2018年6月26日に発売されるSUUNTOの新フラッグシップスマートウォッチSUUNTO 9。現行のフラッグシップウォッチであるSPARTAN ULTRAに手首から心拍が計測できる光学式心拍計と大容量バッテリーかつ効率よく使用できるインテリジェントバッテリーを搭載した次世代モデルです。
登山やマラソン、ロードバイクなどを趣味にしている人の中には気になっている人も多いのではないでしょうか。そんな人が必ず疑問に思うのが手首から心拍を計測できるのに別売りのチェストストラップ式の心拍計(SUUNTO SMART SENSOR)がついてくるセットがあるということ。…どちらを買えばいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
できれば手首だけで簡単に計測したい、でもできる限り正確なデータも欲しい。そんな方がほとんどだと思います。
そこでこれからSUUNTOのスマートウォッチを購入する人に向けて光学式心拍計と胸部に装着するSuunto Smart Sensorでの精度の違いを調べてみました。
購入する最新のSUUNTO9、または現行のSPARTANシリーズに別売りのハートレートセンサーであるSUUNTO Smart Sensorが必要なのか、それとも手首での心拍計だけで十分なのかをみっちりと検証しました。
胸部に装着するSuunto Smart Sensorの方が精度が高い
時計に心拍測定機能があるのに別のセンサーをセットにしている時点でわかることですが、胸部装着のセンターの方が精度は高いことがSUUNTO公式サイトでも表記されています。
しかしながらSUUNTOの光学式心拍計測(OHR)はバレンセル社製のものを使用しており、その精度の高さをPRしていますが、客観的な事実として開発途上のものであり、チェストストラップ式の心拍計である Suunto Smart Sensorに比べて90パーセントの確率で5パーセント以内を限界値としています。
では実際に計測してみてどのような結果になったのかを、心拍数が激しく動くロードバイクのヒルクライムで検証してみました。
電子式とチェストストラップ式の心拍計の誤差
SUUNTOのスマートウォッチのエントリーモデルであるSPARTAN TRAINER WRIST HRと現在のフラッグシップであるSPARTAN ULTRAを両腕に着用して同じルートを走行してみました。
計測1回目のヒルクライム2時間のアクティビティで平均心拍数に8%の誤差がになりました。最低心拍数にかなりの誤差がありますが、最高心拍は完全一致しています。
2回目の計測でも誤差は同じく8%。SUUNTOの手首からの心拍計測は最低値に誤差が出やすいようです。
ちなみに上昇(高度)に差がある原因はSPARTAN ULTRAは高度計を搭載しており、TRAINER WRIST HRは搭載しておらずGPSから算出しているからです。
SPARTAN URTLAのGPSは5.6.10-P2.1-SNT.005というモデル。たいしてSPARTAN TRAINERはAXN_251_339_17121100同等のものを搭載しています。価格から推測するとウルトラの方が高精度のチップを使用している可能性が高いですが、距離や速度の誤差はほぼありません。
走行ルートと心拍数
10kmで400m標高を上げて、あとは平坦道を走り最後に一気に下ってくるルートです。データは精度の高いSUUNTO SPARTAN ULTRAとSmart Sensorを使用して計測したもの。こちらを基準に手首から心拍を計測する光学式のSPARTAN TRAINERと比較します。
リアルタイムでの心拍計の誤差
アクティビティを開始した直後は手首から心拍を取る電子光学式の数値が極端に低くなっています。その後はほぼ同一のような推移になり、ダウンヒルに入り心拍が落ちると再び極端に数値が落ちていきます。
光学式心拍計は運動強度が高くなると全体的に心拍を高く取り、逆に落ち着くと低く取る傾向になりました。とはいえなぜか最大心拍は一致する不思議があります。
低心拍での誤差に関してはSUUNTO公式ページでもアナウンスされているため、ウォームアップをしてからアクティビティを行うと精度に良いデータが取れるそうです。
光学式心拍計はモニタリングとしては十分な機能
チェストストラップ式のSuunto Smart Sensorと、光学式心拍計測(OHR)の誤差を比べるとアスリートでなければ実用的ではないかと思いました。
ロードバイクを乗る人なら誰もが共感できることだと思いますが、チェストストラップ式の心拍計は取り付けるのがすごくめんどくさいです。腕時計を装着するだけで規則できてこの範囲の誤差であるならば、普段のトレーニングでは十分かと思います。
アクティビティに入り、一定の心拍数以上になると差は少なくなりますので継続して一定の心拍数を維持できるランニングや登山にはとても向いています。
逆に急勾配では心拍があがり、平坦道では心拍を落として足の疲労を回復させるロードバイクは苦手な分野といえる結果になりました。
コスパ重視の光学式、アスリート向けのチェストストラップ式
限界を追い込む人は綿密なデータが必要なのでチェストストラップ式の心拍計が必要です。最新のフラッグシップモデルは電子光学式の心拍計もついていますので、用途によって使い分けることができます。
逆にある程度の目安でいいので心拍数を知りたいという人は手首からの心拍測定で十分と言えます。たとえば登山やランニングでオーバーペースになっていないかのチェック、ダイエットで脂肪燃焼の効率が良い心拍数の維持といった使い方です。
時計のマテリアル(防水性能や堅牢性)に関してはエントリーモデルとフラッグシップモデルでは違いがありますが、トレーニングという分野において実質的な機能の違いはほぼないという結果になりました。
データの誤差を見る限りほとんどの人はSUUNTOのエントリーモデルであるSPARTAN TRAINER WRIST HRで十分ではないかなと思います。単体機能としての高度計もコンパスもついていませんがGPS連動で表示は可能で、データを見る限り実用の範囲内に収まっています。
SUUNTOのスマートウォッチを検討されている人は1つの判断の目安になりそうです。
スポンサーリンク
コメントを残す