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登山系のキュレーションサイトが驚くほど役に立たない理由を分析してみた

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パクリとキュレーションサイト

基本的には登山を盛り上げてくれるメディアは大歓迎です。質が伴っていれば。ルールに基いて出典や引用もOKです。お互い登山を盛り上げるために頑張ってもらえるとうれしいです。。

しかし現実では多くのキュレーションサイトは画像の引用と公式記事やブログのリライトで成り立っており、びっくりするほど中身がありません。最近やたらと画像をパクられる良い機会なので多くの登山好きの人も情報収集をする登山系キュレーションサイトでなぜこのような問題が起きるのか、そしてなぜ経験者には役に立たない情報が乱立してしまうのかを私の裏の顔であるWEBディレクターとして分析をしてみます。

広告案内ページの絶妙なPV数記載

なぜ最初に広告案内をみるのか。それはPV数と広告を出しているスポンサーでそのメディアの価値が分かるからです。…ついでにモラルも。

出版業界では本の出版数を水増しするのは当たり前の感覚になっています。もちろんそれは運営するWEBメディアも同じです。

シーズンの瞬間最大風速を12倍して年間PV数にしたりもします。私の感覚値になりますが、業界としてのモラルのギリギリで3倍増しくらいです。3割ではありません。3倍です。

登山キュレーションメディアのPV数

とある登山のキュレーションサイトです。使用したのはWEBディレクター御用達のPV嘘発見器ことSimilarWeb。PV:2,900,000PV/月と記載して広告を募集している実態は98×2.65=260万PV。憶測の範囲内だとモラルの範囲でわきまえています。でも気をつけないと飛び越えてしまうので心配です。

当ブログのPV

このブログは過去30日で20万PV程度ですが、現在は24x1.65=40万PV程度と表示されています。これは9-10月の間のどこかで30日間計測したPVですね。私のサイトの場合は実際よりも倍近くのPV数になっています。

もちろんSimilarWebは正確なPVをを出すわけではないですし、情報も古く1〜2ヶ月くらいの最新情報は取れません。信用できない数値なのでPVよりも提携企業や広告を見たほうが実態が分かりやすいです。

日本最大級の登山マガジンを謳っているので取引先はきっと豪華なアウトドアブランドのラインナッ……あー。

https://www.similarweb.com/

「おすすめ」「使い方」などのキャッチコピーと内容の差

http://yamahack.com/595

お気に入りのザックであるMAMMUTのHeron Pro 85Lがもう作られないということでザックの情報にはアンテナを立てていました。そこで見つけたのがこの記事。

選び方まで教えてくれるのか!?めっちゃ親切!と思ったのが数秒間だけ。「ベルトがきつすぎないか確認…?」アレそれ選び方じゃなくて使い方だよ!でもまあブログ書いてるとこういうミスはあるよね。仕方ない。…と思った時点でキュレーションサイトの罠に足を踏み入れています。

しかし何といっても、おすすめの15選。新しいザックが欲しいので、使用用途に合わせてメーカーのこだわりと使用者レビューを期待しました。

おすすめの理由が「Amazon」「楽天」のレビューのコピペ。ちがう、そうじゃない。記事を書いたあなたの経験からのおすすめポイントが聞きたいんだ。

実はこの時点でキュレーションメディアの目的は達成されています。これは後ほど分析します。

WEBサイトのコンテンツにオリジナリティがない

キュレーションサイトのコンテンツ

WEBディレクターの十八番、ワイヤーフレームです。ぱっと見でなんか金の匂いを感じる…というかちょっと待って。これ見たことある!進研ゼミでやったところだ!そうECサイト。商品説明のないECサイト。ちなみに楽天のショップですらもう少しオリジナル文章書いるところが多いです。

もうすでに「日本最大級の登山マガジン」として破綻している気がしますがもっと掘り下げてみましょう。

基本的にリード文しか書いていない

キュレーションサイトはリード文しか書かない

一通りの記事内容を確認したところ、タイトルで引きつけリード文でユーザーに何か有益な情報があると思わせる。ここまでがライターの仕事のようです。その後に続く内容は出典という名のAmazonレビューと、楽天レビューが大半でした。

さらに続く商品購入のアクションボタン。…あー。

デザイナーの仕事で参考サイトをひたすらインプットしてからデザインに入ることがあります。著作権がないアイディアを参考にして成果物も模倣品ではないので問題はありません。

しかしキュレーションサイトはその先に行っています。これは文章の(パクリ+エッセンス)=オリジナリティという、より単純な公式になっています。WEBサイトで言うとデザインとレイアウトを丸パクリして字面だけ変えている感じです。ただメーカーから文章や画像を引っ張ってきても売上につながるのでクレームが入ることは少ないと思います。

しかしこの情報は公式ページに行けば見られる情報であり、多少の文章は違えどオリジナリティはまったくありません。

ターゲットがまるで見えない

ターゲットが不明瞭

「これはあなたのために書いた記事です」WEBコンテンツの基本です。

多くのキュレーションサイトを見て思ったのが「これ誰の得になるのだろう…」という違和感です。少なくとも超初心者以外に見ても参考にならない、下手したら嫌悪感を持たれるかもしれないコンテンツの構成です。WEBサイトの作りはしっかりしているのにペルソナを作っていないことに、あるはずのものを上から無理やり塗りつぶしたような違和感を感じます。

キュレーションの経験はなく、コンテンツマーケティングしか仕掛けたことがないので推測になりますが、これは意図的にやっている雰囲気を感じます。

あえてペルソナを深く作り込んでない?

多くのアフィリエイトサイトは自分の経験やレビューを元に、ユーザーに対してメリットを訴えて購入意欲を喚起させます。

このブログも基本は同じです。そのためユーザーのメリットになるように気をつけて記事は書いているつもりです。ただ実物見て触ってから決めるのが一番と口酸っぱく言っているせいかAmazonの収益はとんでもなく低いです。

そこで仮説を立てました。業界を登山に絞っただけで「ターゲットはいない」。つまりユーザーの満足度が売上になるマネタイズロジックではないと。

キュレーションサイトの多くで見かける楽天とAmazonのレビュー転用の信頼性

他サイトのレビューの転用
まずレビュワーがどのレベルなのかが不明です。ブログからの出典でも文脈を読まずにレビュー部分を切り取るため違和感があります。

キュレーションサイトのレコメンドロジック

  1. 商品Aはすごいおすすめ
  2. だってBさんがすごいおすすめって言ってる
  3. だからこの商品は絶対におすすめ

だってだってなんだもん的な構成です。信頼性のかけらもありません。個人のブログでネタでやるなら面白いですが、信用第一の企業経営でこれを仕掛けるのはなかなかの胆力だと思います。

これらのことから分析すると結果は1つ。目的は広告のクリックさせること。

最低限の予算で広告のCTRを上げるWEB戦略

コンバージョンを広告のクリック

イメージとしてはイケメン(タイトル+サムネイル画像+リード文)がひたすらナンパを繰り返していく感じです。ターゲットは「あなた」ですが、「あなた」である必要はありません。誰でもいいのです。

ちょっと興味を引いて商品を見てもらう(広告をクリックしてもらう)。おそらくはこの1点にしか興味はないでしょう。登山を楽しむとかユーザーのレベルを上げるということではなく、商品を買わせる。この1点突破のWEBコンテンツです。

故に良質のサムネイル画像とタイトルで引きつけ、リード文で期待させることに全力投球しています。「◎◎の使い方!」「◎◎のおすすめ10選」などで誘導さえできれば合格です。現にザックのページでもおすすめの理由なんて書かれていないですしね。

だから良質な写真や使用感が伝わる写真が引用・出典という形で盗用されるのです。

確かに金を一切かけずに、知識のない人が出来る限り信頼性のある文章を書こうと考えると、楽天レビューやAmazonレビューをパクる(出典)のは腑に落ちます。

だからこそのAmazonと楽天へのリンク

目的はアフィリエイト

Amazonは24時間・楽天は30日間、広告をクリックさせればその商品が購入されなくても紹介料が手に入ります。ねらいはここ。

アフィリエイトのアクションボタンが「販売サイトを見る」「サイトを見る」という文言に統一されているというところで確信しました。「買う」という言葉を使わずに「見る」という言葉を使うことでより詳細な情報が見れる、メーカー公式ページに行くという誤認を誘発することができます。

ちなみに私のいた◎クルートでもボタンのCTRのABテストは頻繁に行っており、ワードの変更によりCTRはかなり変動します。私のいたプロジェクトだと文言を変えただけでCTRが0.2%くらい上昇しました。相当ABテストを繰り返して出した答えでしょうからアマゾンアソシエイトと楽天で収益を出したい人は参考になるかもしれないですね。

この登山キュレーションサイトのコンテンツで商品を買おうと思うユーザーはいません。それを見越して「クリック」を目標設定にしています(推測です)。

商品を紹介してユーザーが購入してくれるには相応の根拠と信頼が必要です。「このひとが紹介しているんだから買ってみようか」という信頼です。キュレーションサイトにはユーザーと信頼関係を築くことができるコンテンツがありません。

登山者が参考にできる情報は少ないため使いづらい

キュレーションサイトは使えない

情報の信頼性が乏しい理由

  1. 商品のレビューを自身で行っていない
  2. 目標の達成が購入させることではなくボタンをクリックさせること
  3. 明らかに知識がない人が書いている記事が多い

商品を売るために研究し尽くしてライターが記事を書くならば信頼性の高い記事が出来上がります。しかし「会社としては非効率」と判断したのでしょう。レビューはすべて出典です。

故に「最初から買わせることを目的としていない」という仮説で「ボタンをクリックさせるための最適な導線とコンテンツを作ってる」という分析結果です。

内容が間違っている記事で炎上したキュレーションサイトからの考察

炎上記事の対応が未熟

とある登山系のキュレーションサイトが以前にユニクロのヒートテックが登山の行動着として最適という記事を上げて大炎上したことがあります。下手したら低体温症で死亡事故につながる可能性もあるほど誤った内容の記事でした。

普通のアウトドアメディアであれば公開前に担当者のチェックが入ります。クライアントがいたなら必ず内容の確認を取った上で公開します。

http://yamahack.com/64

このような記事が出て炎上してしまったということは「登山の知識を持った人が会社にいない」「全責任をライターに押し付けて会社は関与しない」の2つの可能性です。

記事の削除という悪手

記事の削除ということでなかったことにしてしまったのが残念でした。逆に「ユニクロのヒートテックが登山に向かない理由」という記事に書き換えて、他のユニクロ製品で登山に使えそうなものをピックアップしてあげれば登山愛好家が求めるユニークな記事になれたのに、もったいないことをしました。

しかしここからも推測できることがあります。それはメーカ同士で性能比較(ある意味ネガティブキャンペーン)することができる立場を取らないとういことです。PV数を上げて純広告を狙っている節があります。

ユーザーが知りたい情報を提供できないためこの登山系キュレーションサイトがブロガーやアフィリエイターに記事で勝てる可能性はありません。

だからコンテンツ量があるけれど中身のないページでSEOを強くして、ボタンクリックをKPIにおいている(推測)のでしょうけれど。

情報を集めるだけで取捨選択はしていない

おすすめは全部

「この用途ならばA社よりもB社の方がいい」という意見がありません。個人的な意見がなくポジティブな意見しかないのでメーカーサイトを見ているようです。「1つに選べない!みんなおすすめ!」と同じページに同じ使用用途の商品が乱立しています。

おすすめのザック!

  1. A社のザックおすすめ!(購入ボタン)
  2. B社のザックおすすめ!(購入ボタン)
  3. C社のザックおすすめ!(購入ボタン)

いや、それおすすめって言わない。「とりえずどれでもいいからクリックシクヨロ!2ついっちゃう?いいよいいよ~」という邪な好意を感じます。それこそユーザーは困惑するだけです。

登山のキュレーションサイトの有効的な使い方

たまにいい記事があったりしますが、総合的にみて信用するのは難しいというのが結論です。トップページから記事を検索していくような使い方はしないでしょう。

登山のアイテムを探すには怖いので私は一切参考にしないと決めましたが、それでも有益な情報はきっとあります。

ファッションとして楽しむアウトドアウェア探し

アウトドアをファッションとして見るなら有効

登山・ハイキングに一切興味がないけれど街着としてアウトドアウェアを探すには便利なサイトではないでしょうか?機能説明はしないけれど数だけは紹介するキュレーションサイトと利害が一致します。

アウトドアに興味がない人が、見た目で、アウトドアに興味がない人にウェアをおすすめする。「性能」というバイアスがかかないため有識者よりもオシャンティなコーディネート提案ができるかもしれません。

我が子を見守る、またはエンターテイメント作品として考える

キュレーションサイトの捉え方

キュレーションサイトで登山や登山用品の記事を見ていて思ったこと。それは「短冊に願いを書く」ことに似ているということ。

おぼつかない手先でクレヨンを持ち一生懸命願いを書いている、そう思うと温かい気持ちになります。そのライターの年齢を考えると一気に萎えるで頑張って5歳くらいを想像すると健康的です。

思わずヴェルタースオリジナルをプレゼントしたくなります。

もう正しくても正しくなくてもいいんです。願いごとですから。信じるか信じないかを決めるのは私たち大人(登山経験者)の役割です。どれだけ記事内容に突っ込めるかで自分のレベルの確認ができます。

これはエンターテイメント。藤岡弘探検隊、チュパカブラ、モケーレ・ムベンベ、キュレーションサイト。

キュレーションサイトは放置するととんでもないことになる

WEBディレクターとしての個人的意見ですが、キュレーションサイトは誰にも真似出来ないオリジナリティ+コンテンツの大半の著作権を自社で得る、この2点にシフトしていかなければ大惨事になると予想しています。

なぜならキュレーションサイトをキュレーションするサイトを作ることができるからです。例えば登山系のキュレーションメディアの「ザック」「帽子」の2つの記事をパクッて「この秋おすすめ!アウトドアリュックと帽子のカラフルコーデ!」なんて記事が作れます。

元のキュレーションサイトがそもそもパクリで成り立っているので、その大元の出典元をパクったところで何も問題ありません。先に書いた会社の記事と記事を組み合わせるだけなので、コンテンツメーカーすら不要です。どこかの会社がこれで実績をだしてしまったら業界として歩留まりが効かなくなる可能性があります。

多くのキュレーションサイトは出典の意味を履き違えている

著作権に関しては複雑なので、画像でざっくり説明すると、「引用する必然性があること」「使用する画像がコンテンツに対して補佐的であること」の2点は絶対条件です。

例えば私のブログの画像をパクっているこのキュレーションサイト

当ブログのMAMMUT MAGIC GTXの画像をパクっていますが、まず記事の中でMAGIC GTXに一切触れていないため使用する必然性がありません。紹介しているブーツの画像を使うべきです。この時点で出典としてはアウトです。使用意図がサムネイルで興味をひくのみとも受け取れるので、写真が補佐ではなくメインとして使われています。補佐的に使用するルールから見ても危ないです。

ついでに言ってしまうとハイカットシューズ=登山靴ではありません。この認識の間違いでソールの柔らかいハイカットシューズで登山に行ってしまい足を壊して下山してくる初心者が増加しているのが業界の大問題の1つです。

このような感じで私のブログからは引用・出典として画像を使われるケースがなく、サムネイルやページのファーストビューで興味を引くために使用されています。

登山系キュレーションサイトが見直すべきところ

キュレーションサイトの問題

キュレーションサイトは情報の質と出典等の著作権で問題になります。逆の見方をすればそれだけです。

PVを稼ぐ技術はあり、多くの人にリーチしていることは間違いないのですからアフィリエイターを超える山のプロが書いた記事、プロカメラマンによる写真品質。実現できればすべてのアウトドアファンにとって価値のある素晴らしいコンテンツに仕上がると思います。

つまり今の登山のキュレーションサイトは登山に対する情熱がまったくないことです。多くのキュレーションサイトも同じですが、記事を書くライターの登山経験値も怪しいですし経験則に則った内容ではないため説得力がありません。。記事内容が薄いのもルール遵守が希薄なのも納得です。

画像・記事内容ともにGoogleの理念から反するものなのでアルゴリズムが変わった瞬間にキュレーションサイトが検索からなくなる日がくるかもしれません。

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パクリとキュレーションサイト

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