一眼レフを買おうと決心するも、どのメーカーのどのモデルを買えばいいのかがわからない。WEBで調べたり友人に聞いたりと情報収集をすると思います。
プロとして10年間やってきて、多くの人の購入相談にのってきた経験からたどり着いた答えが「好きなものを買えばいい」ということです。もちろんカメラ選びの基準となる要素はあります。
初めて一眼レフに触れる初心者の方が自分の好みを最優先する理由と、私なりのカメラの選び方をまとめます。
一眼レフのメーカーは好きなところを選べばいい
代表的なメーカー
- キヤノン
- ニコン
- RICHO(ペンタックス)
- SONY
- オリンパス
- パナソニック
- ライカ
- シグマ
代表的なメーカーの中から、大半の人は選ぶことになります。好きなモノを買えばよいです。注意するべき点はボディとレンズの価格だけ。ざっと調べてみて自分の予算内に収まるなら問題ありません。
人のオススメは「おしつけ」になってしまう
一眼レフを初めて買う人は自分が何をこれから撮ることになるのか、どこまで成長してきたいのか、どの頻度で撮影するのかもわかっていません。経験がないので当然です。
そのような背景から必ずこのようなざっくりとした質問になります「おすすめのメーカーはどこ?」と。
聞かれた方も自分の引き出しの中から正解を探すしかないので、撮影目的がわからないと自分の使っているメーカーを答えることになります。
自分の中で他メーカーと比較して良いと思っている点がたくさんあります。当然バイアスがかかり「オススメのメーカー」ではなくて「私の好きなメーカー」をオススメすることになります。
私もざっくりと「おすすめのメーカーは?」と聞かれたら使用経験値がもっとも高いニコンとキヤノンと答えるしかありません。
メーカーの特性比較ほど初心者には必要ない
よく見かけるメーカー比較一例
- ニコンは黒、キヤノンは白に強い
- フォーカス速度はキヤノン、精度はニコン
- 加工しないならキヤノン、レタッチするならニコン
- 機械的な作りは軍事製品がスタートのニコン
- プロを目指すならはキヤノンの方がいい(根拠は不明)
だからキヤノンがおすすめ、ニコンがおすすめ。一眼レフのことがまったくわからない人のカメラ選びにこのアドバイスはどうなのでしょうか。初心者の方も上級者の方も違和感を感じませんか。
メーカーごとの特性でカメラを選ぶのはハイアマチュアやプロの視点です。このレベルの判断は自分の経験から出すもので、人に言われてもしっくりときません。
これは初心者に最初から100点満点を求めるようなもので、それを購入のアドバイスとして一眼レフを買わせても当の本人はきっと3日後には忘れています。その特性を活かしきれることは難しいでしょう。
ボディの選び方
好きなメーカーの好きなものを選んで大丈夫です。注意する点は1点だけ、最初はAPS-Cかマイクロフォーサーズというイメージセンサーのサイズを選んだ方がいいということ。単純に予算の問題なので100万円程度ならお小遣いの範囲という方はその限りではありません。
イメージセンサーの種類
- 35mmフルサイズ=ボディが高く、対応レンズも高い
- APS-C=ボディが安価・対応レンズも安価
- マイクロフォーサーズ=ボディが安価・対応レンズも安価
フルサイズとAPS-C・マイクロフォーサーズの違いはフィルムに相当する撮像素子と呼ばれるセンサーの大きさです。基本性能としてフルサイズがもっとも高画質です。
そのかわり対応できるレンズが高価なので、最初にフルサイズのボディとレンズを買ってしまうと相性が良くなかった時に引き返せなくなります。
初心者は自分との相性の良さだけで選んでOK
一眼レフを最初に買うならばまずはスペックなどは無視して直感で気に入ったものが一番です。
一眼レフ選びで重視する点
- 軽い、小さい
- ほどほどの大きさ・重さで持ちやすい
- 持った時の質感
- かわいい、かっこいい
- ファインダーが見やすい
- シャッター音が気持ちいい
これらが最優先にするべきです。そのカメラで満足できたのならずっと使い続ければいいし、楽しくなって勉強し知識がついたら再度自分に合うカメラとメーカーを吟味すればいいです。
特に持った時の質感は大事です。所有欲はモチベーションと直結しますので我慢して安価な質感のものを買うと、すぐに剛性のあるマグネシウムボディが欲しくなります。
最初に買ったメーカーのレンズを買い続けなければならない、という考えこそがカメラを楽しく選べない悪い考えです。
他人の主観に左右されない判断要素が大事
画質や特性、多くのプロが使っているなど初心者の方には難しすぎることとは関係ない機能的な部分は十分に購入の判断材料となります。欲しい機能からカメラを探すと買うべきカメラが見つかりやすいです。
ボタンやダイヤルの位置で決める
店員の人の基本的な操作を教えてもらって実際に自分で撮ってみたフィーリングが大事です。意味はわからなくても色々なダイヤルを回してみて自分とって使いやすいものなのか、ボタンの配置や押す感覚に違和感がないのか、そういったものが大事です。
ダイヤルとボタンが多いほど細かい設定ができます。初心者用の一眼レフほど少なく簡単な設定で撮影でき、上級機ほどボタンが多く、細かい設定が可能です。
もし絞りとシャッタスピードの両方を自分で操作したいというレベルの人だったとしたら、それぞれのダイヤルを持つ中級機以上の一眼レフを買うという選択肢も出てきます。
バリアングルモニターが必要か
ファインダーが覗けないローアングルやハイアングルでの撮影をする場合には便利な機能です。
wi-fi内蔵が必要か
レタッチなどせずに、一眼レフで撮影した写真をスマホに自動的に送信して撮影した写真をSNSにアップしたいならwi-fi機能搭載の一眼レフは楽しく撮影に望めます。その分バッテリーの消費が激しいので登山など数日充電できない環境には向きません。
欲しい機能がある各メーカーの一番安いモデルから自分に欲しい機能があるかをチェックする
解像度やISO感度のような写真の色に関わる特性ではなく、カメラの持つ機能に注目すると自分が買うべきカメラが見つけることができます。どのメーカーも性能ごとにキレイに価格差を揃えています。
Nikon D3400(最小の機能)
Nikon D5300(バリアングルモニター・wifi)
Canon EOS Kiss X80(最小の機能)
Canon EOS Kiss X8i(バリアングルモニター・wifi)
Pentax K-70(バリアングルモニター・wifi)
メーカーにこだわらず、欲しい機能があるカメラを買う
自分がどうしても欲しい機能があるのか、実際に撮ってみた時のフィーリング。これが楽しく長く一眼レフを楽しむ秘訣です。友人が使っているのと同じメーカー・モデルを買って意見交換しながら楽しみたいというのも正解です。
交換レンズでメーカーを選ぶ必要はない
どのメーカーであっても一通りのレンズはそろっています。最初の1〜2本のレンズならばどのメーカーであっても同じです。
メーカー別レンズの数
- キヤノンEFマウント:約70本
- ニコンFマウント:約90本
- RICHO(ペンタックス)Kマウント:50本
- SONY Aマウント:約40本
- オリンパス マイクロフォーサーズマウント:約40本
- パナソニック マイクロフォーサーズマウント:約45本
- ライカ Mマウント:約25本
- シグマ SAマウント:約45本
価格ドットコムのメーカー純正レンズだけでもこれだけの本数が現在販売されています。初心者が1年2年でレンズ選びに悩むような本数ではありません。
こだわりがなければキットレンズ
ボディとセットに付いているダブルズームキットが個別に買うよりも安くレンズが手に入るのでおすすめです。どのメーカーのものを買っても18-200mmの11倍ズーム領域をカバーできます。
コンパクトデジカメと同じ感覚で撮りたいならサードパーティ製レンズ
コンパクトデジタルカメラのようにマクロ撮影も行いたい場合はシグマに17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMという便利なズームレンズがあります。キットレンズ18-55mmの代わりにこっちのレンズを購入すると便利です。
経験者としてはこういうレンズがあるよと情報提供はできますが、初心者の人は15-55mmってどのくらいのズームなのかわからない。ピンとこない。というものだと思います。
個人的には「一眼レフってどんなものだろう?」ということを経験で知るのが一番いいと思うので、パッケージされている一番安いレンズであるダブルズームキットで十分かと思います。
まとめ
初心者の一眼レフカメラの選び方
- ボディは好きなメーカーのものを買う。好みや質感は大事
- メーカーの特性よりもカメラに付いている機能で選ぶ
- レンズはキットレンズ
初心者の方が初めて一眼レフを買うときはこのようなアプローチがオススメです。明確に撮りたいものが決まっているならそれに特化した単焦点レンズを購入してもいいかもしれません。
初心者からプロになった経験から考えたレンズの選び方はこちら。

一眼レフの勉強はこちら
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