新緑の池や湖のリフレクションを美しく撮影するテクニックとレタッチワークフロー

ネイチャーフォトに置いて水面を利用したリフレクションは定番の構図の1つです。

シンメトリーの効果があるためカメラ初心者でも安定した写真になりやすく、そこから撮影データを見直して勉強することもできます。

シャッターを切るだけでもキレイに撮れることが多いシーンですが、構図の作り方やカメラの設定を最適化していくことでより美しい写真に仕上げることができます。

今回は森の中にある池を題材に、撮影手法からレタッチまでのトータルワークフローをご紹介します。

池のリフレクションの撮り方

リフレクション撮影のための三脚

まずは基本のアプローチとして水平をしっかりと取る構図から作ります。

ここで大事なのが必ず三脚を使うこと。水面へのリフレクションは風などのちょっとしたことで揺らいでしまいキレイに取れなくなるためシャッターチャンスをじっくり待つ必要があるためです。

被写体への距離と使用するレンズにもよりますが、この構図では奥行き感を意識することは少なく平面的な写真になるため絞り(F値)は深めに設定します。

木々の奥行き感を出してうっすらボケ感を出していきたい場合はF4-5.6に設定することもありますが、絞りすぎによる回折現象が起こらずシャープネスもあり被写界深度が深くボケもないバランスを取るとF8付近になることが多いです。

F8付近の絞りを使用すると自然とシャッタースピードが遅くなるため、その意味でもリフレクションの撮影には三脚の使用を推奨します。

水面のゆらぎを見る

水面の状況は風の強さに影響されやすく、強風時はほとんどリフレクションを出すことができません。

しかしきっちりとしたリフレクションも1つの表現に過ぎないので少し揺らいでいるシーンも美しいのでまずは撮影してみます。

このように風の影響で撮れる写真は異なります。

自分好みの揺らぎを探したり、風が止むのを待ちながら調整していきます。

リフレクションがキレイに出ないときの撮影

リフレクションが出ないときの撮影アプローチ

池や湖のリフレクションは好条件でない限り完璧に出ることはありません。狙って行ったけれども撮影できずに撤退という人も多いと思います。

そのようなときはアプローチを変えてリフレクションが崩れていることを有効利用して写真を組み立てていきます。

リフレクションを崩している要因

わかりやすい手法がリフレクションを副題にして引き立て役にすることです。

池や湖だと鳥がいることも多いので、それがリフレクションを崩しているシーンを撮ることで動きの表現をすることができます。

もし風が少し出ていてこのような写真を狙うのであれば雲台は3Wayよりも自由雲台の方が向いています。自由雲台はロックを緩めると自由にカメラを動かすことができるため突発的に出てくるシャッターチャンスを捉えることができます。

手持ちで撮影するのであればどちらの雲台でも大丈夫です。

長秒露光でリフレクションの揺らぎを美しくする

リフレクションの長秒露光

微風が吹いていてリフレクションが微妙にディテールを失っている状態は多くあります。そこで普通にシャッターを切っても中途半端なブレが映し出されるだけなのでイマイチなものになります。そんなときは思い切って長時間露光で滑らかにしてしまう手法があります。

しかし日中で13秒までシャッタースピードを落とすのはISO感度を最低にしても、絞りをF22などの最高に設定しても難しいことが多いです。そこで必要になるのがNDフィルターです。

作例ではND32(5段減光)を使用しています。これを使えば例えば絞りは同じでもシャッタースピードを5段落とすことができます。(1/60秒なら1/2秒になる)

長秒露光のためのNDフィルター

湖でのリフレクションは反射面を抑えて水面をキレイに出すC-PLフィルターとNDフィルターの重ねがけになることが多く、円形フィルターではケラレ(四隅が暗くなる)が発生することがあります。

最近はそれを防ぐために角型フィルターを使用しています。NDフィルター1枚の使用ならば円形フィルターでもほとんどのシーンで問題ありませんが、C-PL+NDの2枚を使って表現をする場合は注意が必要です。

今回の作例はKANIの100mm角型フィルターシステムを使用して撮影しています。

キレイに出たリフレクションを撮影する

完璧なリフレクション

作例ではシャッタースピードは13秒に設定しています。

カメラを三脚に固定して水面が落ち着くのを待ち、キレイなリフレクションになったらシャッターを切ります。

池のリフレクションを撮影する

風が吹いていると撮影する段階でリフレクションが崩れているのでシャッタースピードはそれほど気にする必要はありません。どれだけ高速でシャッターを切っても意味はありません。

ただあまりに長時間露光をすると途中で風が吹いてリフレクションが崩れる被写体ブレをすることもあるので、絞り(F値)を決めてからそれに合わせたシャッタースピードであればキレイに出ます。1秒以上の露光をしない限りは問題ないでしょう。

情報の密度を調整する

リフレクションがキレイに出ていると迷い出すのが「どこで構図を切るか」という問題。

広角の構図にするほど全体を写すことができますが、リフレクション以外のものを入るので情報の密度がなくなります。

逆により過ぎるとリフレクションの表現を強く出てシンメトリー感が強調されますがポイントを誤ると何を撮っているのかを伝えづらくなります。

リフレクションしている部分を全部入れると地面と水面のラインが中途半端な位置にきたりします。

この写真では中央左の木のリフレクションが一番強く出ていますので、そこにスポットをあわせて望遠でより切り取ることで余計な部分を切り取っています。

天候を予測して待つ

天候を予測して撮影タイミングを待つ

池や湖は木々に囲まれているところが多く、その組み合わせの写真を撮りたいと狙う人も多いと思います。

ただこういった場所は危険であるため柵が設置されており構図の自由度が極めて少なく歩き回ってポイントを探すことができないことが多くあります。

そういったシーンでは天候が変わるのを待ち似たような構図でありながらも雰囲気を変えていくアプローチも有効です。

霧を使ったリフレクションの演出

例えば山の中の池や湖のリフレクションを撮るなら霧が出やすいという特性があります。気温の変化が著しい夜明けや夕方などが狙い目です。

雨雲によるガスも期待できるのでGPV希少予報Yahoo雨雲レーダー
を利用して天候の変化を予測して撮影スケジュールを組み立てると1回の撮影で沢山のシチュエーションに出会うことができます。

奥行き感を出すための構図の作り方

奥行き感の作り方

リフレクションを意識しすぎると同じような構図を延々と撮影し続けることが多くなります。

被写体力のあるものを撮影するときに陥る事が多く、どうしてもそこだけに目がいってしまい、撮影技法などまで気が回らなくなることがあります。

それを防ぐために池のリフレクションを撮りに行くときは何パターンか構図を事前に考えていくと撮影現場でも凝り固まった思考から脱却することができます。

それが近景・中景・遠景を意識した奥行き感の演出。シンメトリーが多い平面構成のリフレクションとは真逆のアプローチともいえるかもしれません。

奥行き表現

自分の立ち位置にあるオブジェクトを入れると、被写体までの距離感を作ることができるため、木の大きさや池の広さなどを表現することができるようになります。

これは池や湖のリフレクションに限らずネイチャーフォトの基本的な撮影手法なので覚えておくとあらゆるシーンで役に立ちます。

リフレクション撮影のポイント

  • 三脚を使用する
  • 突発的なシャッターシャンスが出そうなときは自由雲台
  • 水面の反射はPLフィルターで防ぐ
  • 平面構成の場合はF値(絞り)は深くする
  • 微風で水面が揺れるときはNDフィルターで長秒露光もあり
  • 平面構成と奥行き構成を意識する
  • 構図のパターンが取れないときは天候を読む

Lightroomを使用したリフレクションのレタッチ手法

リフレクション写真のレタッチ

撮影したリフレクションの写真をLightroomに読み込んでレタッチを行います。

細かいことを突き詰めるとフォトショップに持ち込むこともありますが、今回はコンセプトに合わせてLightroomでできる範囲で行えるこ簡単な手法をご紹介します。

リフレクションを強調するレタッチ

撮って出しのリフレクション画像

こちらがNikonZ6とNIKKOR Z 24-70mm F2.8Sで撮影したRAWをそのまま書き出したものです。

しっとりとした緑、強いリフレクションなるようにレタッチしていきます。

ベースレタッチ

露出を少し落としてコントラストを強くすることで、全体的に重たい雰囲気を作っています。太陽の光が差し込んでキラキラと光るハイライトがあるときは、ハイライトパラメーターをマイナスにして輝度のメリハリを失くしてニュートラルな状態にもっていきます。

リフレクションを強調する

次にリフレクションを強調するためにまず段階フィルターで水面部をマスクします。境界線をキレイに取ることができるのでグラデーションで滑らかに処理するのは境界線のみにします。

今度は逆に露出が落ちて暗くなってしまっているので露出を上げ、ハイライトを強くして水面上に鮮やかに木のリフレクションを出して上げます。

その後に明瞭度のパラメーターを上げて境界線のメリハリを強く出すことで緩くなってしまっているディテールを引き締めます。

原寸データダウンロード

霧を出して柔らかい印象に仕上げる

霧を入れたリフレクション

霧を入れたシーンでのRAW画像です。デジタルデータは白飛びしてしまったものを直すよりも露出アンダーのものを直す方が楽なので、困ったときは若干アンダーに撮影してハイライトのデータが残るようにします。

ヒストグラム

撮影時にヒストグラムを確認して白飛びや黒つぶれが起きてないことを確認すると後のレタッチが楽になります。アンダー目に撮る場合でもグラフの中にデータが納まる範囲に調整します。

霧を表現するレタッチ方法

露出を少し上げて霧が白飛びしないところまで持ち上げます。その上でハイライトのパラメーターを下げてメリハリがなくなるように調整します。

ポイントはかすみの除去をマイナスに大きく調整すること。これで写真全体が白んで見えるようになります。その分彩度もなくなっていきますのでその分を自然の彩度を上げて調整します。

霧がかかっている部分の調整

元のRAW画像を見ると霧は全体にかかっていないのがわかります。全体にかかってしまっているかすみの下部分を元に戻すために段階フィルターを使いかすみの除去のパラメーターを上げます。

あとはリフレクションを強く出したいのであれば明瞭度と露出を上げます。

このようにコンセプトに合わせてLightroomで色調やディテールを整えていきます。

原寸データダウンロード

リフレクション撮影で写真の勉強をしてみよう

湖や池のリフレクションの撮影は撮れる構図や場所に制限があるため構図を作ってシャッターチャンスを待つ時間が長くなります。

そのため天気を予測して撮影スケジュールを組んだり、普段では意識しないとできない分析的な撮影アプローチができるので写真の勉強にうってつけです。

他にもCPLフィルターやNDフィルターの使い方、その両方を使った撮影方法などアクセサリーの使い方の習熟にも向いてます。

今回は定番の構図の作り方とコンセプトに合わせた簡易レタッチのワークフローのご紹介でした。

何を表現したいかによって構図の詰め方、レタッチの手法も変わっていきますので様々なアプローチから挑戦して見てはいかがでしょうか。

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