商品撮影など写真を撮っていると背景処理に困ることがあります。背景を切り抜く技術があればブログにアップする写真のクオリティも上がりますし、写真撮影で仕事をしていきたい人にとっては武器にもなります。WEBデザイナー初心者の練習にも最適です。
Photoshopで一番簡単な画像の切り抜き方法を2種類ご紹介します。
誰にできる撮影環境としてA4の紙を下に敷き、APS-Cの一眼レフNikonD40とクリップオンのスピードライトのみで撮影しています。
画像の背景をすべて切り抜く方法
Adobe Bridgeで画像を調整する
Photoshopを使用している人ならば誰でも使えるAdobe Brigeを使用します。これはAdobeアプリケーションのサムネイル表示に対応したWindowsでいうエクスプローラー、Macでいうfinderです。
Adobe Bridgeから使用するJPEG画像やRAW画像を選択して「Camera rawで開く」を選択すると画像の調整画面に入ります。ここで露出やコントラストなどを調整します。
商品撮影の際に白い紙を下に敷いた場合は、ホワイトバランスツールを選択して白い紙をクリックすると色味が正確になります。
画像の切り抜く範囲を指定する
画像を切り抜く範囲指定には「自動選択ツール」を使用します。
W
許容値の数値を上げるほど一度に選択できる範囲が増えますが、選択してはいけないものまで選択してしまいます。許容値は18程度にするのがおすすめです。
一度に選択できなかった切り抜きたい範囲はShistを押しながらクリックすることで追加していきます。
選択範囲を追加:Shift+クリック
選択範囲を削除:Alt+クリック
選択範囲に関係する多角形ツールや投げ縄ツールもすべて、追加はShistを押しながら、削除はAltを押しながらという操作をしますので必ず覚えましょう。
自動選択ツールで範囲指定していくと、ほぼすべてのケースで切り取る部分以外も選択されてしまいますが、これは無視してどんどん選択してい切り抜く範囲を増やしていきます。
切り抜く範囲を微調整する
切り抜いてはいけない部分の選択範囲を削除します。こちらは多角形ツールを使用します。
L
ここでは範囲を削除したいのでAltを押しながら最初の1点を作成します。
多角形ツールはクリックすることで1つの点を置くことができ、選択範囲にしたい部分を囲っていくツールです。最後に最初に作った点をクリックすることで選択範囲を確定させます。背景が白や黒のようにわかりやすいものは自動選択ツールを使用しますが、複雑な背景のものを切り抜く際はすべて多角形ツールで行うこともあります。
選択範囲を拡張する
このまま切り抜いても大丈夫なこともありますが、大半のケースでフリンジという枠のようなものが出てしまいみっともないです。それを消すために選択範囲を少しだけ広げてあげます。
メニューの選択範囲>選択範囲の変更>拡張を選びます。
実際の商品などの画像を少しだけ切り取ってしまいますが、違和感はでませんのでご安心ください。目安としては1500万画素の写真で2px程度です。
背景をレイヤーに変更し、選択範囲を切り抜く
写真をPhotoshopに読み込んだ場合は写真が背景として設定されています。
このまま背景を切り取ると背景色で塗りつぶされてしまうので、背景レイヤーをダブルクリックしてレイヤーに変更します。
背景をレイヤー化したらDeleteキーを押すことで選択範囲を切り抜くことができます。
切り抜き:選択範囲を指定+Delete
こうすることで背景を背景色で塗りつぶすのではなく、背景を透明にすることができます。
新規レイヤーを作成し、白で塗りつぶす
新規レイヤーの作成:Ctrl+Shift+N
レイヤーの塗りつぶし:Shift+F5
写真のレイヤーの下に新規レイヤーを作成して白で塗りつぶしましょう。これで一般的な商品画像などの切り抜き画像の完成です。これが一番簡単な切り抜き方でPhotoshopに慣れている人なら1~2分くらいで行います。Photoshopに慣れていないカメラマンや新人デザイナーさんはこの流れからはじめましょう。
影を残して立体感を出す画像の切り抜き方
ハイクラスの商品撮影になると画像すべて切り抜いてしまうと立体感が損なわれるため、影を残しそれ以外は白で潰す手法をとります。このやり方も現場ではよく使うテクニックです。
選択範囲の拡張までの作業は一緒
自動選択ツールと多角形ツールを使用して切り抜きたい背景を選択し、選択範囲を拡張して2px程度内側に選択範囲を広げるまでの作業は一緒です。
ここからの手順が少し異なります。
レベル補正機能で影だけを残す
Ctrl+L
レベル補正で画面で、入力レベルの3つの山の右と中央ツマミを調整します。右のツマミで背景をすべて白くして、中央のツマミで影の濃さを調整します。
レベル補正の3ツマミ
- 左:シャドウ
- 中央:中間値
- 右ハイライト
山になっているのはピクセル値と呼ばれていて、どの領域にどの明るさのものがあるのかということを表しています。
今回のケースでいうと、 全体の波(ヒストグラム)は右によっています。つまり選択範囲はほぼすべてハイライト(白)に近い領域であることを意味します。
ハイライトのツマミを左に移動させるとツマミよりも右の領域はすべて白に補正されます。
シャドウのツマミを右に移動させるとツマミより左の領域はすべて黒に補正されます。
影だけ残すにはハイライト(右ツマミ)左に移動させて影だけを残し、他はすべて白に補正します。そのに中間値のツマミで残りのピクセルをシャドウ寄り(黒)にするかハイライト寄り(白)にするかを調整します。こうすることによりほんのりと影だけ残し、他の背景は真っ白にすることができます。
しかし、影が黄ばんでいて美しくありません。ここで最後の一手間を加えて商用でも使える品質に仕上げます。
影の彩度を0にする
Ctrl+U
影の彩度を0にすることで白~黒の間のグレーにすることができます。こうすることで影の色かぶりも消すことができキレイな写真に仕上がります。
上達したいカメラマンと新人デザイナーにおすすめ
カメラマンならレタッチ以外にもこのようなPhotoshopの操作ができると仕事の幅が広がります。写真が趣味の人も背景処理を覚えるとブログにアップする写真を1つ上のレベルに上げることができます。デザイン初心者には必須のスキルです。WEBデザイナー、グラフィックデザイナーの両方で使うテクニックです。
人物などを切り抜く際はもっと複雑な手順になりますが基本は一緒です。まずはこの流れを覚えましょう。
特にカメラが趣味の人はAdobe Creative Cloudフォトグラフィプランに加入している人が多いと思います。Lightroomしか使わないくてPhotoshopの出番がない人はこれを機会に挑戦してみるものよいかと思います。
スポンサーリンク
コメントを残す