山岳写真講習会 in finetrack TOKYO BASEのお知らせ

finetrack共催の山岳写真講習会

山で写真を撮りたい人たちに特化した内容の講習を東京原宿のfinetrack直営店TOKYO BASEで行います。開催日は4/19(木)18:30〜20:00(その後一度解散し1時間フリートーク)定員は15名、もちろん無料です。先着順ですのでこちらのサイトからご予約ください。

※定員に達しましたので現在はキャンセル待ちです。

今回finetrackさんと協力した理由、それは山岳写真をはじめ渓谷などのネイチャーフォトは写真撮影の中でも特殊な部類で危険を伴うアクティビティであり、よりも高い登山技術と体力が要求されるからです。

今後、山で写真撮影したい人がショップに立ち寄り店員さんに相談することを考えると、スタッフ全員が山屋であるfinetrackさんなら的確にアドバイスできることもあり直営店のfinetrack TOKYO BASEで行うことにしました。

セミナー内容に関しては特集ページに書いてある通りなのですが、今回セミナーをすることになった経緯を詳しく知ってもらえたらなと思います。

山岳講習会特設ページへ

多くの人は山岳写真の勉強機会がない

山岳写真を勉強する機会がない

カメラを手にしている人は「いい写真を撮りたい」という気持ちで購入すると思います。

今の世の中は探せばいくらでも素晴らしい写真を見ることができますし、特に最近はInstagramなど写真を全面に押し出すコンテンツもあります。好みの写真を見つけたら「こういう写真が撮りたい」と思うようになるのは必然的です。

カメラメーカーのWEBサイトを見ても作例に素晴らしい写真が掲載されているため購入意欲が湧いてきます。このような背景から様々な分野の写真がすごく身近になったと言えるのではないでしょうか。

そんな中ネイチャーフォト、特に山岳写真に関しては他分野に比べて勉強をする機会が少ない現状があります。

理由はテーブルフォト・ポートレート・ブライダルなどのほとんどは撮影技術を習得すれば対応できる撮影であることに対し、ネイチャーフォト・山岳写真は前提として登山者以上の登山技術が必要であり、それを学べるフォトセミナーや書籍がないからです。撮影技術のみを習得しても、撮影現場までたどり着かなければ実践することもできません。

またザックに撮影機材を大量に詰め込んだ登山、撮影のタイムスケジュールを組み込んだ山行の技術も確立されていません。

それ故に登山と写真の両方を組み合わせた技術を独学で習得した者のみがたどり着ける一種の神聖視が山岳写真にはあるのですが、いち個人の意見としては事故を防ぐために登山と写真の両方を効率よく学べ、多くの写真愛好家が山岳写真を楽しめるコンテンツがあってもいいのでないかと思います。

山岳写真の危険の認知度が低い

山岳写真の危険性

去年の12月までヒマラヤで撮影をしていて、帰国してからは積極的にネイチャーフォトをやっている人とコミュニケーションを取り情報収集しました。そこでわかったことが撮影技術と登山技術のアンバランスさ。

すごくキレイな写真を撮っている人でも「いい写真が撮れる」という理由だけで登山よりも危険な山岳写真をやろうとしている人が多いと感じました。夏山未経験ながら冬山に行こうとする人も少なくありません。

おそらく、現段階では登山が好きなのではなくて「いい写真が撮れる山が好き」ということなんだろうと思います。どのような道から登山に入っていくのかはその人の自由ですし、個人的には山の魅力がたくさん発信されるので嬉しい限りです。

しかし一般的な登山からスタートし、写真を撮るようになった人に比べると知識・技術・体力不足から事故を起こす確率が高いことを否定することができません。

写真撮影が目的で登山経験が少ない人だと山は被写体の1つに過ぎず「装備は最低限揃えて撮影機材に投資したい」という考えになるかもしれません。

一眼レフ・ミラーレス一眼を持つ人が増え、SNS・フォトコンなど自分の写真を露出できるコンテンツが爆発的な勢いで伸びてる現状でこの状態を放置すると、登山での事故も比例して爆発的に増えていってしまうと感じたのが今回山岳写真のセミナーをやろうと決めた一番の理由です。

カメラを持つ人がどこに行くのも自由で登山は自己責任が基本ですが、山の中で万が一の事態に陥った場合に自分独りで解決するのは非現実的で家族・警察・遭対協など多くの人を巻き込みます。

一番いいのは事故を起こさないこと。ネイチャーフォトを撮影する人がそのための知識を得られる場所があってもいいのかなと思います。

アウトドアメーカー主催の山岳写真セミナーの意味

アウトドアメーカーが行う山岳写真講習会

本来はカメラメーカーとアウトドアメーカーが一緒にこのようなコンテンツを作ると多くの人に知ってもらえて有意義なものになるのですが、現状難しそうなのでネイチャーフォトをやる上で最も大事な「安全」を専門とするアウドドア業界からコンテンツを作ることにしました。

山岳写真を知る上で必要だったのが(むしろ私がこの環境で勉強したかった)アウトドアメーカーと山岳ガイドとネイチャーフォトグラファーの協力体制による講習会。

動いてくれたのが「アウトドアウェアは登山者の命を守るギアであるべき」と提唱するfinetrackさん。素材開発から製造まですべて国内で行っている稀有なメーカーで、マテリアルのレベルから山岳写真を安全に撮るために必要なウェアの選び方の解説をすることができます。

次に経験豊富な山岳ガイド。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド・危急時対応技術指導員でありマウンテンガイド協会会長の平川陽一郎さん。ヒマラヤ・カラコラムの登山経験も豊富な大ベテランです。

最後に僭越ながらネイチャーフォトグラファーとして私が講師を担当します。山岳写真家である私の経験からネイチャーフォトにはどのような危険があるのかの事例をあげ、どうすれば回避できるのか、実際に事故が起きてしまったらどうするべきなのかを山岳ガイドの平川さんとお話できればと思っています。

アウトドアメーカーの協力体制

SUUNTO

また私が山岳写真で使用してきた経験から安全に直結するギアであると感じた時計を作っているSUUNTOさんと、カメラストラップを作っているコットンキャリアさん(ブラックファルコン)にもご協力いただいています。

実際にギアを触ってもらったり、山岳写真を撮るためにどのように使っているのかを解説します。

アウトドア業界側が全力でネイチャーフォトを愛する皆さんをサポートする体制を作るというのが今回のセミナーの趣旨、といいますか私の思惑になります。

ここまでやらないとまともな山岳写真の話ができないので様々なアウトドアメーカーさんのご助力を得てようやく下地が整ったという流れです。

ネイチャーフォトの撮影技術の共有

山岳写真の撮影技術

ネイチャーフォト・山岳写真でのリスクや知識を学んでいただいた後は、写真撮影の技術的なお話をします。

人に教えられるほどの技術があるのかは疑問ですが、ネイチャーフォトでご飯を食べていて海外の山岳写真を撮らせてもらえるくらいの経験値はあるのでテクニックや着想など何かしらはご提供できるかと思います。

メインで使用してるNikon D4SやFUJIFILM X-E3など使用している機材はすべて展示しますので実際に触れて試写してみてください。山で使えるマニアックなカメラの構え方などはレクチャーできます。

内容は受講者の方やTwitterでのアンケートで皆さんの知りたいことをカリキュラムに組み込もうと思っていますが、せっかくなので日本ではあまり浸透していないヨーロッパのマニアックな技術なんかもご紹介したいと思っています。

実際に使用している撮影技術をベースにお話しますので一眼レフカメラやミラーレス一眼を一通り扱えることが前提の内容になります。加えて実際に仕事で撮影するときの考え方や技術も多分に含まれるので教科書ではNGとされていることも多く含まれる可能性が高いです。

その点はご了承ください。

ぱくたそ運営者すしぱく氏とのトークセッション

ぱくたそとのトークセッション

地方創生支援で多くの自治体とコラボし、山の写真の検索ワードでもでもGoogleトップに君臨する「日本一山の写真を見られている」フリー素材サイトPAKUTASO。月間450万PVを誇るWEBサイトの運営者でありプロフォトグラファーでもあるすしぱく氏と、写真業界のことやネイチャーフォトのフリー素材に関してのぶっちゃけトークを行います。(そもそも私がなんでPAKUTASOの審査通ったのかもわかってない)

海外の写真しか知らない日本では世間知らずの私と、日本のフリー写真素材の雄すしぱく氏、それぞれの立場からの写真観をぶつけてみます。

講習会は1〜数回だけを予定。後任を探したい。

山岳写真セミナーは数回のみ

私の本来のメインフィールドは海外であり講師が本職でもなく、表に出る仕事もしていません。

黙々と山岳写真を撮ることが職務ということもあり、専門外である今回のセミナーに関しては参加者の方から受講料をいただくこともありません。山岳写真に関わる者として、ネイチャーフォトを撮る人の安全へとつながるコンテンツには協力するべきという考えで動いています。

一度セミナーをやってみてどのような反応が出るか不透明なのでなんとも言えませんが、継続の声があったら講師を国内で活動されている山岳写真家・ネイチャーフォトグラファーさんにお任せできればと考えています。

国内で活躍するフォトグラファーさんたちがアウトドア業界や写真業界を巻き込んでネイチャーフォトを盛り上げて、多くのフォトグラファーを創出していくのが一番いい形かなと思います。ゆくゆくは日本の山の美しさをたくさんの人に見てもらえたらサイコーですね。

個人活動では限界があるので山岳写真セミナーの需要があれば私は数回だけ担当してフェードアウトし、講師をするフォトグラファーさんのサポートなどの裏方に回りたいと思っています。

私はたまたま登山と写真の業界を横断できるので種を撒いてみただけ。育ってくれるといいなぁ…。

以前Twitterでアンケートを取ったら山岳写真を学びたいと思っている人が大勢いらっしゃいました。

登山技術・撮影技術に加えレタッチ技術やメディアの運用方法などを技術を伝えて、多くの人にネイチャーフォトの魅力を伝える方法はたくさんありますので色々な人が参加して継続コンテンツ化してもらえると個人的には嬉しいです。

安全に楽しくネイチャーフォトするセミナーはカメラメーカーさんや販売店さんがやってくれた方が多くの人に知ってもらえるので、将来的にはアウトドアメーカーとカメラメーカーが協力して山岳写真における登山技術・撮影技術のバランスの取れたセミナーを作ってもらえたらなと思っています。

アウトドアメーカーコラボのリュックとか作るのはその後でいいと思うんだ。うん。

アウトドア業界側はウェルカムだと思うんだけどなー、だめかなー(‘A`)

安全に山岳写真を楽しむためのセミナー

今回開催するのは「登山視点からの山岳写真講座」。登山の知識と撮影の知識をバランス良く習得することで、山岳写真への敷居はだいぶ低くなるのではないかと思います。

山岳写真に興味があり一眼レフやミラーレス一眼を使っている人は是非ご参加ください。

初回は4月19日、18:30〜20:00の90分という短い時間ですが、その後解散してから1時間はフリートークや個別相談の時間を作っています。できる限り技術の共有を行いますので、ご興味ある方はfinetrack TOKYO BASEでお会いしましょう。

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