アウトドアメーカーと登山愛好家のお祭り!乗鞍新登山道整備2017のご報告

乗鞍新登山道整備2017

年に一度の奥飛騨温泉郷平湯の登山のイベント、平湯温泉観光協会主催の乗鞍新登山道整備2017。
内容は平湯温泉から乗鞍岳へと至る登山道「乗鞍新登山道」を整備するというもの。今年も参加募集をクラウドファンディングで行い、数日で参加者の枠が埋まりました。

2017年は一般参加者33名、メーカー・山岳関係者・地元を含めた76名で登山道の整備を行いました。
整備スタッフとして参加したアウトドアメーカー社員はfinetrack、MAMMUT、SUUNTO、PRO TREK、やまきふ共済会、Jeep®の6社。
MAMMUTは社長さん自ら、SUUNTOはブランドマネージャー参加するなど、役職に関係なく山を愛する人が参加する稀有なイベントです。

参加したアウトドアメーカー写真のインタビュー

finetrackの大堀さん、MAMMUTの堀松社長、やまきふ共済会の井関さん、SUUNTOの関根さん、元アウトドア編集者の松田さん、そしてgori.meのg.O.R.iさん。どなたも平湯温泉に縁の深い人達です。

乗鞍新登山道とは

絶景の乗鞍新登山道

平湯温泉と乗鞍スカイライン2600m地点のバス停「平湯温泉下山口」をつなぐ登山道です。途中に権現社という社があり、
平湯温泉は毎年ここにお参りをする伝統があります。発祥は山岳信仰とも言われています。

景観は平湯温泉を見下ろしながら焼岳、その向こうに笠ヶ岳から西鎌尾根、槍ヶ岳を望むことができる絶景ルートです。
バス亭で下車してすぐにこの絶景を見られる北アルプス登山道はここだけではないかと思います。

当然森林限界よりも上の稜線で雷鳥を見られることも多く気持ちのいい稜線歩きを楽しむことができます。

登山者の安全を守るため専用ユニフォームを用意

finetrack ドラウトフォースジップネック

登山は事故責任という大前提はありますが、装備で回避できるものは妥協しない。平湯温泉の登山事業はより安全に楽しく登山を行うためのコンテンツを作ることです。
今年は汗冷えを防ぐfinetrackのドライレイヤースキンメッシュに加えて、速乾性シャツのドラウトフォースジップネックに山岳温泉郷・平湯温泉のロゴマークをプリントしたユニフォームを製作しました。

整備資材に参加者の名前が掘りこむ

資材に名前を彫り込む

クラウドファンディングからの一般参加者特典の1つ。国立公園の登山道に自身の名前を刻んだ資材で階段を作れるというもの。
集合から出発までの間、各人想いを込めて彫刻刀で工作を行っていました。

Jeepが資材運搬と登山者送迎を担当

彫刻した資材や工作用のツルハシ・ハンマーなどを協賛企業のJeep®に詰め込みます。

ラングラー・グランドチェロキー・レネゲード

ラングラー・グランドチェロキー・レネゲードを含む5台が乗鞍新登山道整備の資材運搬や下山口から平湯温泉までの登山者送迎のためにフル稼働。
本来はスキー場のゲレンデトップから街までの標高差500mを徒歩で歩かなければならないところをJeep®車が支援に入ることにより、
足を痛める事故の回避を行うことができました。

チャーターしたバスで標高2600m「平湯温泉下山口へ」

チャーターしたバスで乗鞍スカイライン平湯温泉下山口へ

平湯温泉から乗鞍スカイラインに入り40分ほどで平湯温泉下山口。私はスタッフとして先行して登山口に言っておりましたが、
バスの中では参加者同士どのような会話がされていたのでしょうか。非常に気になります。

ぱくたそ・gori.meが整備スタッフとして参加

ぱくたそとgori.me

平湯温泉とコラボし、温泉や料理、そして山岳写真を配布しているフリー素材サイト「ぱくたそ」のメンバーが平湯温泉の集結。
運営者のすしぱくさん、gori.meのg.O.R.iさん、フリー素材モデルの河村友歌さん、フォトモンタージュのカズキヒロさんなど計7名が参加。
整備の取材に懇親会のイベントなど平湯温泉のスタッフと共に駆け回っていました。

https://www.pakutaso.com/

私は今回カメラマンではなく、事業統括と緊急時に救助できる山岳業界人としての立ち位置だったため、撮影はすしぱくさん、g.O.R.iさん、カズキヒロさんにお任せしました。

参加者をホンキで使い倒す登山道整備内容

登山道整備参加者の仕事

乗鞍新登山道整備の特徴は参加者は下山までは整備スタッフであり、お客様ではないということ。
土木工事用のツルハシやハンマーで実際に土の掘り起こしを行ってもらいます。ボッカなど行動中の事故リスクがあるものに関しては、
山岳関係者の担当になりますが、翌日の筋肉痛に響くツルハシの振り下ろし、土のならし、ハンマーでの打ち込みは一人ひとり全力で行います。

地元が協呂した階段工作

傾斜や道幅に応じて平湯温泉スタッフと一緒に階段やステップの形状や位置を決めていきます。

SUUNTOの階段

今年SUUNTOさんが作った階段。段差に板1枚、ステップ用1枚使用した階段です。
乗鞍新登山道整備で作る階段は自然建材のみを使用しているため、定期的なメンテナンスが必要になりますが、
現場判断で階段の形状を決めやすいメリットがあります。

2回目の参加のfinetrack

初回から継続しての参加のfinetrackさんは整備スタッフの支援に徹し、私と一緒に最後尾で全体の行動のフォローや、万が一の事故に備えた対応をしていただきました。

山岳関係者による登山道整備の支援

今回の登山道整備でフォローできない部分の作業を予備の資材を携行していただき、作業の補助に当たってもらいました。
平湯温泉を熟知しているfinetrackさんは乗鞍新登山道の歩き方や工作など、熟れた感じが半端ない感じでした。

着々と作られていく急登ルートの階段

乗鞍新登山道は稜線からの下りはほぼ直登ルートになっているため、急登です。
コンディションが悪いと足を滑らせて転ぶリスクがあります。そのために確実に足を置ける階段とステップがどうしても必要です。
今回の整備は特にその部分に注力した工作になりました。

PRO TREK

PRO TREKの階段

PRO TREKのロゴで使用されているフォントを再現した彫り込み。職人か…
集合から出発までの40分程度でこの完成度恐るべし…

Jeep®

Jeepの階段

Realの森というCSV活動を推進しているJeep®。自然との共存を目的とした保護・再生活動をしています。
階段にもJeepロゴとRealの森のマークが刻まれました。
http://jeep-real.jp/real-forest/

MAMMUT

MAMMUT階段

2回目の参加のMAMMUTは社長さんがこっそり一般参加者と混じって整備に参加されました。
企業も一般参加者も同じ立場で整備を行うのが乗鞍新登山道整備です。
個人の階段に混じって企業の名前が入っている感じが個人的には好きです。

ブロガーや協賛企業

ブロガーとDIC

アウトドアブロガーのOKPさんも今回の登山道整備に参加。しっかりとブログ名を掘っていただきました。
その後ろになるのが平湯温泉のロゴマークとカラーの制定で協業したDICグループのグラフィック部門であるDICグラフィックス
担当の山好きの方が整備に参加されました。

長野県庁遭対協

長野県庁遭対協の階段

平湯温泉と乗鞍新登山道は岐阜県高山市にあります。その事業に長野県庁の遭対協さんが参加されました。
岐阜県庁でなければ、高山市でもなく、長野県庁。

岐阜県と長野県は乗鞍岳や槍ヶ岳を始め、山の中に県境があります。
行政としては県を跨ぐと色々と難しくなるかもしれませんがそんなことは登山者にはまったく関係ありませんし、
登山者の支援をしてくれる組織が他県の行政でも大歓迎です。

協力していければより登山の魅力の発信・安全の啓蒙・自然保護と登山道整備の両立を活発に行うことができます。
その第一歩として乗鞍新登山道整備で平湯温泉と長野県庁が協力し合うことができました。
小さなことですが、登山に対する行政ができる新しいことの1つにつながればいいなと個人的に思います。

登山道整備の後の懇親会バーベキュー

懇親会バーベキュー

平湯温泉観光協会の構成はほぼ全てが旅館経営者。つまりはおもてなしと料理のプロフェッショナル。
参加者を満腹にせずに帰すわけにはいきません。

肉は飛騨牛・ビールはサーバーごと用意して飲み放題。これでもかという量をご用意しました。
途中雨が振りましたが、それでもバーベキューを開催。食べ放題レベルの量の肉を用意したからには懇親会は炭火で肉をがんがん焼いて食べてもらおうということになりました。

そして参加者のほとんどは山へのリテラシーが高い登山者ばかり。
ハードシェルを着れば多少の雨などものとのしない豪の者。山岳温泉郷・平湯温泉との相性は完璧。

平湯温泉の郷土料理「播隆汁」

平湯温泉の郷土料理、播隆汁

料理宿「お宿栄太郎」による平湯温泉の郷土料理である播隆汁が振る舞われました。寸胴鍋で大量に調理されたそれもやはり食べ放題レベル。
熱々の汁と野菜の甘さが、標高1300mの低気温で冷えた身体に染み渡ります。

アウトドアメーカー・穂高岳山荘によるプレゼント抽選会

多くのメーカーさんが参加者のためにプレゼントを用意してくれました。そして穂高岳山荘代表の今田恵さんが懇親会参戦&最新の映像作品のプレゼント。
山岳業界オールスターの雰囲気を出しつつ、司会がgori.meのg.O.R.iさん、当選者を決めるじゃんけんは河村友歌さんで抽選会がスタート。
大いにお盛り上がり懇親会は無事終了しました。

http://www.hotakadakesanso.com/

乗鞍新登山道整備2017無事終了しました

乗鞍新登山道整備2017

finetrack・MAMMUT・SUUNTO・SALOMON・MOUNTAIN HARDWEAR・Columbia・MSR・PRO TREK・Jeep・やまきふ共済会・山歩みち・EXCELSIOE・長野県庁・高山信用金庫・ぱくたそ・gori.meさんをはじめとした多くの方々にご協力いただいたこのお祭り。2年目も事故もなく無事終えることができました。

多くの山岳業界の人やアウトドアメーカーにご支援いただき、最近はブロガーやプロカメラマン、モデルさんなども巻き込んで登山をより楽しく・安全にできるような取り組みをさせて頂いています。
その流れの中で北アルプスの麓の地元と登山者・メーカーが協同で1つのチームになれるコンテンツは貴重であり、これから必要になる地方創生の1つの形だと思いました。

継続事業としてこれからもやっていけたらいいですね。

イベントの詳細はぱくたそエンジニアのYuuさんがまとめてくれています。
集合から資材彫り、整備シーン、やたらと豪華な懇親会の内容を知りたい人は必見です。

https://www.pakutaso.com/blog/norikura-tozando-2017-report.html

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乗鞍新登山道整備2017

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