アウトドア用品の中で最もコストパフォーマンスがいいものと言われればソフトシェル。着心地がよく軽く、完全防風でちょっとした雨をしのげる。何よりも日常生活に使用できるという点で30,000円という投資を間違いなく回収できます。
finetrackが2017年秋に投入したフロウラップフーディ。これは社員購入率No1と言われるニュウモラップフーディの正統進化モデル。これを期にニュウモラップは廃盤になります。それだけでフロウラップフーディのパフォーマンスが気になるところです。
なぜなら私はほぼ毎日ニュウモラップフーディを着ているから。気になっている人も多い注目のアイテムではないでしょうか。

生地の比較
フロウラップはニュウモラップに比べ少し厚手になっています。これは旧モデルで使用してたGORE-TEX社のWIND STOPPERから、自社開発のエバーブレス・メンブレンに切り替えたためでしょうか。
重量は公称値270gとニュウモラップフーディに比べて20g増えています。着用した感じはニュウモラップよりもしっかりとした剛性を感じます。さすが耐摩耗性が2倍になったということはあります。
ニュウモラップの機能が維持・向上されているかの期待が高まります。
ストレッチ性は劇的に向上
着心地はストレッチ性に大きく依存します。身体をひねったときのちょっとした突っ張りのストレスから、クライミングで腕を伸ばして岩をつかむときの一連の動作のパフォーマンスに至るまで。
職業フォトグラファーとしては身体の上下の動き、手ブレさせにために無茶な姿勢を取ることも多いため、フロウラップフーディのストレッチ性の恩恵は絶大です。
止水ジッバー
秋口はメインのウェアとして使うことになるフロウラップフーディ。ちょっとした撮影小物を収納できるポケットが2つあることも何気に魅力。止水ジッパーを採用してることから突発的な雨にも一時的に対応することができそうです。
袖のフィット感はニュウモラップフーディゆずり
ニュウモラップフーディの機能の中でもっとも感動したのがこれ。袖のフィット感。
サムホールを使用せずともそでにフィット感が素晴らしかったニュウモラップフーディの特徴をそのまま受け継いでいます。これは袖の一部にストレッチ素材を使用することでタイトなシルエットながら良い装着感とフィット感を実現しているというものです。
突っ張りが少ないトルネードスリーブ
立体デザインのトルネードスリーブを使用。巻き込むように縫製することで突っ張りが少なく、抜群のフィット感になるというものです。最近になってこの縫製がfinetrack製品のメインになっているみたいです。余計なスペースができずにタイトにフィットするので岩場などで重宝しそうです。
ベンチレーション
ベンチレーションのあるソフトシェルは普段使いから山でのちょっとした体温調整に便利です。finetrackのウェアは同じ位置にベンチレーションがあるのでミッドレイヤー・ソフトシェル・ハードシェルと重ね着をしても一気にベンチレーションを開くことができます。
急登では一気に体温と心拍があがりますので、通気性の確保が必要になります。疲労状態になるとウェアを脱いだり期待を繰り返すことがめんどうになり、結果として体力を消耗してしまいます。
このように体温調整が簡単にできる機能は超重量を背負う私には必須です。
着心地を左右するチンガード
シェルは雨や風から身体を守るのが主な仕事。フードを使用しなくても首をすっぽりと覆うことができます。このときファスナーが顎に当たって不快感があったり、最悪擦れ出血するものも少なくありません。
フロウラップフーディはしっかりとチンガード加工されていますので安心してジッパーを一番上まで閉めることができます。
ロードバイクでの使用感
折りたためばサイクルジャージの背面ポケットに収納できます。天候が怪しいときや風が強くて身体が冷えそうなときは携行することができます。
特に春や秋のヒルクライムの帰りなどは汗冷えが辛いことがよくあります。そんなときは防風性の高いフロウラップフーディを羽織ると体温を維持して快適に山を下ってくることができます。
フロウラップはタイトなシルエットで風によるバタつきもありませんので、登山とロードバイクの両方をやる人にはコストパフォーマンスの高いソフトシェルです。

ニュウモラップフーデイとの比較
フロウラップの登場でニュウモラップは廃盤です。手に入れるなら今のうちにしかありません。新型と旧型でどのような違いがあるのか着用経験からまとめました。結果としては山で着るならフロウラップ、街で着るならニュウモラップです。
フロウラップフーディ | ニュウモラップフーディ | |
---|---|---|
素材 | エバーブレス・エア | WIND STOPPER |
重量 | 270g | 250g |
ストレッチ性 | ◎ | ○ |
着心地 | ○ | ◎ |
通気性 | ◎ | ◎ |
フロウラップフーディはニュウモラップに比べて耐摩耗性が2倍に向上したため若干シャカシャカ感があります。滑らかな着心地のニュウモラップが普段着に近いとしたら、フロウラップは山のギアという印象です。
個人的にはニュウモラップで不安だった擦れによるウェアへのダメージの心配が軽減出来ているためガチな登山者好みのfinetrackらしい進化の仕方だと思います。
ライトなハイキング程度の人でしたらニュウモラップフーディの方が適しているかもしれません。逆に3000mを超える山での使用を考えているならば登山用具としての完成度が高いフロウラップフーディになるでしょう。
実際の行動時はどちらも気にならず快適性は秀逸です。テントの中に入ってそのままシュラフの中に入ることにも抵抗はありません。他社を含む薄手のソフトシェルの中と比較しても秀逸な着心地です。
登山を目的でソフトシェルを検討しているのならフロウラップをおすすめします。
最大のパフォーマンスはハードシェルとの組み合わせ
フロウラップはオールシーズン活躍する万能ウェアです。私はいつもソフトシェルを普段着として着用しています。春や秋などはこれ1着来ていれば街での大雨や強風などに対応することができます。
しかし本来の使い方は登山を快適にするためのウェア。最大のパフォーマンスが発揮する使い方はL5のハードシェルとセットで使用すること。finetrackの提案んするシェルを2枚重ねて着る使い方です。
これによりハードシェルでカバーしきれずわずかに染みてきた雨、侵入してきた雪や風をフロウラップでシャットアウトすることができます。
普段使いから厳冬期までのすべての山行のパフォーマンスを向上させるまさに万能着です。
ニュウモラップフーディからの正統進化
生地が厚くなったことにより普段使いの着心地という面では若干ニュウモラップに劣りますが、登山のでの使用時では間違いなくパフォーマンスが上がっています。
ストレッチ性と耐摩耗性が向上しているためタフなシチュエーションにも安心して持っていけます。一度山に入ってしまえば着心地の差はさほど感じませんでした。抵抗なくそのままシュラフに入ることもできそうです。
これから始まる冬山シーズン。フロウラップを着用して挑んでみようと思います。
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