サーフィンと伝統文化の街、千葉県一宮町の魅力を探しにフォトウォークしてきた

千葉県一宮(いちのみや)町という街をご存知でしょうか。東京駅から特急電車で1時間で行ける房総半島の外房にある街です。2020年のオリンピックのサーフィンの会場に選ばれるくらいのサーファーの聖地と呼ばれる海岸があります。

今回色々なご縁があり11月に行われる一宮の街を巡るフォトウォークのロケハンのお手伝いをしてきました。一宮を中心に周辺観光とご当地グルメを一通り回ってきたので時系列順にご紹介していきます。

魅力的な被写体が多く、撮影するのに抜群な海岸があり、美味しい海鮮が楽しめる町です。

勝浦のご当地グルメ担々麺を食べる

ラーメン原田

担当の方と合流したのが上総一ノ宮。時間も10時過ぎだったのでまずは腹ごしらえ。前々から食べてみたかった勝浦担々麺をお願いして連れて行ってもらったのが「はらだ (原田商店)」。勝浦担々麺の老舗の1つとのことです。

原田商店の勝浦担々麺

開店直後にも関わらずすでに1時間待ち。オーダーはメモ用紙に注文するラーメンと自分の電話番号を書いて渡すシステム。席が空いたら電話で連絡がくるので周辺をぶらぶらして時間を潰します。

原田商店の勝浦担々麺

これが勝浦担々麺!?…本当にゴマが入っていない。醤油ベースのスープにたっぷりのラー油を入れた激辛を確信させる風貌だ。そして刻みタマネギが大量に入っているのが特徴。どんな味なのか想像がつかない。

勝浦担々麺

表面に大量のラー油が浮いています。少しかき混ぜると鶏ガラのスープと馴染み旨辛の味になります。ちなみに私はそれをせずに表面だけ掬ってスープを飲んで見事にむせました。

基本激辛な味ですが玉ねぎが甘いため口休め代わりにすることができるため最後まで味に飽きることはありません。しかし夏に食べると汗が吹き出てくるので大量の水が必要です。

地酒を探しに腰古井へ

腰古井

外房近辺で地酒と言われると腰古井というお酒が出てきます。数々の賞を受賞した実績があることに加えて、大吟醸の梅酒があるのが面白いところだとか。

腰古井の販売店

酒蔵でお酒の物販もしていたので、初日の晩酌用に生酒と梅酒を購入。

サーファーの聖地一宮海岸へ

一宮海岸

まずは一宮がどのような場所なのか、地形・方角や特徴を知るためにさらっと街全体をまわります。最初は2020東京オリンピックのサーフィンの会場の釣ヶ崎海岸の隣にある一宮海岸。波が高く多くのサーファーに愛されている海岸で地元では「サーファー道場」と呼ばれているそうです。私もそのうちサーフィンやりたい…。

太東ハイキングコース

次は一宮の海と街が見下ろせる丘へ。こちらは一宮のお隣のいすみ市のハイキングコースです。

一宮の街と海

一宮の海岸は九十九里浜の最北に位置し、ここから始まっているそうです。つまり千葉県の複雑なシルエットはこの丘から見る海岸のシルエットということになります。担当者の方と夜の光はどのくらいあるのか、季節によって変化はあるのかなどを確認しながら撮れ高の計算をしてきました。ここは条件がそろえばキレイな夜景が撮影できそうな予感がします。

玉前神社

玉先神社

千葉県一宮を語る上で欠かせない文化といえば玉前(たまさき)神社。

神武天皇の母であえる玉依姫命(たまよりひめのみこと)が祀られている1200年の歴史を誇る神社です。縁結び・安産のご利益があるとされ多くの絵馬がありました。

手水舎についた頃には日が傾きはじめて神社の神々しさが引き立つロケーションに。担当の方もNikon 24-70mm F2.8で写真を撮っていました。

フォトジェニックな玉前神社

玉先神社は木々に覆われているため日が傾いてくると差し込む光が様々で写真表現の選択肢がたくさんあります。

玉前神社本殿

玉前神社の本殿は黒漆塗の権現造りになっており、つややかで美しい色をしています。最近工事が終了して公開されたばかりとのことです。

たくさんある社

玉先神社には多くの社があり、それぞれに方角や風貌が違うため写真を撮る人の視点としてはフォトジェニックです。

社の彫り物

社には細かい装飾されているものが多く、お参りするだけではなくこのような匠の技を楽しみにいくと新しい発見があり、長時間楽しむことができます。

観明寺

観明寺

玉前神社から5分ほど歩くと観明寺というお寺があります。新年は大勢の参拝客で賑わうそうですが、普段はひっそりとした静寂に包まれているそうで美しい建造物をゆっくりと見て回ることができます。

神社の苔

神社のしっとりとした感じにぴったりなのはFUJIFILMのクラシッククローム。ロケハンで使ったFUJIFILM X-H1を片手にお寺をプラプラと彷徨います。

いけす料理 あきで夕食

天丼

一宮といえば外房!となれば当然夕食は海産物。私と途中で参加した地元?高校生は天丼を注文。エビ2本もついて絶対に美味いやつだ!

キンメの煮付け

そして担当者はキンメの煮付け。このボリュームのキンメの定食で2200円…。東京で食べたらこの半分のサイズで2500円くらいするやつ!牛はどこでも美味しいけれど海産物はどうしても港街が安くて美味しいですよね。一宮は食事のポテンシャルが…高い!

一宮海岸の美しさを表現しに行く

さて、ネイチャーフォトや海の写真撮影で千葉県一宮海岸という場所を聞いたことがあるでしょうか。私は山が專門ということもありあまり聞きいたことがありませんでした。私の今回のお仕事は一宮の魅力的な被写体を見つけることと、それを写真で表現するとどのようになるかというリファレンスをつくること。

專門はネイチャーフォトなので私が本気をだすべきところはここ。あくまでロケハンの範疇ではありますが一宮海岸の写真の作例の少しだけご紹介します。

夜明けの一宮海岸

一宮海岸は方角的には西に位置するため日が昇ってくると真っ赤に染まります。使用したのはFUJIFILM X-H1によるフィルムシミュレーションVelvia。ネイチャーとこのフィルムと言われるくらいの彩度の強い定番の色味です。

海の長時間露光

波を長時間露光で表現することで荒々しさがなくなり「静」の雰囲気が出ます。朝の海は色の選択肢が豊富なので表現したいコンセプトに合わせて選んでいくことができます。

一宮海岸と朝日

一宮海岸はサーフィンにむいていることもあり、波が高いのが特徴です。テンプレートのような朝日の撮り方でも被写体力強さよって普通とは違う波に形が現れます。

サーフィンに向かうサーファー

サーファーの聖地と呼ばれる一宮町の海岸だけあって日が昇ると同時にサーファーが海に入ります。海に反射するレイラインに向かって海へと歩みを進めるサーファーたちがとてもエモい。

一宮海岸の海岸線

ディテールではなく色で写真を作る考えをすると一宮海岸はものすごく被写体力が高いです。特にシャドウのコントロールが容易な朝と夕は防波堤のシルエットと組み合わせることで動線や奥行きを表現しやすくなります。

海と朝日

写真の技術がどうこう以前の圧倒的な被写体力。波が大きい一宮海岸は波の動きもダイナミックです。それを捉えればただでさえ広大な海に、さらなる広がりが出てきます。

波のディテール

朝日を反射する海面を高速シャッターで切り取れば肉眼では認識できない内のディテールが姿を表します。

粒感

波の満ち引きで朝日の反射面が違ってきます。たとえば砂に反射すれば粒感の強い反射になります。海の朝日を撮るという1つの撮影だけでも撮るべきものは複数あります。シンプルな海岸だからこそ自分で構図と色を作っていく楽しみがあり、写真の勉強にもすごく向いている海岸です。

ブランコ

一宮の観光局の人が作ったというブランコ。朝日と組み合わせて取ればインスタ映えする写真が撮れるかもしれない…。

フットプリント

今年はじめての海だったので日が昇りきってからは海岸を裸足でプラプラして遊んでいました。

寿屋本家

寿屋本家

一宮には明治中期に作られた建物が多くあり、この寿屋(すや)本家は海鮮問屋で財をなした商家。

現在はNPOによって保存と同時にコミュニティスペースとして開放されておいて文化を継承しながらもカフェを運営し、古民家のレンタルブースとして貸し出したりと気軽に立ち寄れるようになっています。

寿屋本家のカフェブース

カフェは大通りに面した箇所で運営されており、底から奥に進むとレンタルできる古民家という配置になっています。カフェから続く道にある蔵の扉が歴史を感じさせます。

寿し処たなかで昼食

寿し処たなか

昼食は一宮の隣の睦沢町の寿し処たなか。地元に愛されている寿司屋で住宅街の中にひっそりとあります。

マグロ丼

マグロ丼、これはひと目でわかる美味いやつ。流石は港町。

ちらし寿司

ちらしずし。ネタがはみ出てるやん!

刺身定食

私が注文した刺身定食。毎日市場から直送で仕入れていることもあり、刺し身の弾力が違う。普段は長野にいるので、こんなに美味しい刺身を食べたのはホント久しぶり。

一宮の街めぐり

一宮いっちゃん

刺身定食でご飯大盛り食べたのに一宮町の街巡りで立ち寄った江戸創業の和菓子屋、角八本店で塩バターどら焼きを購入。なんと老舗和菓子家が一宮町のゆるきゃら「一宮いっちゃん」とコラボしている!

ゆるキャラが乱立してぞんざいな扱いになっている自治体が多いなか、こうやって地元と協力して盛り上げていく姿勢はいいですね。

玉前神社の木

もう一度玉先神社の散策へ。初日のロケハンとは違い日が高い条件でしたのでだいぶ印象が違う写真が撮れます。

105mmマクロで神社を取る

初日はFUJIFILMの X-H1とXF16-55mm F2.8でスナップを撮っていたので、この日はD4Sと105mm F2.8の組み合わせでプラプラ。圧縮効果がほどよく被写界深度浅いので視線誘導しやすい写真を撮りやすく、こじんまりした神社で複雑な要素が多い場合では使いやすい画角です。

やちよでらんしゅうめんを食べる

らんしゅうめん

夕食は「お食事処 やちよ」でらんしゅうめん(蘭州麺)を。ご当地ラーメンであるアリランラーメンの新しい流れと言われているラーメンらしいです。

ニンニクベースの味で中には勝浦担々麺と同じく玉ねぎが入っています。味はとにかくにんにくがガツンとくる醤油味なので「焼き肉を食べている」みたいです。そして極厚のチャーシューのボリュームがすごい。これで850円は相当安い。また一宮町に行ったら絶対に食べると決めているラーメンです。

千葉県一宮町は文化と海の街

今回はフォトグラファーの視点で一宮町をぐるっとまわってみました。

まずはサーフィンの聖地と呼ばれるくらいの海岸があります。遊泳に向いている場所ではないため混雑することもなくゆったりとした楽しみ方ができます。海に入るのではなく海を見たい人にはうってつけです。そして撮影するには絶好の場所であり、どのように撮れるのかは作例に上げたとおりです。

夜中は天の川もキレイに見えるとのことで、それと組み合わせるのも面白いかもしれません。

あとは玉前神社や観明寺・寿屋本家のような文化的な価値の高いもの。

初日は一宮の成り立ちを知らずに街を回り、翌日に寿屋本家で一宮町の成り立ちや伝統などをまとめた20分の動画を見せていただき、再度街を回りました。文化を知ってから街を見ると見え方も違いますし写真を撮るときもどこを選べば良いのかの選択肢の数も増えました。

そして食事は港町なのでどこに行っても期待を裏切らない味です。食事目的で来ても十分楽しめてしまうレベルです。この街が東京駅から電車で1時間で来れるというのは中々貴重な立地で、東京在住の方は休みの日にちょっと行ってみようかと思える距離ですね。

11月に一宮町の歴史を解説するガイドさんをつけたフォトウォークツアーが開催されるそうなので、興味を持たれた方は参加されてみてはいかがでしょうか。私もまだ撮影してみたいポイントがたくさんあるので再度訪れる予定です。

今回撮影した写真はレタッチしてまとめてから一宮町の関係者の方にプレゼント予定です。日本でこのような形でPRしたいけど予算が厳しい、何をしていいかわからないという人たちの支援を写真撮影で行っています。CSRという形で行っているので報酬はいただいていません。外資に所属ということで日本にはあまり経済的な貢献ができないので、このような形で貢献していければなと思っています。

ということでナイスネイチャーしたいぞー!という自治体の方はこちらからご連絡ください。

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