登山中にトイレに行きたくなる。誰もが抱えるリスクです。3000mクラスの山では小屋と小屋までの距離が歩いて5時間以上なんて普通にあります。仕方なく登山道をちょっと外れて用を済ます人も多いと思いますが、お腹を下してしまったときや人通りの多い登山道では難しかったりします。
行動中にトイレに行くなくなる人が多い人や、縦走などで体調不良へのリスクを考えている人は携帯用のトイレを持っておくことをおすすめします。
携帯トイレの使い方
私が使っているのはエクセルシアさんのほっ!トイレです。色々な携帯トイレを経験してきましたが、この製品が一番水分の凝固率がよく、なにより臭くありません。
ポーチが付属していて持ち運びに便利
女性が抵抗なく持ち歩けるようにパステルトーンのポーチにしたそうです。この中に必要回数分のトイレキットを入れて持ち運ぶ事になります。
トイレでの一連の処理はカバー
便器を作る簡易セットやティッシュペーパーも同梱していますので、必要なものは一通りそろっています。便器枠・ビニール袋・タブレット・ポンチョが1つのセットになります。紙枠とポンチョは1つのみ同梱されていて複数回使用する仕様です。
まずは便器を作るために紙の枠の端をつなげます。
六角形の枠ができますのでこの上に広げたビニール袋を設置し、排泄物を凝固・消臭するタブレットを敷き用を済ませます。
終わった後はビニールに空気が入らないようにして結んで終わりです。かなりしっかりと凝固されますので、ザックの中に収納しても問題ありません。
ハイシーズンの混雑時にテントで使用できる
富士山や涸沢は毎年ハイシーズンになると仮設トイレが作られる程人が溢れます。男性はトイレの回転率が速いですが、女性はそうも行きません。
そんなときはトレイをテント中に作って用を足すという使い方もできます。
ポンチョで身体を隠すことができる
背に腹を変えられない状況で大活躍します。ポンチョを着れば遠目からは何をやっているのかはわからないでしょう。腕を出すことはできませんので転倒に注意してください。
山岳関係者の中で賛否両論
稜線沿いなどで気軽にトイレを使うと思わぬ事故が起こるかもしれないという点で、できれば安全な場所でのも使用して欲しいという声もあります。
毎年登山者の死亡事故を目の当たりにしている立場からだと、少しでも体調不良を感じているのに山にくること、山小屋の4時以降に来ることが自体が論外という厳しい視点を持っています。
個人的な意見としては、使う使わないは置いておき最悪な事態に対応できるという点で精神的に安心します。そういった意味で1つは持ち歩くようにしています。
使用済みの携帯トイレは必ず持ち帰ること
山岳関係者が渋るのはこっちが本音かもしれませんね。不法投棄問題です。排泄物を持ち歩くことに抵抗感がある人が多いのが実情です。
山荘に放置は良くないですけど、まだ対応のしようがあります。しかし登山道のあちこちに放置あれると最終的には収集がつかなくなってきます。
エベレストと登山のように、登山したら排泄物を数キロ回収してから下山するような条例ができるかもしれません。
使用する際は必ず家まで持ちかえってください。下山までは排泄物を持ち帰ってくる人でも最寄りのコンビニに大量放棄することも問題になっています。
排便を利用しての自然開発が行われている
ネガティブな面も多い携帯トイレの使用ですが、ほっ!トイレの開発元のエクセルシアさんでは、使用済みのほっ!トイレを使用しての自然開発事業に取り組んでいます。花畑の肥料にしたり、野菜を作っていたりしています(野菜は美味しいらしい)。
災害時・非常時に役に立つ
東日本大震災から2日目には現地に入って色々やっていました。水関連が致命傷で生命維持が最優先されるため、排水に回せる余力がなく衛生的に厳しい現場でした。
そんな時はまだ排泄物を凝固できる携帯トイレを知りませんでしたが、これがあれば数日間トイレに困ることがありません。一家に1つは常備する価値のあるものだと思います。
登山者次第で評価が別れる携帯トイレ
うまく活用すれば登山者の安全にも繋がり、自然の回復にも役立つものです。必要なことは登山者の良識です。放置する人が多ければ市場は狭くなっていきますし、キチンと家に持って借り処理すれば安全登山の1つのアイテムとして定着するでしょう。
行政も登山者の多い登山道の入り口に回収ボックスを設置し、それを肥料にして再利用する事業をするのもいいかもしれません。
携帯トイレを使う際は必ず持ち帰ることを前提にしましょう。
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