必要になりますので、+1万円はかかります。
場所も取りますので一般家庭の商品撮影には不向きです。 その点スピードライトはコンパクトで結婚式は勿論、日常生活の中でも使用でき、多灯ライティングの勉強をすることもできます。
これがスピードライトを推奨する理由です。
一眼レフ初心者がきれいな写真を撮ろうと思ったら真っ先に買うべきアクセサリーです。

デジタル一眼レフ
最安のもので大丈夫です。
代表的な2社での現行の機種ならばNikonならD3400・CanonならX80になります。
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X80 ボディ EOSKISSX80
レンズ
標準ズーム(55mm程度の画角が使える)ならどんなレンズでも大丈夫です。
多くの人は一眼レフのボディに付属しているキットレンズになると思います。ストロボを使用した商品撮影ではレンズの性能は関係ありませんので高額のレンズを買う必要はありません。
指輪などの接写が必要な場合だけはキットレンズでは対応できません。
SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO HSMなら接写から標準まですべてをフォローできますの普通の撮影とマクロ撮影の両方を兼用したい人は実質的な選択肢はこれ1本になります。
ゴリラポッド
スピードライトをリモートで発光させるための三脚代わりです。
小物を撮影する場合は一般の三脚だとスピードライトから被写体までの距離が長過ぎるためゴリラポッドを使用します。スピードライトの装着ならば一番小さいもので大丈夫です。
こちらも小さく収納でき移動が楽なため様々なライティングを行なうフットワークを確保できます。
重たいものを設置するほど大きいモデルを使います。
大きいものを撮影したり、被写体との距離を取りたい場合は安い三脚を利用します。
A4のコピー用紙とレフ板
撮影ボックスは背景紙は大きすぎて邪魔です。
設置するスペースが確保できない人も多いので、どのオフィスでもあるA4の紙を数枚使い下地にします。
レフ板は1000円程度で作れるキットを使用します。不格好でいいならダンボールに白い紙を貼り付けたり、発泡スチロールでも構いません。
カメラの固定に三脚は使わない
三脚にカメラを固定して作業をすると時間がかかりすぎて業務時間を圧迫します。
手持ちで・手ブレせず・そこそこの写真が撮れればそれでいいのです。それが実現する環境を作ります。
商品撮影の写真がが素人っぽくなる理由
写真撮影が上手くいかない理由
- ピントが合ってない
- 手ブレしている
- 正面からストロボを当てて被写体のディテールも消し飛んでいる。
適当なピントでもシャープな写真が撮れる被写界深度・手ブレしない高速シャッター・正面以外からの光源。
この3点を をスピードライト1本で解決させます。 ここではNikonのスピードライトSB-900を使用し、一眼レフのボディから無線で発光させます。特に難しい設定はなく、マニュアルをさらっと読めば誰にでも使えるようになります。
スピードライトの1灯をマスター・もう1灯をリモートにする
D500、D810、D810A、D750、D7200、D5500を使用しているならば内蔵ストロボ+SB-500以上の組み合わせ。
その他ならばSB-700/5000+ SB-500以上の組み合わせです。 まずは一眼レフのボディに付けたコマンダーとなるストロボをマスターに設定し、それぞれの光量を設定します。
商品撮影においては自分で光量をコントロールしますのでM(マニュアル)で光量を決定します。正面から光を当てると商品のディテールがなくなってしまうので、発光させない設定か、1/64程度で少しだけ光を当ててあげる程度にします。
リモートで発光させるスピードライトの光量を強めにして、ライティングをしていきます。
リモート側のスピードライトはリモートモードに設定し、コマンダーとチャンネルの設定が合っているかを確認します。
光量はコマンダーの方で制御しますのでこの2つの設定だけで問題ありません。
ストロボは前斜め45℃か後ろ斜め45℃
ライティングも突き詰めるとキリがないので幾つかのテンプレートで運用します。
基本は被写体の斜めから発光させて、影が強くなる部分レフ板を起き影を起こしてあげる撮影方法になります。レフ版の位置を調整しながらいい感じに撮れるライティングを探しましょう。
簡単にライティングを変更できるのもスピードライトのメリットです。モノブロックストロボだと光源の向きを変えるだけで一手間です。
ズームはできる限り望遠を使う
キットレンズ18-55mmならば55mmを使用します。広角を使うほどパース(遠近感)がかかり商品本来の形からかけ離れて行くので、エントリーモデルの一眼レフでも使われているAPS-C規格でも最低35mm以上の画角を使用します。
撮影設定はマニュアル。シャッタースピード1/125 F8
F値(絞り)の数値が上がるほど被写界深度が深くなり背景がボケなくなります。
かわりに一度に取り込める光の量が少なくなるため、暗い画像になるかシャッタースピードが遅くなり手ブレをおこします。
スピードライトを使えばF値を上げて光を取り込む量が小さくなったとしても光量がものすごいのでシャッタースピードをあげて撮影できます。
まずはシャッタスピード1/125 F8で撮影を行います。55mm程度の画角でスピードライトを使用する設定ならばどんなに適当に撮っても手ブレを起こすことはありません。
暗い画像(アンダー)になってしまったらリモート発光の出力をあげます。もっと被写界深度がほしいときはF値を上げてください。
手持ちでガンガン撮る
商品の全体・詳細が分かるように手持ちでどんどん撮影していきます。
オークションやECサイトにおいてカッコよく撮る必要はありません。そのレベルの撮影をこの機材で行なうことは不可能なので、きっぱりと諦めましょう。
まずは、商品がどのようなものなのかをキッチリ説明する方が大事です。
スピードライト1灯で撮影した商品画像
A4用紙を重ねて下地にしているので切れ目の当たりが不格好です。商品によってはこのように強く影が出てしまうこともあります。
さらに品質にこだわるならばLightroomでコントラストと露出を調整し、写真自体に問題がないなら画像を切り抜き実用可能なレベルの画像に仕上げます。
Lightroomで露出とコントラストを調整する
ホワイトバランスやコントラスト、細かい露出の補正などを行います。
1枚の画像をレタッチしたら、パラメーターを全画像に一括コピーできますので、複数枚のレタッチも実質1枚のレタッチ+α程度の作業時間です。
Lightroomでの処理の必要がない人はこの作業を飛ばして一眼レフで撮影したJPEGファイルをPhotoshopで編集します。
Photoshopでの作業時間がかかってしまっては本末転倒なので写真1枚3分以内を目安にしたワークフローを作ります。
Photoshopで影を飛ばすか自然な風合いになるように加工する
Photoshopに画像を読み込みます。
Lightroomならばサムネイルを右クリックして「スマートオブジェクトとして読み込む」を選択。
Photoshopで開いたらレイヤーを右クリックして「レイヤーをラスタライズ」を選択。これで編集可能になります。
一眼レフで撮影したJPEG画像をそのまま読み込む場合はすでにレイヤーになっているためそのまま編集可能です。
商品画像を切り抜く
Wで自動選択ツールを選び、商品の回りを選択していきます。
色のコントラストによって選択範囲を決めているので、白い物を撮影するならば黒の背景、黒いものを撮影するならならば白よりの背景を撮影に使用すると作業が捗ります。
そのままShift+F5で塗りつぶしてしまっても良いですし、レベル調整でほんのり影を残すこともできます。

メルカリを使用する人はスマホに撮影画像を保存する
Googleフォトに画像をアップロードし、スマホからアクセスすることでiCloudの写真共有機能を利用して画像をスマホに取り込むことができます。

スピードライトを駆使して1つ上のレベルの商品撮影
プロが行うスタジオライティングとは違いますが、ヤフオクやメルカリなどの商品画像としては頭一つ抜けるクオリティになります。
オークションは商品のことを分かっている人がターゲットなので写真はあまり関係ないと思われがちですが、商品案内ページに至るまでの一覧ページで写真の質が良いと目に止まることが多くPV数が上がります。
CVR(PVに対する購入の割合)は変わらなくても、PV数が上がることで売上数は増加します。
スピードライトはプライベートでの使用ができますので、ECサイトで売上に困っている人で写真撮影が趣味の人は趣味と実益を兼ねて試してみる価値はあります。
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