登山用ウェアがアパレル業界と同じ図式になっていて危険を感じている

登山業界のアパレル業界化

最近のアウトドア用品・特にウェアは当たりハズレが誰もわからなくなってきています。

以前は色々な登山用品店がこだわりのアイテムを選別して、訪れたお客に合った商品を提案できていましたが、最近はそれも怪しくなってきました。

理由はアウトドア業界のアパレル業界化です。それにより懸念される不安点をまとめてみます。

展示会から発注までの期間が短すぎる

最近の登山メーカーは展示会で商品を確認してからオーダーするまでの期間が1〜2週間ととても短いです。これは一般的なアパレル業界と同じです。

サンプルを借りて実地試験を行ったり、機能を確認する暇もなく発注しなければなりません。一般的なアパレルはファッションなので特に問題は起こりませんが、登山用品に関しては万が一機能性に問題があるものを発注して、売ってしまったら大事故に繋がる可能性があります。

中国の生産工場をいかに早く押さえるかの勝負になってきている

背景としては、ほとんどの登山用ウェアは中国で生産してることが挙げられます。発注の〆切を遅くするほど他社に工場を押さえられたりしたり、生産期間を長く取りたいということから、短い期間でまとまった発注を半強制している現状です。

このような背景があることから展示会の当日で購入する商品を選ばなかればならない事が多く、可能な限り商品の機能や性能を確認しようとピリピリしています。

ウェアを売らない登山用品店が出てきた

ウェアを取り扱わない登山用品店

ウェアを「登山者の命を守るもの」と捉えている小さい登山用品店の中には、自分で試用もできないウェアを客に売るわけにはいかない、と取り扱いをやめてしまったところもあります。

数年間同じモデルを売り出すならば1年かけて検証して、次の展示会で同じモデルを発注すればいいのですが、最近の登山用ウェアは毎回モデルチェンジするため、どう頑張っても機能テストができない状態です。

メーカーの視点からすると「新しいものを作らないと見向きされなくなる」ということですが、実際に客に売る側としては定番商品くらいは数年間同じモデルを維持して欲しいと、意見が喰違ってしまっています。

ザックやブーツのフィッティングに特化した販売店も

私の自宅近所の登山用品店は登山用ウェアを扱わないかわりに完全予約制でザックやブーツのフィッティングに特化したサービスに変更していました。

責任をってウェアを販売できなくなったということと、アウトドア量販店の店員のレベルに問題があり、フィッティングのトラブルが多くなってきているのが理由です。

サービスを開始したら全国から脚のトラブルを抱えている人が殺到しているらしいです。ハイカットのブーツというだけで「登山用」とソールやアッパーの柔らかいブーツを販売されたりするケースも多いです。

販売価格はほぼ定価で行っていますが、2時間付きっきりでザックやブーツのフィッティングを行ってくれるので総合的にみて格安になると思います。

最近の登山用品は店員ですら機能が分かってないケースが多い

このような背景から商品説明に自信のある登山用品店のベテラン店員ですら実際に機能を確認しているわけでなく、カタログスペックだけしか把握できてないケースがあります。

したがってアタリのウェアなのかどうかは運と、購入者の目利きに比重が寄ってきます。登山経験者ならば自分である程度装備を整えることはできますが、初心者の方には厳しい状況かなと思います。

大手のアウトドアメーカーは企業利益を上げるためにガチな登山よりもファッションとしてのジャケットであったり、フェスのためのウェアというプロモーションに切り替えている企業もあります。

いち登山者としてはアウトドアウェアは機能第一で、登山者のサポートして欲しいと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

スポンサーリンク

0
3
0
5
6
0
登山業界のアパレル業界化

この記事が役に立ったらいいねをしよう!

Facebookで最新情報をお届けします。

関連記事

同じカテゴリーで読まれている記事