テント泊の必須アイテムであるマットレス。登山における睡眠は重要でしっかり寝れないと次の日の山行がきつくなります。睡眠に関わる登山用品は投資するに値するアイテムです。
マットの種類は大きく分けて2つ。エアー式という空気を入れて膨らませて使用するタイプと、クローズドセルマットと呼ばれるクルクルっと丸めてあるものを広げて使用するタイプの2つです。
この2つの寝心地と使用する最適なシチュエーションをまとめます。
エアー式とクローズドセルマット式の大きな違い
わかりやすい判断基準は大きさです。ザックに外付けで色々なギアをつける人はコンパクトなエアー式のマットレスになります。
しかしエアー式は扱いが難しいので登る山や季節によってはクローズドセルマットレスの方が優れることもあります。まずはそれぞれの特徴をまとめていきます。
エアー式:サーマレスト ネオエアー Xライト
使用するときは空気を入れて膨らませます。丈夫ではありますが生地が薄いので穴があいてしまったら山の中ではただのゴミになってしまいます。
エアー式なので寝心地は非常によく背中が痛くなるといったことはありません。テントの中で熟睡したい人はこちらを選ぶことをおすすめします。
最大の特徴はコンパクトな収納が可能なこと、クローズドセルマットレスの半分以下になります。その代わりデリケートなものなのでザックの中に入れることが前提となります。
冬季には絶大な保温効果
雪上にテントをはるので尖った石に当って破損するリスクもないので安心して使えます。
私の使っているサーマレスト・ネオエアーXライトは中にサーマキャプチャーと呼ばれる熱反射材が入っているので、地面からの冷気は断熱し、自分の背中の熱ははね返り暖かくなります。
また冬季縦走では防寒着に加えてアイゼンなどのギアも増えるのでザック外付け部分も多く使い、内部収納スペースに余裕がありません。コンパクト収納できるエアー式マットはそういう意味でも便利です。
寝心地は最高だがマットとしては高価
寝心地は非常に良く背中はまったく痛くなりません。
クローズドセルマットで寝付けない人はエアー式に変えると登山のパフォーマンスが上がるかもしれません。
ただエアー式は高価でクローズドセルマットに比べて3倍から5倍の価格になります。破損のリスクもあるので冬山をやるかやらないかが1つの判断基準になります。
設置・収納がめんどくさい
エアー式マットは使用時には口から空気を入れて膨らませます。
3000mくらいの高度になると酸欠でくらくらします。収納時は空気を抜いてキレイに畳んで丸めないとキレイに収納できません。慣れている人でも3〜5分程度かかりり、適当にやると破れることもあるので扱いには常に気を使います。
縦走登山は何かと道具を雑に扱ってしまうので人によってはストレスになるかもしれません。
クローズドセルマットレス:サーマレスト リッジレスト ソーライト
厚みのあるマットを丸めるだけの収納スタイルです。ザックの中には入らない体積なので、ザックのボトム部分や横に外付けするのが基本スタイルになります。
体積はありますが非常に軽いのでバランスが悪くなることはありません。
マットには丸める型式のものと、何回か折って収納するタイプの2つがありますが性能は変わりません。
丸める方がザックに取り付けたときの収まりがいいですが、クセがついているので、テントで敷く際に苦労します。マットを敷いた上にザックを置く、寝る直前に敷くといった使い方になります。
逆に折りたたむタイプは収まりは悪いですがクセがないのでテントで敷くときや片付ける場合に便利です。
個人的にはどちらでもよいと思います。私は収まりのいいロールタイプのマットが好みです。
寝心地は悪いが丈夫
最低限の仮眠が取ることができればいい人に向いています。
岩にこすりつけても破損することはないので、寝る場所も選びませんし片付けも数秒で終わります。適当で楽に扱えることはテント泊ではメリットです。
表裏がある
銀のマットが熱反射効果を持っているので、地面が寒い時はそちらの面を上にすることで背中の熱を反射して暖かくなります。
ただ空気の層の中に熱反射材のあるエアー式に比べると効果は低くなります。
逆に銀の部分を下にすると、ひんやりとするので夏季低山で心地よく寝たい時に使用します。
低価格で手が出しやすい
定価で4000円程度のものなので初めてのテント泊などではこちらをおすすめします。
登山でのマットの使い方
テント泊で使用するマットは、大きいほど使いやすいと思われがちですが実は逆です。
寝心地を最低限確保できる程度の方がテントの中での取り回しがよく使いやすいです。
特にエアー式は折り曲げることができませんので大きすぎるとテントの外枠に引っかかることもあります。身長170cm以下の人ならば横幅120cmのものでも十分です。
このように寝心地に関わる部分だけマットでフォローできれば十分です。小さいテントを使用する場合はザックを足の下に置くことで室内を広く使うことができます。
マットレスの上にシュラフを敷き、ウェアを詰めたスタッフバッグを枕の代わりに使用します。
私は肌触りのいいMAMMUTのスタッフバッグを枕が割りに使用することが多いです。マットの長さに余裕があればスタッフバックはマットの上に置けばより寝心地が良くなります。
コツは身体が直接地面に触れることを避けることです。夜になると山の気温が急激に下がりますので、肌が地面に触れている面があると寒くて寝れなくなります。
登山によってマットの種類を使い分ける
撮影など登山以外の目的で山を登るひとは軽量化と省スペース化としてエアー式のものがおすすめです。
一般的な登山でテントで熟睡する必要がない人、登山初心者の方はクルーズドセルマット式のマットをおすすめします。何かと使い勝手がいいので、家ではヨガがトレーニングマットの代わりにも使用できます。
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