厳冬期縦走を含んだ山岳写真撮影に対応できるカメラザックの決定版というものは未だなく、色々な方が独自のカスタマイズをしています。
そんな山岳写真の装備の選択が難しい状況のなか、f-stop(日本ではTAKEが販売)という会社が登山でも使用できるザックと撮影機材収納ボックスをそれぞれ独立させ、また組み合わせることができるシステムを作りました。
他メーカーでよく見られるザックとの一体型ではありません。
つまり収納ボックス(Internal Camera Unit)を登山用のザックに入れることで誰もが山岳写真専用の機材収納スペースを手に入れることができるということ…!
現在f-stopの最大容量のザックは80LのSHINN。ほとんどの人はこの重量までのザックで十分なので、f-stopのザックとICUの組み合わせで事足りると思います。
軽量な機材で1泊程度ならばf-stopのカメラザックとICU(Internal Camera Unit)の組み合わせが現状一番実用的ではないのでしょうか。
しかし100Lクラスのザックはなく本格的な山岳写真撮影には厳しいのも現実。また登山が仕事ということもありザック自体の性能も重視します。特に私の場合は過酷な環境で超重量を背負うのでオールシーズン対応が必須。
また超重量で身体への負担が大きいことからザック自体の性能も重視しています。その結果今のメインのザックになっているのがGREGORYのアルパイン用の大容量ザックであるデナリ100です。
となればf-stopのICUだけを使用して本格的は登山ザック(デナリ100)に収納すれば撮影機材携行システムの快適度があがるのではないか?というのが今回のチャレンジです。
フラッグシップ+大三元の携行に最適なICUはLarge Pro
今回導入したICPUはLarge Pro。バッテリーグリップをつけたサイズのフラッグシップ機が収納できる深めの設計になっているICUです。
まず最初に気づいたのがICU全体にそれなりの剛性があり、特に上部は上に荷物ををいても歪まないくりいに硬い素材が当て込まれています。
これはf-stop公式サイトの着用例を見てもザックの一番下にICUを設置し、その上に登山用に荷物を置くことが想定されているからと思われます。
安心して登山用具を上に乗せられるのは山岳写真で使う上ではかなり高ポイントですね。
ICUの上にはベルトが通っており、上からアクセスして引っこ抜くこともできます。登山の準備やテントの中で機材の設定を変えるときには便利です。
サイドにザックに装着するためのギミックがついていますが、残念ながらこれはf-stopのザックでないと機能を発揮することができません。荷物が少ないとザック内でガタつくことがありそうですが、私の場合は荷物を沢山詰め込むので問題ありません。
f-stop ICU Large Proの中身
購入したときの状態です。仕切りがたくさんあるためカスタマイズ性が高くどんな機材の組み合わせでも対応できると思われます。
アウトドアフィールドで使うことを想定してるためか、健康性のある外側とクッション性の高い中身と仕切り。機材の保護を期待できる作り込みです。
収納性
適当に仕切りを分けるだけで現在使用してる機材と小物を収納することができました。
収納した機材
- Nikon D4S
- Nikon 14-24mm F2.8
- Nikon 24-70mm F2.8 VR
- Nikon 70-200mm F2.8 VR FL
- FUJIFILM X-H1
- FUJIFILM バッテリーブリップVPB-XH1
- FUJIFILM 16-55mm F2.8
あとは隙間に変えバッテリーは小物を収納するスペースがあります。ほとんどの人はこんな重量機材持っていかないと思いますので、これよりも2サイズくらい小さいモデルがベストかもしれません。
大きめのICUを使うことのメリット
登山で撮影機材を携行するときはフィルターや交換バッテリー、レリーズケーブルを始め細々とした小物が沢山あります。そういったものでも5-10Lくらいの容量になることともあるため、少し大きめのICUを購入して使用頻度の少ないものを収納しておくという使い方もおすすめできます。
私の場合はFUJIFILMのX-H1ち16-55mm F2.8の組み合わせを持っていく際に画角の被るNikon24-70mm F2.8を外す場合があります。
その際はテント場でしか使わないモバイルバッテリーなどの電子機器をf-stopのICUの中に収納します。
私の使い方だとボディ2台、レンズ3-4本の組み合わせで山行に合わせて中身をカスタマイズしていくという使い方がベストでした。
GREGORY デナリ100に収容
できることはできるのですが…ICUの中にアクセスできない…。
ザックのサイドジッパーから取り出すことができますが、山行途中で荷物がぎっしり入っていると荷物が邪魔して引っ張り出せませんし、無理やり出しても今度は収納が大変です。
f-stop純正のザックや背面や全面が開くザックを使用しない以上、あくまで機材の持ち運び用ボックスとして割り切る必要がありそうです。普通の荷物と同じようにザックの上から取り出す運用方法になります。
しかし私にとっては超重量のザックを下ろして再度背負うことが一番の負担なので、ザックの上からICUを掴んで取り出すだけですべての機材を出せるのは十分に魅力的でした。

f-stopのICUと相性の良いザック
逆に全面や背面がガバっと開くタイプのザックとは相性がとても良いと言えます。たとえば私が以前つかっていたMammut Heron Proなんかはそれに相当します。GREGORYのバルトロシリーズも全面がU字型に開くので相性も良いと思います。
ICUを入れられる登山ザックを探すのは用具選びとしては正しくないので、まずは自分の身体にあうザックを選び、それがたまたまf-stopのザックを収納しやすいモデルであったら運がいいという考え方をしましょう。
ザックから取り出して使う
テント場に必要ない荷物をデポしてからの撮影ではザックの中から取り出して拠点値に置くこともできますし、上部のベルトを掴んで持ち運ぶこともできる。これは中々使い勝手良かったです。
足元にICUを置いておいてレンズ交換もアクセサリー装着もすんなりとできます。
少し移動するにも余裕のあるザックのなかにズボッといれて行動できるため、これはもうf-stop純正の使い心地とそう変わらないのでは…?と思うくらいのフットワークでした。荷物をデポしたあとのパフォーマンスは秀逸です。
山への機材収納用BOXとして優秀
登山をで撮影機材を持ち運ぶ方法は2パターン。このようなf-stopのICUに機材を詰め込んで一元化するか、小分けにして登山用具と一緒に詰めるか。
小分けにするとその分のソフトケースにも入れる必要があるため、総合的な重量は重くなります。そこでICUを使って一元化することで、機材の取り出しやすさと管理のしやすさを両立できます。
細かい登山用具もICUに入れることができるので登山に置いて不便な点は見つかりませんでした。しかし、いかんせん機材へのアクセスが悪い。
やはりこれはf-stopのザックを組み合わせることを前提に作られています。ザックの中にアクセスすることなくジッパーを開いて機材を取り出すのが理想的な使い方です。
しかしレンズ・ボディ・アクセサリーを小分けにしてザックに入れる私の山岳写真のスタイルにもお目当てのレンズを取り出すのに時間がかかったり、結局はパッキングし直しというデメリットがあるので、撮影機材を1つの塊として扱えるf-stopのICUは結論として使いやすいという着地をしました。
登山に撮影機材を持っていく人の収納ボックスとしておすすめできます。
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