登山を安全に楽しみながら写真撮影を楽しむためには様々なギアを組み合わせる必要があります。
その1つがカメラを登山用のザックやベルトに取り付けてカメラを装着することができるPeak Design(ピークデザイン)のCature(キャプチャー)。
色々なメーカー類似製品は出ていますが、ピークデザインのキャプチャーの取り付けは軽量・洗練されたデザイン・そして三脚の雲台にそのまま装着することができるアルカスイス互換です。
幾度と改良が加えられてきたシリーズで現行モデルV3を実際に登山で使用し性能を確認してきました。
ミラーレス一眼をメインにしている人には第一候補として考えてもいい完成度です。
ピークデザイン キャプチャーの外観
化粧箱は至ってシンプル。箱を開けると本体とカメラボトムに装着するプレートの2つが見えます。
箱からすべての同梱品を取り出します。収納用の袋、取り付けに必要な六角レンチ、本体を固定する際に使用するボトルのスペアの構成です。
本体の構造
プレートを装着したカメラボディを、本体の上からスライドして挿入するするとカチッと自動で固定される単純なシステムです。
カメラを取り外す際はロックボタンを押し込みカメラを引き抜く仕様です。よってカメラを引き抜くときは左手の指でロックボタンを押し込み、右手でカメラを引き抜く作業が必要になります。
ロック機能搭載
ピークデザインのキャプチャーV3の面白いところが、誤ってカメラが落下させないようにロック機能がついていること。ロックレバーを回すと固定されます。
レバーを押し込んでロックを解除する作りなので、岩場など身体を動かして登るような場所ではロックしておくと万が一の落下トラブルを未然に防げます。
ピークデザイン キャプチャーの取り付け方
プレート2枚をボトルで固定するシンプルなスタイルです。
本体重量84gという軽さは登山で求められる軽量化の観点から見ても優れています。
登山で使う場合はショルダーハーネスに挟む使い方が多くなると思います。ハーネスを挟みボルトで上から固定します。
MAMMUTのTrion Proにはギリギリ取り付け可能でした。ザックによっては装着が難しいものもありそうです。特にクッション性を重視してショルダーハーネスを厚めに作っているタイプのザックは事前に確認した方がよいでしょう。
山岳写真の撮影でも最も使用頻度の高いグレゴリーのデナリ100には余裕をもって着用することができます。


カメラへのプレートの取り付け
カメラの三脚穴に専用のプレートを取り付けます。
プレートの取り付けには六角レンチが必要です。これは付属されているので、ピークデザインのキャプチャーV3を使って登山をするときは万が一のトラブル回避のために持ち歩くいた方が無難です。
RRSのLプレートを使用している人はカメラに六角レンチを取り付けてしまうこともできます。RRSとピークデザインのキャプチャーのレンチサイズは同じなので併用することができます。

登山用ザックにカメラを取り付ける
ピークデザインのキャプチャーV3は小型軽量であるためホールド性が心配でしたがFUJIFILM X-H1にRRSのLプレートの組み合わせでしっかりと固定されます。
ミラーレス一眼の中でも重量のあるシステムでもずれ落ちてくることがなかったため、ほとんどのミラーレス一眼カメラで対応できると思います。
右のショルダーハーネスに装着しているコットンキャリアの3Gストラップショットと比べるとピークデザインのキャプチャーV3のコンパクトさがわかります。

アルカスイス互換のプレート
ピークデザインのカメラホルダーシステムを検討する人の中で、一番の購入動機とするのがアルカスイス互換のプレートと考える人も多いのではないでしょうか。
これは規格の合う雲台ならばクイックシューなどを必要とせずにそのまま着用できる互換性のことです。つまりキャプチャーV3から外したカメラをそのまま雲台に装着して撮影するワークフローを実現します。
最近はアルカスイス互換の雲台が増えてきていて、本家のアルカスイス、RRS、GITZO、K&Fなどの雲台も採用しているシステムです。(メーカーによって取り付けできないこともあるため、事前確認は必須。)
ピークデザインのプレートはGITZO、K&F、マンフロット405を改造したHejnarクランプでの互換性を確認できました。


剛性が必要な撮影ではプレートをカメラに直付けしたい
ピークデザインのプレートは小さいこともあり三脚取付時の剛性はそれほど高くありません。よってLプレートなどを使用している人はピークデザインのプレートの位置がレンズの真下にこないため剛性に少し不安が残ります。
キャプチャーV3の登山での使い心地
RRSのLプレートを装着したFUJIFILMのX-H1で長野県の霧ヶ峰を散策しました。
登山用のザックMAMMUT Trion Proのチェストハーネスを閉めれば歩行中にカメラがぶらつくこともなく快適な山行ができました。
ザックに固定する段階ではしっかり固定できましたが、実際に山の中で歩いても大丈夫なものなのか。それを入念に確認しました。
2つのプレートを挟みボルトで固定するシステムなので歩行中で緩むのを懸念していましたが、それを感じることはなく下山までしっかりと固定され続けました。
岩に持たれかけるようにザックを置けばカメラを装着したままでも問題ありません。
軽量なPeak Desing CatureV3に剛性は期待していなかったのですが嬉しい誤算です。
軽量なミラーレスとの相性がよいカメラホルダー
小型軽量なPeak Design Capture V3は軽量化を求められる登山との相性は抜群です。懸念される堅牢性に関してはミラーレス一眼でバッテリーグリップを使わないのであれば不安なく運用できます。
しかしNikon D4Sなんかのボディをつけると身体への負担が大きくなるため向いていません。一眼レフであればCanon 5DやNikon D850に単焦点か短いズームレンズぐらいまでが不安なく運用できる許容ラインです。
それ以上になると歩行中にカメラがグラグラと揺れるため身体の負担が大きくなります。大型ボディを着用するのであれば登山用のザックを改造するシステムが今の所一番安定しています。

そして何よりも魅力的なのがプレートがアルカスイス互換であること。三脚にそのまま乗せられるフットワークの軽さは山岳写真では大きな武器になります。
とくに稜線付近は強風であることも多いためカメラホルダーのアダプターの取り外しを六角レンチで行うタイプのものは紛失させてしまう可能性が高いのです。
そういった意味では軽量なカメラを持ち運ぶ人の山岳写真のトータルソリューションとしてピークデザインのキャプチャーV3はとても優秀です。
大げさな見た目にならず普段使いもできるため、コストパフォーマンスと使い勝手を求める人にはオススメできるカメラホルダーです。
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