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山岳写真を本気でやるためのアルパインザック。グレゴリー デナリ100

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グレゴリー デナリ100

山岳写真専用ザックというものは事実上存在しません。レンズを収納することができるザックはありますが、冬山の縦走をするには容量が少なすぎますし、堅牢性の意味でも不安が残ります。

このようなことから私は登山メーカーのザックの中に機材と登山装備を入れて山岳写真を撮りにいきます。今回採用したのはGREGORYのDENALI(デナリ)100。グリゴリーのアルパインザックの中でも最大容量100Lを収納可能のものです。

2018年のメインザックはこちらになります。

ネイチャーフォトグラファーの需要に応える最大積載重量36kg

山岳写真家は普通の登山者よりも圧倒的に背負う荷物の数が多く、全体の4割は撮影機材になります。しかもほとんど金属の固まりであるため重量があり一般的にテント泊に最適と言われている50Lクラスのザックではボディ1台にレンズ1本が限界です。

それ以上の撮影機材を収納するとなると70L以上の超大型ザックにたどり着きます。

私は夏でも機材を入れて30-35kg、冬だと40-45kgほど背負うため公式の数値でこの条件を満たすザックは中々ありませんでした。ほとんどのメーカーのザックは耐久性に不安があります。

背負う撮影機材

  1. ボディ:Nikon D4S【1350g】
  2. レンズ:Nikon 14-24mm F2.8G【970g】
  3. レンズ:Nikon 24-70mm F2.8E VR【1070g】
  4. レンズ:Nikon 70-200mm F2.8E LF VR【1430g】
  5. 三脚:GITZO GT5543LS【2820g】
  6. 雲台:Manfrottoギア付き雲台405【1600g】

最低装備で9.2kg。ケースやアクセサリーを含めると12kgを切ることはありません。これに冬山装備を含めると30kgを切ることは不可能です。

超重量を背負ったときのザックの壊れ方

歪んだフレーム

今まで使っていたMAMMUTの Heron Proという85+15Lのザックが限界に来たのでご紹介します。完全に背中のフレームがネジ曲がっています。これは重量オーバーの荷物を背負いそのまま登攀したり撮影したりと捻りの動作をしすぎたせいです。骨組みがおかしくなると重量の分散ができなくなり身体のあちこちが痛くなってきます。こうなったらもう引退です。

アルパインザックながらサイドアクセスができる

横からアクセスができる

サイドジッパーからザックの上部・中部にアクセスできます。これが山岳写真には非常に便利な作りなっており、収納しているボディとレンズのすべてを簡単に出し入れすることができます。冬山でしっかり使える堅牢性重視のザックでこの作りは非常にありがたい。

これがグレゴリーのデナリ100を選んだ最大の理由の1つ目です。

デナリ100のパッキングの仕方

デナリ100のパッキング

標準装備でこのようなパッキングになっています。

以前使っていたMAMMUTのHeron Pro 85+15Lとはザックの形が違うのでパッキングを改めた結果です。特徴はボトム部分が細くなっていること。これにより過度にボトム部分に荷重が寄らなくなっているので、より身体の中心で重さを支えられるように設計されています。その効果は背負った瞬間にわかりました。

デメリットとしては2気室でよく見かける最下層にテントやシュラフを入れるパッキングはスマートにできないことです。

横からみたデナリ100のパッキング

横からみたパッキングだとこの通り。

ボトムに冬季用のテントやシュラフを入れると最下層に隙間ができてしまいキレイなパッキングができません。これを上手く埋めるために重さをかければ形が変わるもので軽量、使用機会がテントの中が主である装備をいれることにしました。

それが象足、防寒用パンツと替え靴下やタオル、予備グローブなどです。

その上にエアー式のマットシュラフとテント一式。

次にテントで使うランタンやモバイルバッテリーなどを収納したポーチを配置します。

最後に食料、クッカー、水、ジェットボイルこれで全体の半分程度。まだまだ入ります。

上部の一眼レフとレンズ

余裕があるときは外側に2Lのウォーターパックを入れます。これは岩場などにぶつけた際にレンズに衝撃がこないようにするためです。重量だけで考えるなら食料の下に撮影機材を入れる方がいいのですが、カメラにあまり荷重をかけたくないのと、取り出しやすさを考えて上部に配置しています。

内側に撮影アクセサリーを入れたポーチに、一番レフのボディNikonD4sに24-70mm F2.8E VRを収納したロープロのトップローダー、14-24mm F2.8G、70-200mm F2.8E FL VRの3本。

雨蓋にはハードシェルと防寒具

一番上には使用頻度が高く軽量のもの。冬季ならシェルジャケットや防寒具を入れます。

雨蓋の収納スペースにはツェルト、地図やコンパス、携行食など。冬季ならば山頂付近のテント設営の場までに必要な食料を入れてしまうこともあります。

雨季ならばザックカバーも収納するとよいでしょう。

雨蓋の中のメッシュ

雨蓋の仲のポケットは内部にメッシュで区切られたスペースがあるため、散らばりやすいものやザックを傾けたときに落下しやすいものを収納しておくことができます。

サイドアクセス

堅牢性重視のザックは上からの1アクセスのみが基本。クライミング用途で愛用しているMAMMUTのTrion Proもそうなのですが、グレゴリーのデナリ100は横からのアクセスができますので、それを想定してパッキングをすると山行のパフォーマンスが捗ります。

私はここから撮影機材がすべて取り出せるようにパッキングしています。

2室のフロントパネルポケット

デナリ75とデナリ100違いは全体的な大きさと、このフロントパネルポケットの有無。内部でジッパーで仕切られていて1室にすることもできます。積雪量の多い日本のフィールドだとテント設営のためのショベルの収納に最適。

雨具と携行食

片方には携行食(冬季2泊で10本のスニッカーズ)、カメラのレインカバー、タオルなど雨天時や急に必要になるものを収納しています。

山専ボトル

もう片方には山専ボトル。フロントパネルのポケットに保温性の高い水筒が収納できると冬山の山行がとても楽になります。ちょっとした休憩ですぐ取り出せるので冷え切った身体を温めるのに重宝します。

小物収納に便利なサイドポケット

サイドポケット

ヘッドランプなどの収納に便利な小容量のポケットがサイドについています。軽量で必ず持っていくものを入れておくと良いでしょう。

ヘルメットが収納できる雨蓋設計

ヘルメットの収納

パッキングをすると荷物と雨蓋の間に少しだけ空間ができます。この部分にヘルメットがすっぽり入る構造になっております。ベルトを締めればその部分が潰れザックの形を整えることもできます。

欧州でのアルパイン経験が多かったためかヘルメットホルダーはあまり使う気にならず、出来る限りザックに収納したいと思っています。

ヒップベルトにポケット

ヒップベルトのポケット

携行食を収納できないくらいの小さいポケットがついています。使い道を色々考えた結果マルチツールを収納することにしました。ホイッスルも入れておくと事故を起こしたときの救援要請がでるのでとりあえず入れてあります。

登攀用具をつなげるループ

アルパイン用のザックなのでクライミング用具を取り付けるためのループがあります。撮影機材を担いだままクライミングはあまりやりませんが、ここに最低限のスリングやカラビナを取り付けます。アプローチ中はGARMINのGPSMAPも取り付けルート確認をしながら歩きます。

アックスホルダー

アックスホルダー

2本のアックスホルダーがあります。ブレードを収納するスペースもあるため歩行中も登山者にぶつけて怪我をさせてしまうことはありません。

ベルトのコンプレッション

こちらもザックの左右を締め上げるコンプレッションと連動しています。無駄がない機能的な設計です。

サイドポケット

サイドポケット

強度のある生地で作られたポケットが左右にあります。ザックのコンプレッションと連動しており、ベルトをしめると収納物もしっかりと固定されます。

三脚の収納

三脚の取り付け

グレゴリーのデナリ100を選んだ理由の2つ目がサイドポケットの強度があること。今年になり三脚をVelbonの軽量カーボン三脚からGITZOのシステマチック5型+Manfrotto405という本来のスタイルに戻したのでメッシュ地のポケットなどでは対応しきれません。

デナリ100に装着した三脚

しっかりと締め上げることで歩行中のグラつきはありません。カーボン部分にプラスチックの留め具が当たるのが気になる人はタオルなどを巻くといいかもしれません。

GREGORYのザックはフィッティングできる店で計測しよう

経験的にGREGORYのザックは体格の相性が出やすいと感じています。まずは自分の感覚ではなくしっかりと背面長などを計測して最適なサイズを選ぶことをうすすめします。

背面長の測り方

グレゴリーにはテクニカルフィッティングディーラ-があり、ザックのフィッティングの研修を受けたスタッフがいます。専用器具で計測してくれますので、大きな荷物を背負う人は一度ショップに足を運んでみるのもいいと思います。

グレゴリー直営店とインショップ

ザックのフィッティングができる店員のいるショップがおすすめ

グレゴリーの場合は専用器具がありますので、それを使って計測してくれるショップが信用性が高いのは間違いありません。経験上、フィッティングの上手い定員さんは背負ったときの荷重のかかり具合を重点的に行います。

具体的には一度ベルトを締めた状態のザックを思いっきり下に引っ張りベルトの肩と腰のどちらに今荷重が乗っているかをヒアリングし、ベルト位置やザックのサイズが本人に合っているかを調べていきます。

計測した数字だけでなく、可能な限り実際の使用感に近づけてフィッティングしてくれる定員さんは登山のレベルも高く信用できると思います。

耐久性と利便性はトレードオフ

GREGORYの大型ザックのバルトロプロ95L、こちらはアクセスするポケットが沢山あり2気室・前面がガパっと開くため上・中・下のどこにでもアクセスできます。しかもレインカバーもついているし、ペットボトル収納スペースまである至れり尽くせりの仕様。

対してデナリ100は1気室でアクセスポイントも少なく、側面のジッパーを全部下げればなんとか真ん中や下にアクセスができる仕様。

使い勝手で言えば間違いなくバルトロ95Lなのですが、最大積載荷重は30kgを切っていますしデナリ100に比べると表面の生地が薄く耐摩耗性に心配があります。特にサイドポケットの生地は心配で現在使用しているGITZOシステマチック三脚5型のGT5543LSを支えると恐らく破けます。

今まで使ってきた中で最高の写真撮影用ザック

購入した最大の理由は背負心地。これに尽きます。

厳冬期に単独で山に入り、多少のクライミングをしながら山岳写真を撮るカメラマンの私にとってはグレゴリーのデナリ100は使用してきたザックの中で最高です。アルパイン仕様の堅牢性と耐荷重性がありながら、撮影機材を取り出すためのアクセスポイントがあります。まさに理想的。

しかし誰にでも勧められるものではありません。価格も56000円しますしフィッティングもシビアです。気軽に手を出せるものでもありません。

大前提となりますが登山でもっとも大事とも言えるのが2つ。ブーツとザックです。この2つを間違えると山行すべてが辛くなり最悪の場合遭難に繋がります。その中でザックは用途にあったサイズを選び、自分の体型にフィットするものを選びましょう。

特に撮影機材を詰め込むと、普通の登山とは重量も違いますのでザックを間違えると身体全体に影響して疲労に繋がります。

もしフィッティングしてみて自分の体型とグレゴリーのザックの相性が良く、大量の撮影機材を詰め込んで北アルプス縦走レベルの山行に挑むという物好きがいたとしたら、購入して後悔のないザックだと思います。

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GREGORY DENALI100

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