登山をしながら写真撮影を撮ると決めているとき、理想的な雲台はなんだろうと様々製品を試した結果行き着いたのがManfrottoのギア付き雲台405です。
これも海外でメインで使用していた雲台で、3WAYの基本的な三脚に精密な微調整ができるギアがついている作りで水平を容易に出すことができます。操作に慣れるまで少し時間がかかりますが、ネイチャーフォトでは圧倒的な性能を発揮するので静物メインの人には自信を追ってオススメできる雲台です。
3方向すべてに角度が細かく書かれている
動かすことができるすべての軸に細かく角度が書かれているため、感覚に頼らないロジカルな構図を取ることができます。
例えばシャッターごとに一定感覚角度を付けるような撮り方をするときに重宝しますし、ベストな構図を数値で覚えておくこともできます。
堅牢なクイックシュー
耐荷重7.5kgまで対応している雲台なので、クイックシューながらガッチリと一眼レフのボディを固定してくれます。
カメラにクイックシューを取り付けて雲台に上から押し付けるようにすると自動でロックが掛かる仕組みになっています。固定ネジは2種類ありますが、一眼レフのボディにつけるのは小さいネジのほうなので、大きい方は取り外して保管します。
※現在アルカスイス互換に改造して運用しています。

使いづらいところ
ベルボンなどの日本のメーカーに比べると気が利かないなと思う部分が2つあります。まず取り付けるクイックシューに向きがあるので、ボディの取付に気を使うこと、2つ目はロックにコインが必要なことです。
山に持っていきコインがないとクイックシューにカメラを固定できないため悲惨なことになります。機能面では問題ありませんが細かい点がきになります。しかしそれをデメリットと感じさせないほどネイチャーフォトで使用するには魅力的な雲台です。
使い勝手はManfrottoギア付き雲台410と同じ
モデル | 405 | 410 |
---|---|---|
重量 | 1600g | 1200g |
耐荷重 | 7.5kg | 5kg |
素材 | アルミ | アルミ |
プレートタイプ | 410PL | 410PL |
定価 | 85,320円 | 38,800円 |
基本的には耐荷重の違いだけです。細かい使い勝手は405がクイックシューも同じものを使用しています。長くて重たいレンズを使用しないのであれば410ので充分ですが、300mm以上のレンズを使用する人、70-200mm F2.8クラスを使用したときに絶対にブレてほしくない人は405を選ぶという基準だと思います。
しかし価格差でいうと410と405で2倍も価格が違うので、そう考えると405はコストパフォーマンスが悪く仕事として写真を撮るプロよりの製品といえます。
持ち運びは意外とスリム
画像の右手のハンドルと左手奥のハンドルで水平と垂直を出しにいきます。3WAY雲台と同じです。ギアを除いた特徴といえばハンドルが短くバッグに収納しやすいことです。
特に登山になるとザックの横に三脚を装着するので、岩場で雲台が引っかかるというリスクを回避できます。
実際に操作するときはこのような見え方になります。根本になるハンドルが雲台の回転軸になります。水準器も搭載されているため、数値を見ながら正確はフレーミングを行なうことができます。
ハンドルをロックしたまま微調整ができるギア
Manfrottoのギア付き雲台405 / 410の最大の利点がロックしてから微調整ができる機能です。
奥の「QUICK SET」というハンドルを回すと3WAY雲台のロックをすべて緩めた状態になるので自由に動かすことができるようになります。
しかし手を離すと自動でロックがかかる仕組みなので、3方向すべてを自由に動かすことはできません。基本的には1つのハンドル限定になります。
ある程度構図を決めてから微調整に入る
自由になるQUICK SETハンドルで構図をある程度決めてから根本のハンドルを回すと少しずつ角度を変更していくことができます。この機能をうまく使いファインダーや水準器を見ながら構図を作っていくのがManfrotto ギア付き雲台405 / 410の基本になります。
この機能は一般的な3WAY雲台の最大の問題点を解決することができます。それはハンドルを絞ってロックをかける際に構図がずれることがないということです。70-200mmのような長くて重たいレンズを使用すると起こりやすいトラブルを防ぐことができます。
使い慣れると普通の3WAY雲台よりも正確に確実に構図を作ることができるようになります。
中判カメラも余裕を持って対応できる雲台
現在のメイン機であるNikon D4Sを乗せてみました。雲台自体がそれなりに大きいです。
縦位置を取るとき、動かすハンドルがレンズの下付近にあるのも特徴の1つです。多くの雲台はボディの横に来るように配置されていますので、これもManfrottoギア付き雲台405 /410の特徴といえます。
雲台を駆使して構図を作るとき、多くの人が利き手で操作すると思います。そのように使っている人は最初Manfrottoギア付き雲台405 / 410を使うと戸惑うかもしれません。
私の実感としては上下の構図(左手前のハンドル)は左手で操作し、縦位置の調整ハンドル(右奥)を右手で操作します。ファインダーを覗きながら微調整ハンドルを左右の手で回しながら構図を作ります。
動いている被写体には向かない
個人的には静物の撮影に特化してる雲台だと評価しています。ネイチャーフォトでは最高の機能性ですが、動いている被写体を撮るときは使える代物ではありません。
この雲台の対極にある自由雲台は三脚でブレの心配をなくし、彼らを振り回し動く被写体を追ったり、水平垂直にシビアでない状況でロックをかけて撮影する手法に向いています。
そういう意味ではハンドルをすべて開放すればカメラを自由に動かせる3WAY三脚にも機能性では劣るといえますが、それをわかった上でネイチャーフォトのような静物撮影に特化した作りが山岳写真を専門としてる私には心強いです。
GITZO5型ステマチック三脚 GT5543LS + Manfrottoギア付き雲台405がベストの写真を撮りに行くときの組み合わせ
GITZO GT5543LSが2.82kg、Manfrottoギア付き雲台405が1.6kg、合計4.4kgになります。以前のベルボンのVelbon El Carmagne 645 (現行モデルだとGeo Carmagne N645M II + PHD-65Q)が2.2kgであることを考えると2倍の重量になります。
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