登山靴はメーカーから選ぶより、自分の足に合ったものを選んだ方がきっと幸せになれる派です。
そんな私の足と相性がよいメーカーはライケル(現MAMMUT)、とマインドルです。今回久しぶりに登山靴を新調したのでレビューとおすすめポイントをまとめます。
マムートのブーツは歴史と実績のあるライケルの魂を受け継いでいる
MAMMUT(マムート)もライケルも同じスイスの老舗登山ブランドです。
近年ライケルはマムートに買収され、ブランド名がマムートになりましたが品質はライケルとそう変わった印象はありません。
ブーツによっては日本人の足に合わないと思うようなものもありますが、品質や機能は1流だと思います。
北アルプスを縦走するなら踵のホールド感が強く、セミワンタッチアイゼンが装着できるモデルがおすすめ
まず夏山用のブーツは基本的には軽いものが多いです。
これは保温性の必要が冬山に比べて必要がないことや、ピッケルやスコップなどの重量のある装備が必要ないことから、がっちり足をホールドしなくてもいいことが挙げられます。
その結果軽量のブーツになり、足への負担はさらに軽減されるので快適な登山をすることができます。
日帰りで2000mくらいまでの山なら軽量ブーツの一択なのですが、3000mを超える北アルプスで縦走となると事情が少し変わってきます。
まずテントや水などでかなりの重量になること。荷物の重量の負担は足へと集中します。疲労のときに足をひねってしまうことも多い為。ある程度ホールド感があるブーツを履いた方がいいというのが私の経験則です。
次にアイゼンの装着のしやすさ。 基本的に夏山用のブーツは12本爪のアイゼンには対応していません。アッパーがとても柔らかいことや、ヒール部分にセミワンタッチアイゼンを固定するコバなどがない為です。
この2つのことから夏山用のブーツに8本詰めなどの簡易アイゼンを付けるよりも、12本爪がつけられる中で最軽量のブーツを買った方が色々と楽でした。
ちなみに前コバがついていないMAGIC GTXは前コバがついておりませんのでワンタッチアイゼンの装着はできません。
ワンタッチアイゼンとセミワンタッチアイゼンの装着できる靴の違いは、靴の前にコバがついているかいないかです。
付いているモデルはほとんどが冬山仕様のもので靴のアッパーも固く重いブーツとなります。冬山用のMAMMUT MAMOOK GTXはこのように前にワンタッチアイゼンをつけるコバがついています
さらにクライミングにも対応できるようにアッパーの周りでは硬い素材を使用しています。
そのようなブーツは夏山で履くと快適ではありませんので、そこそこのホールド、そこそこの雪に対応できる靴をと思いました。
それが今回調達したMAMMUT MAGIC GTXというブーツです。定価で40000円なので登山用ブーツとしてはそれほど高い部類ではないかと思います。
MAMMUT MAGIC GTXのいいところ
なんといっても汎用性の高さです。 これさえあれば北アルプスの厳冬期以外は大体対応できます。 状況判断に迷ったときはこれを履いていけばいいという安心感です。
重量は公式で797g。MAMMUTの夏山ブーツの傑作Teton GTXが735gなので、冬山にも対応できるブーツとしてはとても軽い部類になります。
MAMMUTの夏山用のブーツTeton GTXよりも一回り高さがあるブーツです。
かかとの部分のホールド感が高いのがわかります。かかとの上の方まで固定されるので歩き安さだけで言うならTetonですが、岩場やどでのバランスだとMAGICに期待が持てそうです。
冬山用のブーツのMAMOOKとの比較です。高さはほぼ同じですがMAMOOKの方ががっちりホールドされるのがわかると思います。MAGICはホールド部に柔らかい素材お使用し歩き安さを重視してるのような印象を受けます。
ちなみに厳冬期縦走や、アイスクライミングで使用するブーツはMAMMUT Mamook GTXというあまり日本では売られていないブーツです。こちらは860gでかなりの重量です。
ソールは Vibram Maton
ソールも汎用性の高いビブラムのMatonを使用しています。先端にクライミングゾーンがあり、岩場でもパフォーマンスを出してくれるソールです。
MAGIC GTXの履き心地
歩くことにかなりのラグジュアリー感を感じます。
ガチガチの冬山用のブーツよりも、夏山のTeton GTXに近い感じです。それでいてTeton GTXよりもホールド感と剛性を感じることができ、それなりの重量を背負っても安定感があります。
北アルプス縦走でテスト
新穂高温泉―槍平小屋―奥丸山ピストン―槍ヶ岳―東鎌尾根―上高地という縦走をしてきました。
距離にして55kmです。 足首は本格的な冬山のものよりも柔らかく、Teton GTXのような夏山用よりもしっかりしています。
今回は40kgを背負っての縦走でしたが十分信頼をおけるフィット感です。また最近のMAMMUTのブーツの傾向でもあるのですが、幅広です。日本人に合わせて作ったTeton GTXと同等の広さではないでしょうか。 ソールのつま先部分は岩場対応のものなので、ちょっとした傾斜のかかっている岩でもしっかりグリップします。 問題なく東鎌尾根は踏破できるスペックを持っています。
とてもバランスのよい靴です
性能的にも価格的にも、夏山デビューした次のシーズンの春山や縦走目的におすすめできる一足です。
ただ靴は個人差と相性があるので、靴だけはメーカーにこだわらず自分の足に合っているものを買われることをおすすめします。
モンベルなどはターゲットが日本人ですので足に合う可能性も高いですし、値段もお値打ちです。スカルパやガルモントは私の足にフィットするものは少なかったです。
一応一般的な日本人の足とショップではよく言われています。やや幅広の靴がしっくりきます。
ネット通販で登山靴を買うならサイズが合わなかったときの交換が無料の好日山荘《公式通販》などの登山用品専門店がおすすめです。
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