WEBデザイナー兼カメラマンを目指している方も多いと思います。
字面だけ見るとすごいクリエイティブ感です。しかし結論としてはフリーランスか中小企業に絞らないと両立させることは不可能に近いです。
そのことをフリーランスのクリエイターの仕事斡旋サービスをしているレバテックフリーランスで身に沁みました。
同時に勉強をすることはお互いを理解する意味でメリットはありますが、2つのスキルセットが仕事に結びつくことはありません。 このブログでも何回か話題にしていますが、カメラマンとしての技術を広げるためにWEBデザイナー・ディレクター・フロントエンドエンジニアとしてたまに仕事をしています。
いつも写真撮影が絡む仕事ないかと探していますが、中々見つかりません。
企業のWEBサービス開発のスポット案件で支援に入ることが多く、今回はレバテックフリーランスにお邪魔してWEBサイト開発の案件を探してもらいました。
写真撮影とWEBデザインを両立できる仕事はない
フォトグラファーとWEBデザイナーのどっちをONにして、どっちをNOにするのかを選ばなければなりません。
多くの人が驚くことですが、写真撮影とWEBデザインのスキルというのは相性がよくありません。というか別の職種です。
中小企業やECサイト運営などでは需要は高いのですが、リクルートやYahoo!といったレベルのWEB開発ではまったく役に立ちません。 改めて確認をしましたがやっぱりそういう案件はありません。
「専業で写真撮影の仕事してます!」と言っても「そうですか」と流されました。 かろうじてWEBディレクターの仕事の一環としてのフォトディレクション程度です。 「写真が撮れるデザイナー」は必要とされずデザイナー・フォトグラファーで完全分業になっています。
この2つの仕事でまともな給料を得ようとするならばフリーランスしかないのが実情です。
仕事内容と相場
WEBデザイン経験
- WEBデザイン歴10年以上
- HTML5 / CSS3(Sass)/ jQuery /PHP/ WordPress
- バージョン管理はsvn / gitの両方OK
- WEBディレクション5年以上
- SEO、コンテンツマーケティング経験
- 英語、ドイツ語OK
- DTPデザイン(企業の販促広告程度)
- UI設計、UX設計3年以上(フロントエンド・バックヤード)
- スマホアプリデザイン(Photoshopカンプまで)
カウンセラーが営業に持っていきたい経験だそうです…写真も撮影も入ってねー。
現役のWEBデザイナーやディレクターの皆さんはプログラムやインフラにも強かったりしますので、私は下の上か、中の下くらいのポジションだと思います。
これらの実務経験が主体のWEBデザイナーは写真撮影が絡む仕事はないと思ってOKみたいです。 こちらの注文としては3ヶ月で必ず一度契約更新を入れること、冬から春にかけてならフルコミットOKの2つです。
大体このくらいのスペックでレバテックフリーランスの相場のちょっと上の単価案件が中心でした。新規事業の立ち上げのスポット支援で、ガッツリ仕事させて保守を正社員や派遣にやらせるパターンです。短期間で長期契約ではないため単価が高くなっています。
ディレクションはやりたくなかったので、フロントエンドデザイン回りに限定したらネットに掲載されている単価とほぼ同額でした。
もちろん採用されるかどうかは別の話であくまでカウンセラーの感覚値です。
時々入る開発現場でも似たような仕事で同額の案件が多いので世間の相場からはズレていないと思います。
なんでフォトグラファーなのにWEBデザインやってるの?
きっかけは撮影した写真をネットを使って見てもらうことでした。俗にいうフォトポートフォリオです。
仕事が欲しかったこともありますし、若い頃にはそのくらいのハングリー精神は必要です。駆け出しのフォトグラファーが自身の作品をクライアントに見せるためにWEBデザインからアプローチすることは有効です。
現在はネイチャーフォトの新しい発想を探しにいくことと、デザイナーの価値観に合わせた写真の撮り方の勉強をするためです。
写真とWEBデザインの関係
私の本職はフォトグラファーですが、写真を撮るだけがフォトグラファーの仕事のすべてとは思っていません。
むしろ撮影した写真がそのまま使用されるケースは稀であることから、納品後に何が行われているのかに精通する必要があると思っています。
写真の一般的な使われ方は広告やWEBサイト。このブログなどもそうですね。写真に注視させるのではなく、写真を素材としてコンテンツを作っています。 将来を見据えて写真業に携わるのであれば写真撮影の技術のみに執着するのは良策ではないと考えています。
WEBデザイナーとカメラマンの相性が悪い理由
例えば一般的な一眼レフの写真の縦横比は3:2ですが、この比率でWEBサイトのバナーが作られることは滅多にありません。
写真を素材として見たとき、WEBデザイナーからみて腕のいいカメラマンというのは数少ないです。
カメラマンは3:2の比率の中で完成された写真を撮りますが、デザイナーは3:1のバナーなど、様々な縦横比で作るので背景の入れ方や被写界深度をデザイン用にアレンジしないと、フォントが載せにくいデキの悪い成果物になります。
お互いのゴールが共有されていないのでカメラマンからすると写真の扱いが下手なデザイナー、デザイナーから見れば下手なカメラマンという心象になります。
どんな写真でも綺麗なバナーを作れるのが腕のいいWEBデザイナーとも言えますが、「写真さえ良ければ…」という声はどのWEBデザインの現場でも出る意見です。
これはデザイナーとカメラマンが別の職種であることから直にコミュニケーションを取ることが少ないのも原因です。
予算がたっぷりあるプロジェクトならばフォトディレクションに専用フタッフをアサインしたりデザイナーが撮影に同行できますが、殆どのケースでは撮影とデザインは完全分業です。
デザイナーや開発現場にとっての良い写真を撮る視点がカメラマンには必要
写真撮影の比率が多くなると実際に素材として使用するデザイナーの視点を忘れてしまうので、時々価値観のすり合わせをWEBデザインの現場に入って作業することで合わせています。
両立するには相性がよくないですが、WEBデザインと写真は切り離せない関係にあることは間違いないです。
カメラマンとWEBデザイナーは別の仕事として分けるべき
写真が撮れてWEBデザインもできると聞くとすごいクリエイティブ感ですが、実際問題として仕事がありません。
目指すならばフリーランスで対個人や小さい会社相手に仕事をするか、両方の分野で専業でやっていけるくらいスキルを磨くかの2択になります。
しかしこの2つのスキルが大企業をクライアントにするときにシナジー効果を発揮することがないので、正直なところ効率が悪いです。WEB制作の技術が高くなるほど、仕事の単価が上がるほどこの傾向が強くなります。
このことからWEBデザイナーと写真撮影を目指すならばバイト・派遣社員レベルまでで考えて、そこから先は1本化した方が現実的です。
カメラマンとしてはWEBデザインの経験があると仕事の幅が広がりますが、WEBデザイナーでバリバリ仕事をしている人が写真撮影の技術を磨くメリットは少なそうです。
このようなことをエッジ企業のWEB開発案件を多く抱えてるレバテックフリーランスでカウンセリングを受けて感じました。
両方を実務レベルでこなしたいのならばフリーランスで独自の仕事を作るのが最短かもしれません。
スポンサーリンク
コメントを残す