本業はフォトグラファーなのですが、WEBの前線の知識を得るために定期的にWEBデザインやディレクションの仕事をしています。
山岳写真に関してはだけはクオリティのみを追及できる恵まれた環境にいるのですが、その他の撮影はWEBデザイン・マーケティングと組み合わせてクライアントの利益を上げる手法を取っているためです。 カメラマンはWEBマーケティングができないと仕事が失くなるのではないかで、「カメラマンに限った話しじゃないなぁ」という意見を多くいただいきました。

どのようにWEBマーケティングのスキルを身につければいいのか?という1つの例は出さないとコンテンツとして不十分だと思いましたので、私のケースをご紹介します。流石に【登山+写真+デザイン】なんて目指す人はいないと思いますが、数字を出さないと参考にならないと思うので生々しく金額を出していきます。
個人的な意見としてはフリーランスでWEBマーケティングの技術を組み合わせるなら専門の制作現場に一度入り技術を得るか、相応の人脈を得るのが最低条件だと思っています。中には独学でこなしてしまう人もいますが残念ながら私は凡才でした。 WEBデザイン・マーケティング業界に飛び込みたい人、自分のキャリアパスにWEB技術が必要だと感じている人も多いとのかな?と感じたので、私のWEBクリエイターとしてのキャリアだけを引っこ抜いてみます。
現在の私のフリーランスWEBデザイナー/ディレクターとしての仕事は、東京の開発現場に常駐で50〜70万円/月くらいの単価です。WEBデザイナーとして優れた技量を持っているわけではないのですが、ニッチな分野で需要があるためかもしれません。 ちなみに現在のポジションを目指してWEBスキルを磨いてきたわけではなく、行き当たりばったりの結果論です。
アルバイトで時給900円レベルのWEBデザイナー
大学生のときに写真スタジオのバイトとWEBデザイナーのアルバイトをしていました。
業界未経験なのでまずはキャリアを作ることを最優先に考えました。使用した求人サイトはFind Job!。当時は地元でのWEBデザイナーの求人件数が多くありました。
現在でもWEBスキルのオウンドメディアを立ち上げてWEB業界に特化した求人サイトになっているのでマッチング精度は高いと思います。
まったくの未経験から派遣社員レベルのWEBデザイナーになるまでの具体的な勉強方法のおすすめはこちら

当時のWEBデザインスキル
- Photoshop(バナー制作)
- HTML/CSS
- 写真撮影(スタジオアシスタント)
フルコミットしていたわけではないのですが、2年間くらいやっていたと思います。バナーを作ったり更新作業が主な仕事で、暇な時は特集記事などをデザイン・コーディングしていました。
デザインはパワポで再現できるレベルでした。
上司や同僚の技術を盗み、仕事で得た技術や知識をつかって独学でWEB技術を磨いていく期間です。アルバイトの内容はルーティンが多いので自発的にデザインの勉強をしていかないと次のステップにすすめません。
得たスキル
- HTML/CSSの業務レベルのでコーディング技術
- フリーライブラリを使用してのJavascriptのカスタマイズ
- PhotoshopとIllustratorによるWEBサイトのカンプ作成
- WordPress(既存テーマのアレンジ)
他社のWEBページを見て、動きのある要素以外そっくりそのままデザインとコーディングで再現できるのが1つの目標達成の目安だと思います。
これができると次のステップに進めます。
派遣社員で時給1800円程度のWEBデザイナー
WEB業界では経験者と未経験者の違いは大きく、同じような業務内容でも給料に2倍くらいの差が出ることもたくさんあります。
ポートフォリオと自分の運営サイトだけを評価してくれる企業もありますので、現在就業中でWEBデザインやマーケティングを学びたいけれども時給900円レベルまでの生活レベルに落とせない人は、ここからはじめても良いかと思います。
週5勤務残業込みで手取り25〜30万程度が目安になります。交通費が出るかどうかは派遣先次第です。安定性がないぶん同年代の正社員よりも額面のみは優遇されているケースが多いです。
使用したのはインテリジェンスの派遣 。
案件数が多いのと大手企業の仕事が多いので自分のスキルとのマッチングする可能性が高く、最先端の技術を学ぶことができると思いこちらを使用しました。
未経験者が最初から派遣社員を狙う場合
すでに社会人で生活していて、デザイン業界未経験でいきなり派遣で手取り20万を目指すためには即戦力を証明できるスキルと、WEB業界の常識(コーディングルールやデザイン作業のすすめ方など)が必要になります。
座学や書籍では限界がありますし、スクールに通う時間捻出も厳しいので、デザイン業界の経験者をメンターにしたオンラインスクールが現実的です。
及第点は狙う業界によって様々ですが、目的に合わせたサイト設計とデザインができることは必要です。
最近はフロントエンドでも使える人材の需要が高いので、WordPressのテーマを自分で作れてブログ運用できるレベルになればWEBデザインの派遣社員で採用されると思います。
派遣社員から大手企業の常駐ができる
派遣社員のメリットは自分で仕事を探す必要がないことです。
ポートフォリオと経歴を見て採用の見込みがあれば派遣会社が営業に回ってくれます。もちろん技術があるほど、こちらの希望する条件を増やすことができます。
プロフェッショナルが集まる現場が多くなる
今まではデザイナーが複数の仕事を兼任していたのに対し、大手企業になると専門で分業されていきます。
アートディレクター・WEBディレクター・デザイナーのチームの中に属して、WEBマーケター、SEO、リスティング、UX設計、インフォメーションアーキテクチャ、システムエンジニア、様々な人達と打ち合わせをしながら仕事を進めます。 この環境下で仕事をしていると「WEBを使ってどうやって利益を出していくか」の仕組みが分かってきます。フリーランスでWEBマーケティングを駆使して仕事をしていくならば一度身を置くとかなり有利になります。
契約更新制度を上手く利用する
3ヶ月ごとの更新になります。企業からしてみれば遠慮なく人員削減ができるメリットです。逆に安定を求めていない技術者しても退職を遠慮する必要がないメリットです。 特にWEBデザイナーは実績を積み上げるごとにステップアップできるので、そういうハングリーな現場に見を置いてスキルを磨くというものキャリアとしては良いと思います。 私の場合はサービスのデザイン改修・保守系の仕事でした。新人を入れても環境に慣れるまで時間がかかること、仕事はいくらでもあることから基本的に企業側から切られるということはありませんでした。
得た知識
- WEBサービス開発現場でのコーディング
- WEBマーケティングの基礎
- PHPの基礎
- WEBディレクション
システムエンジニアと一緒に仕事をするのでPHPでファイルのやり取りをすることが考えられます。
書けないまでも分岐条件程度は読めると作業がスムーズになります。デザインチームがしっかりまとまっているならSassなどのCSSメタ言語を使う現場もあります。
派遣社員で時給2500円のWEBディレクター
簡単なディレクションをしながらWEBサイトのUI設計・スマホアプリデザインなど。手が空いているときはコードを書いたりバナーを作ったりする実質フリーポジションでした。
デザイン回りの上流工程にいることが多いため、ワイヤーフレームを書いたり、UIUX設計などの骨組みを作ることが多くなり、CVRなどの数値を見ながらABテストするような仕事です。 週5勤務の残業ありで手取り35〜38万くらいでした。 ここでも使用したのはインテリジェンスの派遣 以前の職場の履歴などが残っているため、同じ担当者の方に仕事を探してもらいました。違う派遣会社を使用すると再度カウンセリングを受ける必要なので手間が省けます。
得た知識
- UI/UX
- スマホアプリデザイン
- 社内折衝
- 広告運用
- SEO
プロフェッショナルと知り合いになれる
チームを組んで仕事をすることが多くなるため、プロデューサーやWEBマーケター、エンジニア、デザイナーの人たちと個人的に仲良くなります。
WEB業界で仕事のできる人は企業に属することにこだわっていない人が多いため高い確率で退職されますが、お互い信頼関係があるため新しい職場に入ったりフリーで仕事を始めたときに仕事のお誘いをもらえることがあります。
フリーランスで月単価50〜70万のUI/UX設計
企業とマッチングする要素
- WEBサービス開発の経験が長い
- UI設計とUX改修ができる
- 上流から下流のどの工程でも使える
たまたま時代のニーズにマッチングしているため「WEBの仕事したいな」と思ったときにフリーランスの紹介会社に行くとだいたい常駐先がみつかります。
最近お世話になったのはレバテックフリーランス。渋谷のヒカリエになる会社でIT・WEBに特化したフリーランス専用のサービスです。
高単価な案件が揃っているので収入の優先度が高いなら最初はここから仕事を探すといいかもしれません。担当の人の仕事探しは迅速でカウンセリングの翌週には面接可能な企業をピックアップしてくれます。
フリーランスの強み
派遣会社を挟まず直のやり取りになるため企業側が報酬を出しやすい特徴があります。税金などの処理を自分で行う必要はありますが、派遣社員よりも給料が下回るということはないと思います。 給料や勤務体系、契約期間の交渉もできます。個人的に助かっているのが勤務体系の交渉。
WEB現場にいても写真撮影をすべてカットしたくはないので週4勤務やリモート作業という仕事をすることがあります。 給料に関してはフリーランスの場合は予測が付きません。同じ仕事内容であってもプロジェクトの予算がある企業は高いですし、常駐する地方によってもバラバラです。ただお誘いいただいた経験からすると東京の渋谷と八重洲あたりが一番高給です。
元職場からの仕事が確実
大きい会社でWEBをやっていた人で現在フリーランスの人はかなりの人がお誘いを受けるのではないでしょうか。
私も以前の職場から定期的に仕事の声がかかります。 「◎◎の案件取れそうなんだけれども、いつから来れる?」というフランクな連絡から仕事が始まることも多々あります。
企業からしてもメリットが大きい
状況によってはWEBデザイナーは採用する側としてはリスクが大きいみたいです。
お得意先から貰った仕事に合わせて人材を増やすときに派遣会社任せてハズレを引いてしまったら…という話をよく聞きます。 だったら多少高額になってしまっても契約期間を決めて一緒に仕事をしていた人にお願いしよう!ということで私達のようなフリーランスに声がかかります。 仕事の流れも慣れていますし、出て来る成果物の品質も分かっているので頼む側としては安心できるみたいです。 こちらとしても定期的に最新のWEB開発現場で仕事ができるのでありがたい限りです。
派遣社員は中間マージをものすごく取られていることもある
これも大手企業にいた私の経験です。開発自体は内製でも人材は別会社の社員を常駐させることが多いです。
企画は本社、フロント開発はA社、バックヤードはB社、デザインはC社、インフラはD社のような感じです。 人材が足りなくなるとそれぞれの分野を担当している会社に補充を頼むことになります。当然費用は発注先の会社が出します。 人員補充を依頼された会社は自社の社員を常駐させるか、人材紹介会社から派遣社員を雇うか、フリーランスで雇うか、いくつかの選択ができます。
発注元として最悪なケースなのが中間マージンをガッツリ引かれて派遣会社に人材補充を丸投げされること。人員1人に対して予算60万円出しているのに、実際に来ているデザイナーの報酬が20万円程度ということも珍しくはありません。 期待しているクオリティに届くことがないため担当者は胃が痛くなります。ここでもやっぱり「同じ費用で済むなら一緒に仕事していたアイツ!」と着地することが多々あるそうです。
WEB業界の経験をカメラマンとして活用して仕事を創る
WEBマーケティングに関しては基本的なことができる程度ですが、困ったときに多くの人に相談できる、状況によっては雇ったり協業できるので助かっています。
やりたいことに必要な知識を得るために仕事をする考えは完全にリクルートのノリですが、得られる技術やコネクションは大きいと感じています。 クライアントから撮影依頼を頂き話を深く掘り下げて「写真じゃどうにもならないな…」と感じた場合は迷うことなく彼らにエスカレーションしてしまいます。結果としてクライアントの利益になりますし、信頼関係の構築にも結びつきます。 特にBtoBでの写真撮影の目的は写真を撮ってもらうことではなく問題を解決することで、その担当者が「写真で解決できるかも」と思っている状態です。
それに対して様々な提案ができるようになると写真撮影を含めて長期間のお付き合いになることもあります。 自分のWEBやデザインスキルと写真撮影を組み合わせることで解決できる案件ならば双方にとってメリットが大きいです。…というかそうしないとウチくらいの山奥のど田舎では仕事がないので創るしかないのが実態です。
ちなみに個人で仕事をするカメラマンがWEBマーケティングやデザインのスキルを活用する案件はたくさんありますしこれから増えていくと思いますが、カメラマンのスキルが必要なWEB開発現場というのは皆無です。

フリーランスでWEBに関わっていくなら役に立つキャリアパス
自分の経験なので他のキャリアを提案しようもないのですが、定期的に高単価なWEBデザインや開発案件を貰えるので自分のしたいこととWEBを組み合わせたい人、事業が軌道に乗るまでの収入に不安を持ちたくない人には現実的なワークスタイルかなと思います。
写真撮影でWEBマーケティングするためにしてきたことまとめ
WEBのキャリア
- 時給900円のアルバイトWEBデザイナー(Find Job!
)
- 時給1800円の派遣WEBデザイナー(インテリジェンスの派遣
)
- 時給2500円の派遣WEBディレクター(インテリジェンスの派遣
)
- フリーランスのWEB屋(レバテックフリーランス
)
このキャリアで得た技術で岐阜の山奥で写真撮影で仕事をしています。WEB技術面で困ることは少ないのですが人が少なすぎて大きい仕事がまだまだできないのが課題です。
山岳写真でエッジを効かせているので怪我などでしばらく仕事ができなくなったときのリスク管理の1つでもあります。
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