登山で一眼レフカメラを持ち運ぶシステムの答えが出た

登山で一眼レフを持ち運ぶ方法

登山で一眼レフを持ち歩く方法。多くの人が悩むと思います。ザックの中に入れると撮影機会がなくなりますし、ストラップを首かけるとすぐに痛くなり登山どころではなくなってしまう…。

そんな需要を汲み取り多くのメーカーが登山で一眼レフを携行するためのアイテムを開発しています。ザックのショルダー部分に装着するコットンキャリアのストラップショット、フラッグシップモデルに70-200mm F2.8をつけても快適に行動できるカメラベストなど。多くのものを試してきました。

職業ネイチャーフォトグラファーとしてはカメラをいかに快適に携行するか、そして撮影機会を増やすかに余念がありません。様々な試行錯誤の結果、1つの答えにたどり着きました。

それは1つのアイテムにこだわらず、状況によってスタイルを変えるということ。そしてどのようなザックであっても運用可能で、かつ取り外しと装着が簡単であること。さらにどんな天候でも対応できること。

現在運用している登山での一眼レフの携行方法をご紹介します。

ザックにループベルトを取り付ける

ザックにループを取り付ける

これがすべての基本になります。ザックのショルダーハーネスを支えるベルトは30Lクラスを超える登山用ザックにはほぼすべてにあります。ここにベルトを通します。

ループベルト

このようはベルトを使用します。サイドリリースとも呼ばれています。ベルトの太さなどは個人の好みがあると思いますのでアウトドアショップで切り売りしているものを買うことをおすすめします。ついでにバックルも購入して末端処理してもらうのが確実です。

ベルトにエスビナーを取り付ける

エスビナーの取り付け

エスビナーの片方を作ったループベルト、もう片方をカメラにつなげることで重さがクビにかからずザックの1部として体全体に分散されます。快適に運用するには大きめのエスビナーにすること。このカメラ携行システムは取り外し作業が多いため小さい物を使用するとベルトがひっかかりストレスになります。

私は耐荷重34kgの大きめのものを使用しています。これでも31gですので装着による重さを感じることはありません。

撮影機会を最大化。晴れに日の登りは一眼レフのボディを装着

Mountain photo 01

一眼レフ取り付けを横からみたとき

撮影機会が最大になるのは一眼レフをそのまま持つこと。この使い方をすればボディの重さはザックが吸収し、かつ即座に撮影に入ることができる。実はこの手の商品はたくさん販売されていますが、ベルトループとエスビナーを使用することで拡張性が増します。

一眼レフを装着する

まず一眼レフについているストラップの取付口にそのまま付ける事できるため、別途ジョイント部分を購入する必要がありません。どんな一眼レフでも対応できます。

カメラ位置を調整できる

カメラの位置を調整できる

サイドリリースバックルを使用することでカメラの位置を自由に設定できます。胸のあたりで固定したい人もいれば、お腹の部分で支えたい人もいるでしょう。長めのベルトを使用すれば自由自在です。画像のようにバックルの位置に気をつければザックのベルトを締めるのと同じ要領で長さを調整することができます。

撮影が窮屈にならない

疲労をおさえるためこの手の商品はベルトのコントロールができず、なるべく体の中心でカメラを支えようとする設計のものが多いです。これによる弊害はベルトが短すぎるためファインダーを覗くと窮屈になることです。

これも大きめのエスビナーを使うことで解決。片方を外すことで一気に撮影が快適になります。効果はそれだけでなくウェアの胸部ポケットにアクセスできるようになります。カメラベストを使ってしまうと完全なるデッドスペースになってしまうこの部分を活用することで、フィルターなどのアクセサリーを迅速に取り出すことができるようになります。

晴れていて危険の少ないアプローチ中の撮影はこの運用方法が一番楽で撮影機会を最大にすることができました。

カメラ保護と撮影機会のバランス。雨の心配がある、危険な箇所がある場合

ロープロのトップローダーを装着

カメラを裸で持てるのは天気がいい日に限られますし、岩場が多い場所だと大事なカメラがガンガンぶつかりボコボコになります。それに抵抗がある人はソフトケースに入れて携行しています。それもこのシステムで効率よく運用できます。

エスビナーにカメラバッグを装着

これもカメラと同じ要領でエスビナーに装着します。この手のソフトケースは裸でカメラを持って携行するにしても収納用に必ずザックに入っているものです。それを出すか出さなかいかの違いしかありません。

カメラバッグの位置

もちろんこのバッグの位置もベルトの長さで最適な位置に調整可能です。

ロープロ トップローダーシリーズ

ロープロ トップローダープロ 70AW

フラグシップボディがキレイに収まる

私が使用してるのはロープロのトップローダープロ 70AWです。NikonのD4Sのようなフラッグシップボディに24-70mm F2.8を装着して収納することができます。

トップにアクセサリーとメモリーカード

トップにはメモリーカード収納スペースがあります。ここのCFメディアをいれ、フィルターやステップアップリング、レンズクロスなどを入れています。

サイドポケット

こちらに水準器やサブのミラーレスカメラを肩につけるためのアダプターなどを収納します。

エスビナーの取り付け

専用にこしらえたかのようにエスビナーの取付口があります。

ケースからボディを取り出す

カメラの安全性とシャッターチャンスのバランスがいい携行方法です。これならいきなり雨が降ってもカメラを守ることができますし、多少岩にぶつけても問題ありません。ストラップをクビにかえていれば上蓋を閉じることなくカメラ置き場としても使えます。

トップローダーのレインカバー

ロープロ トップローダープロ 70AWには標準でレインカバーがついています。しかしこれは取り付けが非常に厄介なのです。ベルトを通す金具部分を一度全部外してレインカバーの穴にとさないとけないのですが、これもこのシステムで解決できます。

レインカバーの取り付け

エスビナーで取り外しが容易であるため、片方を外してレインカバーの穴を通したらもう片方。こうすることでレインカバーを迅速に取り付けることができます。大雨のときはこの手順でレインカバーを装着してからザックに収納することも可能です。

安全最優先:登山の下りでカメラの携行方法

体の中央にカメラやバッグを配置する方法。理にかなっていて身体への負担が少なくカメラも取りやすいのですが欠点があります。それが下りで足元が見えなくなるということ。これはものすごく危険だったためカメラベストを装着しての撮影では、下りに入ったらカメラはザックに入れていました。

登山の帰りの下りならば撮影終了の気持ちの切り替えとしてザックに収納するのはむしろやるべきです。しかし縦走では稜線を歩くので下りと登りの繰り返し。そんなときは真下が見えるようにアレンジをします。

下りでのカメラの携行

トップローダーの片方のエスビナーをザックからはずし、ザックとループベルトの間にさらにベルトを組み込みます。もうクライミングみたいなことになっていますが、こうすることでカメラバッグの重量をザックに分散しつつ、身体の横にバッグを持ってくることができるようになります。

ベルトループとカラビナ

最初に作るループベルトと同じものでもいいですが、ここはカラビナを使用しても問題ありません。クライミング用品が有り余っている人は有効活用できます。

肩が痛くなったとき

ウエストベルトに通す

ザックにくくりつけるため重量は分散されますが、それでも位置的に肩に負担がかかることは否めません。登山中はザックのベルトを緩めたり締めたりを繰り返して特定の箇所に負荷がかからないようにするのが基本。同じくカメラバッグも腰に移動させると負荷が軽くなります。

カメラバッグを腰に装着

ロープロのトップローダーは背面にベルトを通す事ができるため、ここにザックのウェストベルトを通すことで簡単に腰に装着できます。私の場合によく起きるのが重量を背負いすぎて肩が痛くなるパターン。

例えば槍ヶ岳から上高地に降りてきたときなどは肩が痛くなっていることがあるため、横尾からバス停まではカメラバッグを腰につけて歩きます。平坦道なので多少安定性が欠けても支障ありません。

登山のあらゆるシチュエーションで快適な一眼レフの携行スタイル

海外ではチームで登り撮影していたため、超重量の機材を背負って単独で縦走撮影するのは帰国してから初めてでした。色々な試行錯誤がありました…。

たどり着いた答えが意外にもそれほど投資が必要ないということ。ベルトとエスビナーのようなS環フック、それとロープロのトップローダーのようなカメラにフィットするケース。これだけです。

まだまだ実験と検証を続けますが、今現在このスタイルが登山でフラッグシップボディや大三元レンズを快適に携行する私のベストアンサーです。使用するカメラや山行スタイルによって最適解は違いますので、みなさんも色々と実験してナイスネイチャーを楽しんでください。

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