ネイチャーフォトにおいて正確無比な構図を作り上げてくれるManfrottoのギア雲台405。ロックした状態からハンドルを回すことで微調整が可能になる特殊な雲台です。私は昔からこの雲台を愛用しています。
かなり剛性の高い雲台なので付属のクイックシューだけで200mm程度までのレンズならそのまま使用できますが、最近アルカスイス互換が流行っているので、物置から改造パーツを掘り起こしてカスタマイズしてみました。
その手順をご紹介します。

Manfrotto405専用のアルカスイス互換プレートとクランプを用意する
Manfrottoギア雲台405のクイックシューはアルカスイス互換ではありません。これを互換させるためには付属のクイックシューの固定システムを取り外して専用のパーツを取り付ける必要があります。
私が使用しているのはHejnar PhotoのManfrotto405専用のアルカスイス互換のプレートとクランプ。まずはこれを仕入れます。日本では手に入れることが難しいので海外からの個人輸入になります。
価格は16000円程度とかなり高額になりますが、加工精度が高いので価格相応の品質です。405だけでなく410のアルカスイス化パーツも販売しています。
雲台の改造に必要なネジやレンチなどすべて付属していますので事前に工作用具を用意する必要はありません。
プレートとクランプを取り付ける
プレートを装着するにはまずManfrotto405のクイックシュー固定用のレバーを取り外す必要があります。
六角レンチでレバーを取り外します。
レバーを取り外すとボタンとネジが残ります。これは405専用のクイックシューを上から押し付けると自動でレバーが閉まるギミックのボタンの1つなので紛失しないように大切に保管します。
Hejnar PhotoのプレートはManfrotto405とかっちりとハマるので取り付けに迷うことは無いと思います。
プレートを当てたら裏から六角レンチでネジ止めします。
Manfrotto405のアルカスイス化の交換作業はこれだけ。簡単なお仕事です。
アルカスイス互換のクイックシュー
これでManfrotto405のアルカスイス化は完了。互換性のあるクイックシューやLプレートを装着したボディを固定できるようになります。
LプレートはRRS(リアリー・ライト・スタッフ)のものが有名で、これをカメラに装着しておけばクイックシューを装着することなく横位置でも縦位置でも雲台にガッツリ固定できるようになります。重心が安定するためブレを防止できることもあり、アルカスイス互換使いはこのような運用方法をする人が多いです。
Lプレートなどを持っていない人は専用のクイックシューが必要となります。今回選んだのはSIRUIのもの。レフ機のフラッグシップボディであるD4Sを支える方は大きめのTY-70-2。最近導入したミラーレスのFUJIFILM X-H1には一回り小さいTY-70を選びました。
アルカスイス互換のクランプを使用している雲台ならどんなものでも使える汎用性があります。
軽量なカメラを使うときに使用しているK&Fの三脚KF-TC2534も付属の雲台がアルカスイス互換なのでこのクイックシューをそのまま使用できます。
Lプレートを使うならおすすめできるカスタマイズ
GITZOシステマチック三脚5型とManfrotto405の組み合わせはかなりの剛性なのでLプレートを使用せずに普通のクイックシューでもブレを起こすことがありません。

Lプレートを使った横位置、縦位置で重心を安定させるメリットはこの組み合わせの場合はあまりメリットがありません。そこに16000円を投資するかというのと少し微妙…。
しかしD850やX-H1、α7RⅢのようなボディでバッテリーグリップを装着してない状態でLプレートを使用している人にはおすすめできるカスタマイズ。何しろクイックシューをつけて置く必要がないため三脚の設置から撮影までがスムーズです。
私の使い方だとフラッグシップボディにLプレートは手持ち撮影のパフォーマンスが悪くなるため使用しません。普通のクイックシューを使用するのがベストでした。今回もSiruiのアルカスイス互換のものを使用する予定です。
精度は高く剛性に問題なし
アルカスイス互換はLプレートと組み合わせて剛性が出るイメージがありますが、Hejnar Photoのプレートとクランプは精度が高いためか、クイックシューとの組み合わせでも十分な堅牢性が確認できました。
テストで撮影した白馬岳の頂上の強風の中でのタイムラプス(Nikon D4S+AF-S14-24mm F2.8G)でも一切のブレを起こすこともなく、ボディやレンズの重さで傾いていくこともありませんでした。この環境で使えるならば日本のほとんどの山で対応できると思います。
扱いが難しいカスタマイズですが、汎用性は高くなることは間違いないので興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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