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ミラーレス一眼でFUJIFILM X-H1を選んだ理由。ネイチャーフォトでのベストセレクト

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FUJIFILM X-H1

山岳写真メインのネイチャーフォトを撮るために最適なサブ機はなんだろうと模索し続けた結果、FUJIFILMの X-H1を導入することにしました。今季からNikonとFUJIの2台体制でネイチャーフォトをすることになります。

ソニーのα7RⅢ・α7Ⅲと悩みましたが、なぜAPS-CであるX-H1を選んだ理由をまとめます。

山岳写真で使用する機材は軽い方良い

山岳写真の機材は軽い方がよい

山岳写真は9割が登山で1割が写真撮影。優先するべきは安全に登山をすること。特に軽量化は体力の消耗や筋肉の酷使を回避できるため安全に直結します。そのため機材はできる限り軽くするべきです。

私個人の問題であればNikonのフラッグシップ機と大三元レンズ背負って登ればいい話なのですが、それはお仕事で写真を撮る人のレベル。

最近日本の山岳写真のあり方に思うところがあり、登山と山岳写真の技術を両方が学べる情報発信をアウトドアメーカーさんと協同で行っている中で別の考え方が出てきました。

それが「趣味で山岳写真を撮りたい人に提案すべき撮影機材」。登山経験は浅いけれど山岳写真を撮りたい人も増えてきている背景もあります。

人によっては最終的にはフルサイズ一眼レフ機などの超重量のカメラに辿りつくかもしれないですが、山岳写真の入り口として私の中で「仕事でも通用するベストな軽量システム」を作っておく必要がありました。

その答えがAPS-Cのミラーレス一眼である、FUJIFILMのX-H1。

ソニーのαシステムは軽量ではない

SONYのαシリーズはフルサイズながら軽量小型であることがウリになっていますが、高品質のレンズを揃えれば揃えるほどその恩恵を受けづらくなっていきます。広角から望遠までをズームレンズで揃えると重量はこのようになります。

SONY FUJIFILM
ボディ α7Ⅲ 572g X-H1 623g
広角レンズ FE 12-24mm F4 G 565g XF10-24mmF4 R OIS 410g
望遠レンズ FE 24-70mm F2.8 GM 886g XF16-55mmF2.8 R LM WR 665g
望遠レンズ FE 70-200mm F2.8 GM 1480g XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR 995g
    3505g   2695g

ボディとレンズ3本で800gくらいX-H1のシステムの方が軽量です。フルサイズのセンサーに合わせたレンズなので当然です。

気になるのがαのボディとレンズのバランスの悪さ。ボディは小指あまりするのでフラッグシップクラスのレンズをつけたときの撮影パフォーマンスは確実に落ちます。

バッテリーグリップをつける、テクステンション、Lプレートをつけるなどの回避策はありますが、それを使わないとまともに撮影できないのは仕事で使う設計ではないなと感じました。

軽量性よりも防塵防滴と堅牢性

カメラは堅牢性・耐久性が第一

山岳写真は機材トラブルの多い撮影です。雨・埃・雪・低気温・結露・落下など様々な複合要因が重なります。カメラにとって最悪な環境といっても過言ではないと思います。

写真を撮るために山に登るという考え方をするのであればプロユースのボディであることは最低条件と考えています。本当に厳しい環境では一眼レフのフラッグシップ機を使うという考え方はいまだ変わりません。

堅牢性と軽量性がトレードオフならば選ぶべきは堅牢性と考えています。

ネイチャーフォトグラファーにとって最重要機能は「壊れない」こと

プロとして仕事で撮影をすると悪条件下でも撮影を続けなければなりません。急に雨が降ってきたからといって撮影を切り上げることは出来ませんし、機材が故障したから写真が撮れませんでしたなんて言い訳も通用しません。

特に山岳写真のようなネイチャーフォトは撮影現場にたどり着くまでの交通費や滞在費などを含めると経費の額が大きいため、撮影中のトラブルやカメラが壊れることは死活問題です。

つまり壊れないカメラが最低条件であり、その上でどれだけ軽量で高画質なボディとレンズを選ぶのかというアプローチになります。ミラーレス一眼がどの程度過酷な環境で通用するのかのデータが少なく、最後まで高画質のソニーか、堅牢性の高いフラッグシップを出したFUJIFILMかで悩みました。

最終判断をしたのがメーカーのプロユースと防塵防滴に対する考え方の違いです。

ソニーのαシリーズの考え

SONYのαシリーズで面白いインタビュー記事がありました。

ソニーのシニアゼネラルマネージャーさんの言葉を訳すと、α9やα7の防塵防滴性能を疑問視する声がありますよね?という質問に対し

「悪条件、大雨の中でフォトグラファーは撮影をし続けるのか?そうは思わない。ほとんどの人はレインカバーをつけるだろう」

と発言しています。こうも続きます。

プロからの要望はないのか?という質問に対し

「それはある。しかし防塵防滴(耐久性)と重量・サイズバランスを取ることが大事。プロは耐久性を求めるが、ホビーユーザーが求めるのは小型で軽量であることだ」

と答えています。

ただ防塵防滴への対応は重要であるとも言っているので、今後何かしらの対策がされるかもしれません。

実際のαシリーズがどのように設計されているかは置いておいて、現状は防塵防滴に課題が残っているが解消出来ていない、また必ずしも解決するべき段階ではない、というニュアンスを読み取れます。

たしかにホビーユースで使いやすいカメラを作ったほうが最大多数の最大幸福の面で多くのユーザーに喜んでもらえると思います。防塵防滴はオーバースペックという考え方も理解できます。

一方プロフォトグラファーはプロ同士で情報交換してカメラを選ぶことも多いのでプロの要望(耐久性)とホビーユース(軽量小型)を天秤にかけている中でソニーさんが「プロ市場は保守的なのでこれから着実に増やしていく」と言っても防塵防滴低気温駆動のデータが出てこない限り、私のいる領域のフォトグラファーは動かないんじゃないかな…と思います。

プロ寄りの機種を出すのか、ホビーユースに徹するのか、両方を実現できるイノベーションを起こすのか。今後のソニーには期待が高まります。

FUJIFILM X-H1の考え

ソニーとは真逆の考えをしているのがFUJIFILMのX-H1。

「カメラ設計者からするとプロユース・プロスペックを成立させるには、なにを差し置いてもまずは外装設計なのだ。外装と書いたが、実際は構造体であり内部骨格としての役割も持っているので”フレーム”と思ったほうがいい。」

「Xシリーズの魅力である、携行性・軽量性を担保しながら強度をあげる、ギリギリのところを攻めていかなければ設計の意味がない」

「防塵防滴耐低温、文字にしてしまうとたったこれだけなのだが、設計上・組立上の作業は最も多いものの一つだ。何しろ、ボディ本体で68点、バッテリーグリップで26点もの部分でシーリングを施すことで成立しているのだから。」

言葉の節々から過酷な環境で使うことを前提した設計思想であることがわかります。

また「プロユースというのは非常に魅力的な響きを持っている。」という文章からも、プロが仕事で使うレベルの信用性を求めるユーザーがいることも汲み取っています。

山岳写真と相性が良いミラーレス一眼はFUJIFILM X-H1

プロユースのX-H1

2社を比べるとソニーは「ホビーユースに最適化された小型軽量を重視」なのに対しFUJIFILMのX-H1は「プロが使える小型軽量に振り切った」カメラの設計をしています。

軽量小型の機能が犠牲になることが分かっていながら、今までのFUJIFILMになかったグリップの作り込みをしています。

プロユースで壊れないカメラの代表といえばCanonの1DXやNioknのD5といったフラッグシップ機。これはメーカーがアナウンスしなくても多くのプロ同士で情報を共有していることに加え、過去の実績から絶対の信頼を作り上げています。

しかし近年台頭してきたミラーレスは過酷な環境での情報が少ない、電子部品が増えていることや小型軽量化による耐久性への懸念から「山岳写真の仕事で使いものになるのか?」という疑問が消えませんでした。

判断材料にできるのはメーカーが出すスペックや設計思想、耐久テストというコンテンツ。求める情報をFUJIFILMがX-H1の開発ストーリーとして公開していたことが決定打になりました。

軽量コンパクトというコンセプトを守りつつもプロがプロとして使うための大型化、耐久性の向上のための重量アップ。まさに求めていたカメラです。

ソニーのαシリーズが劣っているというわけでなく使用用途の問題です。

そんな中で「こっちこいよ」と言わんばかりのエクストリームネイチャー専用機のような設計思想のボディを見せられると我慢できなくなってしまった流れです(‘A`)

FUJIFILMのレンズは防塵防滴耐低温

XF16-55mmF2.8 R LM WR

そんな堅牢性にこだわるFUJIFILM。当然レンズもX-H1のボディに見合う堅牢性があります。

フラッグシップレンズであるフジノンレンズ XF16-55mmF2.8 R LM WRは公式サイトで防塵防滴、−10℃までの低温駆動を記載しています。対してSONYはフラッグシップレンズでも「防塵防滴に配慮した」との記載のみで具体的な数値などは公表していません。

レンズだけみてもFUJIFILMの方が極所には強いことをアピールしています。

APS-Cのメリットは未知数

FUJIFILMの描写力が素晴らしいのは周知の事実ですが、あくまでそれはAPS-Cのセンサーの中での話。物理的な問題で35mmフルサイズよりもダイナミックレンジや高感度耐性では不利です。

そのあたりは2430万画素というバランスで帳尻を合わせているのだろうと思います。

しかしカメラの性能は日進月歩の速度で進んでいることに対して写真のレベルは同じ速度で発展しているのかと言われればそんなこともなく、あくまでカメラの性能や画質はいい写真を撮るためのいち要因に過ぎないと考えています。

すべては成果物で評価されますので作品を出して力技で納得さればいいだけの話。フルサイズ一眼レフからAPS-Cミラーレスに切り替えることで得られるものが写真に品質に反映されれば問題ありません。

非常にわかりやすい。それができるスペックをX-H1に感じました。チャレンジとしても面白いです。

小型軽量ミラーレス一眼は山岳写真をする上で必要になる

FUJIFILM X-H1

FUJIFILMのX-H1は山岳写真のプロの現場で使えるものなのかの検証と同時に、趣味の人が山岳写真を安全に楽しむことができるためのカメラなのかという2軸で考えています。

安全面に関しては一眼レフより軽量小型なミラーレス一眼であることは反論のしようがありません。しかしカメラにとって最悪な環境の山での信頼性は確実に一眼レフ。そんな中出てきてのがシビアな環境に対応したプロユースのミラーレス一眼X-H1。

これからの山岳写真のパフォーマンスにどのように影響してくるのか楽しみです。

※X-H1の実写レビュー書きました。

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