仕事で登山をしているとウェアや登攀用具の消耗が激しいので入れ替わりが激しいです。
ドライレイヤーのような定番のアイテムは繰り返し購入しますが、気になったハードシェルやパンツなどは山行のパフォーマンスが上がることもありたくさんのブランドの物を試験的に使い、相性が良かったものを採用しています。
基本的に単独行なので遭難すると生存確率が極端に低いです。そんな理由でお金で買える安全には全力で投資するスタンスです。
毎年大量のアウトドアウェアを買いますが、今回は2016年に購入して私の登山用ウェアとして採用したモデルをご紹介します。これからレビューを書こうと思ってストレステスト中のものもありますのでさらっといきます。
MAMMUT MASAO JACKET
MAMMUTの独自素材であるDrytechプレミアム3レイヤーを使用したハードシェルジャケット。耐水圧20,000mm、透湿性は15,000 [g/m²/24h]。
GORE-TEXのジャケットと防水や透湿性に関して実用上では遜色ありません。伸縮性があり少し厚手で丈夫なジャケットです。
素材にGORE-TEXを使用していない分ライセンス料などがかからず製品価格が安くなっています。ブランドよりも実を取る人が購入する類のウェアです。
私は冬山のクライミングが入るルートなどではMAMMUT Nordwand Pro Jacketを使用し、残雪期や晩秋と言った雪がちらつくかもしれない季節のときはMASAO JACKETをしています。
ダブルジッパーなので中にダウンジャケットを着ても下ジッパーを開ければ突っ張ることなく行動できます。ハードシェルを買うならダブルジッパーじゃないと厳冬期の体温調整が難しくなるので注意です。
内側にもポケットがあり貴重品や濡れると困るものを入れておくことができます。Masao JacketはMAMMUTのハードシェルの中では中価格帯に位置しますが、日本の厳冬期登山であれば個人的には十分という認識を持っています。
同等の機能を持ち断然軽いのがMAMMUT Nordwand Pro Jacketなのでクライミングと縦走とで使い分けています。
MAMMUT GORE-TEX Quantum Stretch Pants
冬山でメインで使うハードシェルパンツ。GORE-TEX® Stretch 3 Layerを使用しているためクライミングなど伸縮性が必要なシーンで大活躍してくれます。
かなり細身のシルエットですが、体型にあえば余分はスペースがなくすごく快適に行動することができます。
内部にスノーガードがついているため、雪の侵入を防ぐことができます。ラッセルが必要な山行にはほぼ確実と言っていいほどの使用率になっています。
2016の冬のフィールドではMasao Jacket + Quantum Stretch Pantsが基本装備
冬のフィールドは標高が低くても風が吹くとすごく寒いので上下ともにハードシェルが基本です。一応ユニフォームなので問題ない山であればこの組み合わせを多用しています。
標高の高い山やアルパイン寄りの山行になるときはジャケットをMammut Nordwand Pro Jacketに変えて行きます。
finetrack ニュウモラップフーディー
超薄型のソフトシェル。素材はwindstopperを使用。ニュウモラップフーディーの面白い使い方はこの上にハードシェルを着ることができる点。
ソフトシェル+ハードシェルという組み合わせで吹雪でも袖口からの雪の侵入を防ぐことができます。
ハードシェルから内部に水が侵入したとしてもニュウモラップフーディーで防ぐことができ、これ単体でもほぼ完全な防風性があります。
単体で使っても普段の街着としてどのシーンでも仕様することができるため、finetrack社内のスタッフでも購入率No1という知る人ぞ知る逸品。ちなみにソフトシェルを着たままシュラフで寝ようと思ったのはこのニュウモラップフーディーが初めてです。

2017年にニュウモラップはフロウラップに進化し性能が向上しました。

finetrack ドラウトレイ
冬山で保温機能を維持しながら行動することに特化したフリース。身体からの水蒸気(汗)を効率よく吸収して拡散することでドライな状態を保つことができます。
その分単純な保温力では厚手のフリースには及ばないため運用の仕方には少し注意が必要です。
普段着としては冬にドラウトレイ+ニュウモラップフーディーというのが現在の基本のスタイル。それでも寒いマイナス5℃以下だとその上にダウンジャケットを羽織ると快適です。

finetrack ストームゴージュアルパインパンツ
今シーズンから使用しているメインのアウトドア用のパンツ。夏は少し蒸れるので、それ以外の季節なら普段着として使用しても快適です。
立体デザインとストレッチ性で山行中に突っ張るという経験をこのパンツに変えてから感じたことはありません。
オールシーズン対応だけれども高密度の素材を使用しているので防風性に優れているのがポイント。
夏用の薄手のパンツを履いていると稜線沿いの強風で足が冷えてしまうことが多くあります。2500m以上の山をメインにしている人は通年を通しておすすめできるパンツです。
100回選択しても80%の撥水性能を維持することができるためコストパフォーマンスのも高いです。
太ももにあるポケットにキーフックがついていたり、ベンチレーションもあるので普段着としても優秀です。極寒の山岳地に住んでいるわたしは普段着になってしまっています。
アウトドアウェアはブランドではなく性能と相性で選ぼう
すべての登山用品を自分の好きなもので揃えられるかと言われると微妙な立場ではありますが、好きなブランドであっても性能に難ありと感じたものに関しては絶対に使用しません。
結果として今年はMAMMUTとfinetrackが多くなりました。
アウトドアメーカーも技術を追及していくところもあれば、ターゲットを広げに行くとこもあり、登山への関わり方も様々です。
私の場合はどれだけ高額になっても自分の命を守ってくれると判断できるウェアを優先的に買っていっています。
特にハードシェルは高価格なので自分の体型・登る山、山行スタイルにマッチングしたものを選ぶとより楽しく安全に登山ができるようになると思います。
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